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Channel: 頭の上にミカンをのせる
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経産省が「実を言うと、製造業はもうだめです。 突然こんなこと言ってごめんね。」って言ってるぞと煽ってる人がいたので読んでみたら嘘だったが資料はめちゃ面白い

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この人は転職煽り屋なので、全く信用できない上にツイートから続きを読もうとすると「1000円よこせ」って言われてイラッとしたので自分で読むことにしました。

元の資料「製造業を巡る現状と課題今後の政策の方向性」はこちらです

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seizo_sangyo/pdf/016_04_00.pdf

読んだ結論だけ先に書きます。
まぁこの転職アフィカスデビルが言ってるメーカーの闇はどうせこれでしょう。

あとこれ。

主要メーカーの海外売上比率は50%を超える企業がほとんどです。
「製造業の海外直接投資残高は、増加傾向(2015年65兆円→2022年98兆円)。」
「直接投資収益は2020年にかけて減少に転じるも、直近2年では過去最高を更新(2015年 5.8兆円→2022年9.4兆円)。」

よーするに、
「1:大企業に就職しないと死ぬぞ」と
「2:国内に製造業の仕事なくなるぞー」って煽りたいわけだ。

やってることがトランプと一緒やんけ。
これだから転職アフィカスは・・・
人の心さえ捨てればめちゃくちゃ儲かるんだろうな。私もお金に困ったらやろうかな


ツイートの表現を見ても、デビルは資料そのものは読んでおらず何らかの生成AIからの出力をコピペしているだけと判断でき、彼がこの資料を深く読み込んでいないことは明らかです。つまり、彼から特別な知見が出る可能性はありません。直接資料を読めばデビルのnoteに書いていることはすべて載っていると確信しています。

本当に興味があるならちゃんと資料を読め、ぶっちゃけ無茶苦茶読みやすい上に図説もついているので、テキストだけしかないであろうデビルよりはるかに読みやすいです。

そもそも製造業煽りはずっと「ものつくり太郎」がやっているので、本当にきになるならそっちを読め。

とりあえず全部読んだけど航空と宇宙系面白いと思った

日本の製造業が直面する現状、課題、および政府が推進するDX、GX(グリーントランスフォーメーション)、経済安全保障、航空宇宙産業戦略に関する主要なテーマと重要なアイデアや事実をまとめたものです。

1. 製造業を巡る現状と課題

1.1. 収益性と効率性

日本の製造業の純利益率は継続的に上昇しているものの、米国や欧州と比較して依然として数パーセント低い水準にあります。

レバレッジ比率の低下はあるものの、ROE(株主資本利益率)は米欧に比べて5~10%劣位な状況が続いています。

総資産回転率は日米欧いずれも低下しており、収益性の低さを考慮すると、必ずしも効率性が高いとは言えません。

設備投資の抑制が影響し、経営全般が縮小均衡に陥っている可能性があります。


1.2. 売上高と利益の推移


過去25年間、日本の製造業の売上高は約400兆円で横ばいです。

主要な牽引セクターは、自動車、化学、食品、情報通信機械、電気機械、生産用機械であり、これらで売上高の約2/3を占めています。

純利益はリーマンショック後に増加し、2014年頃に最高益を更新した後も増加傾向にあります。売上高純利益率はリーマンショック前後で改善しています。

営業利益はリーマンショック前をピークに減少しましたが、直近では回復傾向にあります。
営業外損益は一貫して増加しており、営業利益の大きな割合を占めるようになっています。
「直近では2017年に20.5兆円をマーク。」「営業外損益は一貫して増加し、コロナも関係なく15.1兆円に(営業利益の77%)。」



1.3. 海外展開と収益性
製造業の海外直接投資残高は増加傾向にあり、直接投資収益も過去最高を更新しています。

「製造業の海外直接投資残高は、増加傾向(2015年65兆円→2022年98兆円)。」


主要メーカーの海外売上比率は50%を超える企業がほとんどです。
海外売上比率が高い企業の利益率にはばらつきが大きく、海外市場獲得を利益に結び付けられている企業とそうでない企業との差が拡大しています。

日本の製造業は、特定の大規模市場国に集中せず、市場の多角化が進んでいます。

事業や海外進出先国の多角化度が増すほど収益性は下がる傾向が見られ、
日本の製造業の海外展開の拡大による経営の複雑性の増大が低利益性を招いている可能性があります。


1.4. 日本的経営とワールドクラスのギャップ

・日本企業は中期経営計画の3年間という固定的な時間軸にとらわれがちであり、抜本的な取り組みが難しく、変化の早いビジネス環境に対応しにくい傾向があります。

・事業の足し算は得意ですが、将来の利益成長が見込めない既存事業へのリソース投入を優先し、引き算が苦手です。

・オープンイノベーションへの対応が遅れており、社内での新規事業も各事業部門に閉じがちです。

・長期安定雇用を前提とした新卒一括採用、OJT中心の技能教育、立体的な人材マネジメントの遅れが見られます。

・持株親会社を中心としたエンティティベースの組織構造であり、部分最適が優先され、重複や非効率が発生しやすいです。

・稟議制度に代表されるミドル・アップダウン方式の意思決定は遅く、環境変化への迅速な対応が困難です。

・同質的なメンバー構成によるハイコンテクストなコミュニケーションに依存し、明確な業務プロセスや責任分担が不在です。

・MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)が掲げられているものの、経営の意思決定や日常の行動において体現されているかには課題があります。

・チーフ・オフィサー(CxO)が取締役を兼務することが多く、執行に専念できていない可能性があります。

・日本企業に特有の経営企画部門は、企業内・グループ内の調整を担う一方で、全社横断的なシステムやルールの整備・統一を阻害し、非効率を生み出している可能性があります。

「従来の日本的経営の組織設計・ガバナンス体制・機能では、法人単位で個別に制度・ルールを 作り込むため、
 全社横断的なシステムやルールの整備・統一が進まず、
 急激なグローバル展開に 伴う経営の複雑性の高まりとも相まって、非効率的な状況を生み出している可能性。」
「経営企画部門は、こうした企業内・グループ内の”連邦経営”を調整する役割も担っている。」


1.5. 技術とビジネスの乖離、デジタル化の遅れ

・日本企業はエレクトロニクスを中心に「技術で勝ってビジネスで負ける」と言われる状況を克服できていません。

・より根源的な問題は「現場任せ」「コーポレートの不在」にある可能性があります。


・ビジネスのグローバル化に伴い、経営資源の可視化とタイムリーな把握・判断が重要になっていますが、日本のデジタル化の遅れがコロナ禍で顕在化し、「デジタル敗戦」という表現も出ています。

・デジタル化の遅れの要因の一つとして、自前主義による過度なカスタマイズを施したオンプレミス型のシステムへの投資とそのレガシー化が挙げられます。

・多くの日本企業において全体アーキテクチャ設計や標準化が不十分な状況で、「強い現場」に任せた現場起点のシステム導入・刷新が進められてきた可能性があります。

・日本企業はパーパスに基づいた経営が殆どできていない。





2. 製造業DXに向けた政策の方向性


2.1. DXの必要性と効果

製造業におけるDXは、

・業務の全体最適(エンジニアリングチェーン、サプライチェーンの最適化)と
・事業機会の拡大(規模拡大、サービス化・プラットフォーム化)を可能にします。
・デジタル技術を活用することで、業務の最適化、製造プロセスの標準化・デジタル化、迅速な横展開が可能になります。

2.2. 政策の方向性(案)

・これまでのDX投資喚起策(DX税制、ものづくり補助金等)に加え、イネーブラーの育成と、目的意識を揃えた共通基盤の整備が必要です。

・DX投資の促進: DX税制やものづくり補助金等を通して、需要サイドを引き続き喚起します。

・製造業DXの指針・評価指標の作成: 産学官で連携し、戦略的なDX投資のユースケース等を含む製造業DXの指針・評価指標を作成します。

・イネーブラーの育成:製造業系サービス事業者の育成: 製造技術とIT技術のマッチング支援、リソースプール整備、コア技術の秘匿化に関する手引き書の作成、サービス系事業者プラットフォームの立ち上げを行います。

・製造業DX技術インテグレーターの育成: 製造業DX技術を持つ業種への支援、非コア技術の標準化の支援、海外への販路拡大を支援します。

・共通基盤の整備:企業間のデータ連携の進展: データ連携の意義・メリットの再定義、アーリーアダプター間でのユースケース作り、ASEAN等海外とのユースケース作りを行います。

・標準化の進展: 製造ソリューションに関する標準化戦略の策定、RRI等の民間組織の標準化活動の支援、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)等との連携を行います。


2.3. 製造DXの指針の策定ガイドライン


・DXが課題解決に貢献するためには、経営層等による経営・業務変革課題の特定を起点とし、各部門が連携して業務プロセスを変革し、既存の業務・部門を跨ぐ業務の最適化(=全体最適)を目指す必要があります。

・製造事業者が抱える経営課題の上位は、品質管理、コスト、納期、環境対応などです。

・業務変革課題は、「的確にシーズ・ニーズを把握する」、「負荷変動を抑える」、「素早い価格・納期回答ができる」などです。

・日本の製造事業者のデジタル化の取り組みは、既存の業務・部門の範囲の業務の最適化(=部分最適)が多い傾向があります。

・全体最適は、製造プロセス全体を俯瞰し、部門間の連携を強化することで、経営課題や業務変革課題の根本的な解決につながります。

・全体最適を阻害する要因として、「DX人材不足」、「検討の進め方・手法」が挙げられます。

・全体最適を実現するための「ツール」としてのデジタルの役割は、プロセスを一気通貫でデジタル化し、リアルタイム、大容量、限界費用無しでのデータの一元管理を可能にすることです。

スマートマニュファクチャリングガイドラインは、製造事業者各社の実態に即した変革をいかに進めていくか、その主体的な思考を補助する「リファレンス」を提供します

・稼ぐ力の向上に向けては、アフターサービス等のサブスクリプションサービスやプラットフォームビジネスの展開など、ビジネスモデルの変革が必要。


3. Hard-to-abate産業におけるGXの方向性

多排出産業(Hard-to-Abate産業)は、生産プロセス転換に大きな市場リスクに晒されており、社会実装を進めるには、技術リスクのみならず、コスト増、環境価値獲得の不確実性などの課題があります

・GX基本方針に基づき、重点分野ごとに「分野別投資戦略」を策定し、官民が連携してGX市場を確立し、サプライチェーンをGX型に革新します。
 「規制・制度的措置の見通しを示すべく、22分野において「道行き」を提示。」

主要なGXの方向性としては、鉄鋼業における大型革新電炉・直接還元、化学産業における燃料転換・ケミカルリサイクル、紙パルプ産業におけるバイオマス利用、セメント産業におけるCO2再利用などが挙げられます。


投資促進策として、設備投資の補助(GI基金、GX経済移行債)、研究開発支援、税制措置などが検討されています。


グリーン製品市場の創出に向けて、需要喚起や市場ルール設計が重要であり、CFP(カーボンフットプリント)の見える化、購入補助、公共調達、国際協調などの施策が検討されています。

移行期においては排出削減量、CN(カーボンニュートラル)期においては製品そのものが持つ排出量(CFP)が評価指標となることが考えられます。「⚫ 2050年カーボンニュートラル実現期には、「どれだけ排出しているか」そのものが特に重要となることから、製品 そのものがもつ排出量(カーボンフットプリント)が評価指標となることが考えられる。」


4. 経済安全保障を巡る国際情勢と政策の方向性

・コンピューティング、クリーンテック、バイオテック、防衛等の分野は、将来の日本の経済安全保障上の産業・技術基盤として不可欠であり、サプライチェーンの維持・発展に政策資源を集中的に投入します。

・経済安全保障上重要な物資・技術を特定し、技術革新、国内の優位性、対外依存度を分析し、強靭化に向けた適切な政策手段を適用します。

・経済安保推進法に基づく重要物資の安定供給確保、戦略分野国内生産促進税制、技術開発支援などを通じて、国内のサプライチェーンを強化します。

・国際協調を強化し、グローバルサウス等との連携を広げ、透明、強靱で持続可能なサプライチェーン構築を目指します。


・官民及び企業間の連携による具体的な取り組みを推進し、必要に応じてセキュリティ・クリアランス制度を活用します。

・産業界との戦略的対話を深化・拡大し、サプライチェーン全体での情報交換や、特定の技術・製品を有する企業との対話を実施します。


・鉱物資源課を製造産業局に移管し、上流から下流まで一貫した産業政策と鉱物資源政策の融合を図り、サプライチェーンの強靭化を目指します。


5. 航空機産業戦略




・日本の航空機産業は、戦後の空白期間を経て、国際共同開発等を通じて成長してきましたが、近年、完成機事業(三菱スペースジェット)の中止など、課題も抱えています。
「我が国の航空機産業は、戦後7年間の空白期間を経て、米軍機の修理等から再開し、海外 OEMとの機体、エンジンの国際共同開発等を通じて成長してきた。」


・世界的な脱炭素化の流れ、開発期間・コストの増大、サプライチェーンの混乱などの環境変化に対応し、主体的に市場の付加価値を獲得できる産業構造への変革が必要です。

・戦略の方向性として、インテグレーション能力の獲得、強みを活かしたステップバイステップでの成長、グローバル体制の構築を掲げています。


・具体的な取り組みとして、ボリュームゾーンでの国際連携による完成機事業の創出、小型機・AAM(Advanced Air Mobility)等の新たな市場での主導的参画、サプライチェーンの強化、人材育成、開発製造環境の整備、エコシステムの拡大などを推進します。



・完成機事業創出に向けたロードマップでは、派生型機への参画から、新型単通路機、次世代航空機へと段階的に能力を獲得していくことを目指します。「完成機事業創出ロードマップ」
航空機製造事業プロセスにおける課題(要素技術開発、国際共同開発、サプライチェーン、高レート生産、事業リスク、環境新技術適用)に対し、政府は要素技術開発支援(GI基金)、海外OEM連携、国際共同開発支援、サプライチェーン支援(安定供給確保支援基金)、DX推進などの施策を展開します。


航空機産業戦略小委員会を原則毎年度開催し、進捗状況の評価や今後の方向性を検討し、官民一体となって産業の発展を図ります。「航空機産業小委員会による舵取り」



6. 宇宙産業政策

・宇宙開発・産業は、民間宇宙ビジネスの拡大、安全保障上の重要性の高まり、衛星の小型化・打上機数の急増、ロケット打上げ回数の増加といった大きな変革期にあります。

・宇宙開発の中心は官から民へシフトし、SpaceXなどの民間企業がロケットや宇宙船の開発・運用を主導しています。


・安全保障において宇宙技術の利用は高度化しており、情報収集・通信に加え、ミサイル防衛など、より高度なオペレーションに利用されています。


・小型衛星を多数打ち上げ、一体的に運用する「衛星コンステレーション」を活用したビジネスが本格化しており、地球観測や衛星通信などの分野で新たな価値を生み出しています。


・地球観測衛星データは、洪水予測、経済活動分析、インフラ監視、農業支援など、多様な分野でビジネスが展開されています

・日本の宇宙市場規模は拡大傾向にあり、2030年代早期には約8兆円規模への成長が期待されています。




・宇宙活動の自立性確保のため、重要技術の国産化を進めています。



・衛星データ利用促進のため、地域実証事業やスタートアップ支援などの取り組みが行われています。


・令和5年度補正予算で総額3000億円の「宇宙戦略基金」が創設され、JAXAを拠点として商業化支援、社会課題解決、フロンティア支援などの技術開発を推進します。

・宇宙産業政策について諮問する常設の会議体として、産業構造審議会 製造分科会 宇宙産業小委員会が新設され、宇宙戦略基金の具体的なテーマ選定などが議論されています。


まとめ

日本の製造業は、収益性や効率性、グローバル展開における複雑性の増大、日本的経営の課題、技術とビジネスの乖離、デジタル化の遅れなど、多岐にわたる課題に直面しています。政府はこれらの課題に対応するため、製造業DX、GX、経済安全保障、航空宇宙産業戦略といった様々な政策を推進しています。これらの政策は、投資促進、技術開発支援、共通基盤の整備、国際連携などを通じて、日本の製造業の競争力強化と持続的な成長を目指すものです。各産業界は、これらの政策動向を注視し、自社の戦略に取り込んでいくことが重要となります。


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