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Channel: 頭の上にミカンをのせる
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なぜホロライブ運営「カバー」はYouTubeの再生数では勝ってるのににじさんじ運営の「ANYCOLOR」にボロ負けしているのか

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www.jpx.co.jp

結論から先に言うと、にじさんじの方がホロライブの2倍以上儲けてるようです。


これは2022年度の決算までの業績ですが、2023年度はさらに差が開いています。
似たようなビジネスをやっている二社ですが、細かく見ればビジネスモデルに差があることがわかります。

まずYouTubeに関する数字比較

トータルでのチャンネル登録者数及びYouTubeでのPVは圧倒的にホロライブの方が上

また、海外展開でもホロライブの方が優勢といってよいです。

にじさんじは、ユニット数が少ないにじさんじENが売り上げの3割をたたき出して話題になりましたが
ホロライブはすでに4割が海外勢のファンなのですね。

さらにいうと、これは直接比較できるデータがなかったのですが
二次創作においてもホロライブの方が盛んであることは間違いないと思います。

そもそもにじさんじはDLSiteから二次創作作品を締め出したりしており
「にじさんじの二次創作は地雷」的な雰囲気が漂ってるくらいです。

まぁその代わり、ホロライブはファンが熱意ありすぎて調子に乗って事件を起こすことが度々起きていますが。
(といっても私は中国撤退騒動とぺこら自殺アート訴訟と水龍敬先生暴走事件くらいしか知らない)

さて、ここまで見た人は不思議に思ったのではないでしょうか。

PV数でもチャンネル登録者数でもホロライブの方が買ってる。

なのにどうして売上でも利益でもにじさんじに負けてしまうのか……。


売り上げに関する比較

にじさんじはコマース事業の売り上げが圧倒的に強いのに対してホロライブはまだスパチャ依存が強い

にじさんじはVTuberがファンに対して「スパチャうれしいけどグッズ買ってくれたほうが助かる」ってグッズの方を促してる。
それに対して、ホロライブはいまだにスパチャこそがVTuberの華といわんばかりの営業のようです。

そもそも公式オンラインショップの開始タイミングがまるまる一年ずれてます。
ANYCOLR:2020年9月 「にじさんじ」専用のオンラインショップである「にじさんじオフィシャルストア」を開設
カバー:2021年9月 公式オンラインショップ「hololive production OFFICIAL SHOP」の運用を開始

いうまでもなくスパチャはGoogleが35%持って行ってしまうので実際のファンが使ったお金が大きくロスしてしまいます。
グッズは製作費がかかるとはいえ、ぶっちゃけかなり高い価格でも売れるし、なんといっても一部のヘビーなファンに依存せずライトなファンにも広く展開できますから売り上げの伸びが段違いです。

にじさんじストアの会員数はすでに70万人を突破しています。ホロライブの方はどのくらいなんでしょうね(資料では非開示でした)

にじさんじのグッズ販売はプラットフォーム依存が低い?


にじさんじは今でもBOOTHを使っていますが、基本的には直販体制っぽい?ソニーミュージックはなんじゃろ?


一方ホロライブは公式オンラインショップといってもBOOTHやショッピファイを使ってるというのと
まだまだグッズ展開がにじさんじと比べると遅れているようです。
逆に言うと、これからどんどん伸ばす余地があるということですね。

にじさんじは「金を出す女性ファン」がすごく多い

VTuberに疎い私でも、ホロライブは今の時点で女性ライバーしかいないということは知ってる。別に女性ライバーだから男性ファンしかいないというつもりはないけど、それでも男性ファンの方が多く女性ファン比率は低いと思う。*1

一方でにじさんじは、少なくとも金を出すファンに限って言えば圧倒的に女性ファンが多いのですね。

本当に不思議なんですが、女性は男性と違って推しのためなら金を惜しまないという人の割合が明らかに高い。ホロライブはこれからグッズ展開を進めるにしても女性ファンの掘り起こしをどうするのだろうって思ってます。


利益率に関する比較

とはいえ、売り上げ自体はにじさんじとホロライブはだいたい同じなんですよ。

また、売り上げから「売上原価」を引いた粗利の段階ではにじさんじとホロライブはほとんど同じです。

むしろホロライブの方が抱えてるVTuberの数は少ないです。なのになんでこんなに利益率に差が出るのか。


VTuber一人当たりの売り上げ自体はホロライブが圧倒的に上回る

一人当たりの売り上げを比較してみた結果がこちらです。

明らかにホロライブメンバーの方が強いですよね。
つまり一人一人のメンバーを同じコストで管理できるならホロライブの方が儲かってるはずなのです。

ホロライブの方が圧倒的に社員の数が多い

にじさんじの社員数は200人ちょっとです。しかも詳細は省きますが外注費もにじさんじのほうが少ないです。

一方で、ホロライブはその倍。

これだけ人が多いとそりゃ社員の給料だけで10億円の差が出ます。*2

ホロライブは「メタバース」ゲームを作るための開発費がかかってる

私は現時点でのホロライブの利益が低いのはここが原因だと思ってたんですが……。

正直現時点でこれにどのくらいのお金をかけてるのかがいまいちよくわかりません。

少なくとも現時点で研究開発費(メタバース開発に関与する社員の給料)は2600万程度としょぼしょぼです。ほぼ外注任せといってよいでしょう。

一方外注費が2022年度に23億→56億円と急増していますが、このうちどのくらいがメタバースにかかっているのかがポイントですね。

kai-you.net

ここの割合が大きいのであれば「ホロアース」の開発が終われば一気に利益率が改善すると思います。

忙しい人のためのまとめ

①現時点ではホロライブよりにじさんじが圧倒的に儲かっている。

②ホロライブはファン獲得や海外展開ではにじさんじを圧倒的に上回っているが
 スパチャや二次創作文化依存が強く、グッズ展開ではにじさんじに1年遅れている

③ホロライブはグッズ中心に売り上げを伸ばすにあたり女性ファン獲得が今後の課題となろう

④2024年リリース予定の「ホロアース」開発費用がどのくらいかかるかによっては
 あっという間にホロライブがにじさんじを追い抜く可能性は高い。

*1:ぶっちゃけ、なんかの時に見た5期生だったかの配信があまりにうざかったのでなんとなく「メスガキ」のイメージすらあります。めちゃくちゃ若者に特化したコンテンツなんかなあと。なのでオッサンでホロライブファンっていうと、いい年こいてアニメとかマンガ好きなキモオタの分際でありながら、自分を棚に上げて「さすがにこれはおっさんが混じったらダメでしょ」って思ってしまう。完全にブーメラン

*2:というか、にじさんじはこれだけ儲かってるんだから社員にもっと還元してあげて・・・って思ったらストックオプション配ってて素晴らしいと思いました。ホロライブはこれだけ人数多いと無理でしょうね


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