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「金田一少年の事件簿外伝 犯人達の事件簿」を読みながら各エピソードを振り返る(前半)

邪道だけど面白かったw

なんだかんだいって大学生の頃夢中になって読んでたので、とにかく懐かしい……。

いまのところ、トリックの綱渡り度が高く、かつ肉体を使った作業が多い人が選ばれる傾向に有るようです。絵的にネタとして面白いからでしょうね。序盤の犯人が多い中一人だけ優先して選ばれてるREDRUMさんに爆笑しました。やっぱりあれはツッコミたくなるよねw

単行本独自の要素は表紙および巻末の「外伝煩悩シアター」による制作秘話くらいなので、無料で読める「マガポケ」アプリで更新をおいかけていくのをオススメします。


此処から先は1巻から原作を読み直してます。自分の振り返り用にまとめておきますが、未読の人は絶対に読まないように!言うまでもないですが、ネタバレ注意!


金田一少年の事件簿思い出語(前半)

横のスペースに余裕があれば、担当刑事も入れようと思ったけどまぁいいや……

殺人事件名ミックス犯人動機DorA外伝登場
オペラ座館1巻~2巻有森裕二恋人の復讐死亡
異人館2巻~3巻時田若葉→六星竜一母の復讐死亡
雪夜叉伝説3巻~4巻綾辻真理奈母の復讐生存
学園七不思議4巻~5巻的場勇一郎医療事故隠蔽死亡
秘宝島5巻~6巻佐伯航一郎父と碧の復讐生存
悲恋湖6巻~7巻遠野英治妹の復讐+皆殺死亡
異人館ホテル8巻~9巻北見蓮子事件の隠蔽生存
首吊り学園9巻~10巻浅野遥子恋人の復讐生存

Ep02 エピソード評価★★★★
私の中で金田一少年といえばとにかくこれ。2話目の「異人館村」は非常に印象強いです。2話目で持ってくるには設定、時間軸ともに大掛かりであり、しかも描写もグロい。思い切った内容だったと思います。よくよく読み返すと粗が多いというか、警察が出張ってきてるのに守りが弱すぎて「おいおい」って思ったりするのですが、なぜかこのエピソードにはあんまり文句つける気にならない。さすがにこの話はチャカせないのか、犯人たちの事件簿には登場してませんね。若葉可哀想すぎる……。



Ep05 エピソード評価★★★
すべて共通の方法で犯人をおびき寄せて殺すというシンプルなトリックが潔くて好き。一つでもほころびができればすべてバレてしまう。その割に被害者が死ぬ前にみんな手がかりを残しており、いろいろと迂闊。今から思うと犯人が13歳ならではの思い切りの良さだったのかも。結果としてトリック自体での綻びがなく、意外な要素でバレてしまったというのがまた面白い。終わり方も含めて結構好き。
そういえば、この犯人、私が人生ではじめて見た「女装した美少年(男の娘)」かもしれない。


Ep06 エピソード評価★★
動機自体はわからなくもないですが、2話の犯人以上にぶっ壊れている。ちょっとひどすぎて、その後の悲恋の演出を持ってしても「クソ野郎」としか思わなかったですね。殺された人たちがあんまり同情したくなるような人たちがいないようにわざと描かれていたり、エピローグでやたらと犯人に同情的な描き方だったけれど、今読み返しても犯人は嫌い。でも印象には強く残っているんだよなぁ……。



Ep07  エピソード評価★★
異人館ホテル」は犯人やトリックはチープだったんですが、後味の悪さはなかなかのものですね。文月花蓮は生きてる間は陰が薄かったこともあり、有無を言わさず殺されてしまったので、その内心を考えると辛い。なぜか何度も繰り返し読み返してしまったシナリオです。


Ep08  エピソード評価★★
「首吊り殺人」の浅野遥子先生は是非「犯人達の事件簿」に出てほしいですね。 この話はツッコミどころが多すぎて……。金田一がハメられそうになる、という展開自体は面白かったのですが、肝心のトリックなどはリアルタイムで読んでたときでさえ「なんでテスト全問不正解にすんねん!」って思ったし、なんでそのやり方で男の首釣って殺せるんだ?とかいろいろと「???」なところが多かったです。

自分の中ではこの10巻までが「前半」。
11巻からは絵が安定してきて、雰囲気も変わってきたなと感じました。

中盤(地獄の傀儡師登場まで)

飛騨からくり11巻~12巻仙田猿彦→巽紫乃遺産相続死亡
金田一少年の殺人12巻~14巻都筑哲雄密輸犯罪の隠蔽死亡
タロット山荘14巻~15巻速水雄一郎→小城拓也父の復讐死亡
蝋人形城16巻~17巻多岐川かほる恋人の復讐死亡
怪盗紳士の殺人17巻~18巻和泉さくら父の復讐死亡
墓場島19巻~20巻桧山達之&森下麗美村の復讐死亡生存


①Ep09 飛騨からくり屋敷 エピソード評価★★
推理途中のどんでん返し、エピローグでの追加ネタ(冬木倫太郎の未必の故意)など、構造的には非常に凝っていて「上手い」エピソードだと思います。しかし登場人物に魅力が感じられず(環ちゃんが可愛いのだけは救い)、犯人の動機にも共感しにくく、さらに作中で金田一がツッコんでいるように「美雪の誘拐→リリース」への違和感が強く、マンガとしてはいまいちかなぁと感じました。


②Ep10 金田一少年の殺人 エピソード評価★★★
犯人は「犯人たちの事件簿」登場の可能性が非常に高いですね。「幽麗塔」の「死番虫」と行動原理が似ており、その場その場のアドリブで行動しているので、かなり頑張っています。
このエピソードは、警察および真犯人の追跡から逃れながらも、かつその不自由な状況で真犯人の「トリック」と真犯人の動機に当たる「小説」の内容を探っていくということで3つの取り組みが同時進行で求められるため、読んでいてスリリングでした。
余談として、この事件で最初に殺された被害者は◯田尚◯さんのtwitterでの振る舞いに近いイメージの人なのですが、生前の取材状況などを見ていると、性格は悪いがとても優秀な人っぽい。傲慢すぎるところが命取りになりました。。。


③Ep11 タロット山荘 エピソード評価(なし)
「陰の脅迫者」はこの後登場する「地獄の傀儡師」のprototypeのようなものでしょうか。
しかしこのエピソードの「陰の脅迫者」、やたらと大物ぶっている割にかなり雑。速水オーナーの犯行と見せかけるためにあれこれやったり、美雪を使った時間差トリック(これがまた胸糞悪いです)などに自信あるはずなのに、なぜかあっさり速水オーナーを犯人にするのを諦めて金田一を襲い、犯人役をなすりつけようとしている。それならそれで、金田一が生還した時点で諦めればいいのに往生際も悪い。態度が非常に悪いのですきになれないし、雪夜叉伝説の綾辻さんと比べるとだいぶ格落ちに見える。
それ以外にも、それまで金田一を探偵役として認めていた周りの人間が、金田一が行方不明になるとテノヒラクルーするし、東大卒なのにハングドマンのタロットの意味を知らないのにボロを出してしまう犯人、などいろいろと「ぐぬぬ」ってなるため正直このエピソードの評価は低め。あまり複雑なことをやろうとすると、大事な部分が疎かになってしまうということかもしれません。


④Ep12 蝋人形城 エピソード評価★★★
外伝ではイレギュラーのせいで犯行が上手く行かなかったケースとして真っ先にネタにされていますが、逆に言うとネタにされているイレギュラーがなければ結構上手く行っていたと思います。まぁ、明智を犯人に仕立てることができなかった時点ですでにダメなのですが。



⑤Ep13 怪盗紳士の殺人 エピソード評価★
この作品は「薄幸の美少女=犯人or犯人の動機」にしたがる傾向があり、この事件の犯人である和泉さくらもそういう作者の趣味で作られている感じがする。エピローグで明らかになるが小宮山が妊娠中の妻を捨てて蒸発し、それを売れない画家和泉が引き取って養子として育ててくれたのだが、和泉もまた蒲生に廃人にされてしまい、夫の帰りを待つ間に妻も死亡。天涯孤独の身になってしまう。殺人を終えた後、多分金田一に罪を暴かれなくても自殺していたと思われる。
こういう人間を生かせられず、お涙頂戴で終わってしまうところが、このあたりまでの金田一少年の事件簿の大きな難点。私が「秘宝島」のエピソードが好きなのは、犯人である佐伯航一郎はちゃんと生き延びるから。


⑥Ep14 墓場島  エピソード評価★★★
単体では地味な印象だが、シリーズ全体としては重要な位置づけを持つ。
 ・いきなり数人まとめて死ぬ
 ・ステージを変更しながら犯行を行う
 ・14話目にしてはじめて真の意味での共犯による犯行
 ・6話ぶりに、犯人が生存するという快挙を成し遂げたのも大きい。

と、金田一少年シリーズの中では新しい取り組み&方向転換が行われている。犯行もきちんと出口戦略まで練られており、金田一を除外しなかったことを除いてはかなりしっかりしている。キャラクター魅力が高ければかなり読ませるシナリオだったと思う。



と、ここまで。地獄の傀儡師登場後は記事を別にして書きます


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