タイトルの通りです。2週間ほど前に閉店してしまいました。
このコンビニは立地的に超便利で、よるだけでなく朝も利用したりとめちゃくちゃ重宝しており、品ぞろえも私好みでよかったのでものすごく残念です。
はてなではやたらともてはやされていた「コンビニの時短営業」ですが、思ってるほど甘くはないようです。
なお、この店では「ローホル」を仕入れてほしくて店員さんに声をかけたらその人が店長だった、という経緯から話を何度かしており
なんで閉店になったかという点についても簡単に話を聞かせてもらいました。 多少想像で補って語りますが大筋としては間違いないかな、と思います。
あくまでこの店の事情であって、一般論としてコンビニの時短営業がうまくいかない、という話ではないですが
話を聞いている限り、私はほかの店でもかなり厳しんじゃないかな、と思いました。
時短営業のコンビニが失敗した理由 :1番大きな理由は「昼間の売り上げが重要なのに思った以上に弱かった」こと
このコンビニは、駅前立地ということで少し家賃が高いです。また自前で店を用意してないのでロイヤリティも高い。
その代わりに、駅前立地ということで人通りはそれなりにある……と思っていたのが実はそうでもなかったそうです。特に昼間は。
昼間のコンビニのメインターゲットは当然「オフィスの客」であって、「駅利用者」ではない。
そのため、ちゃんとオフィスが入っている4F建てビルの1Fに店を構えました。
その周りもビルはそこそこ並んでおり、潜在的な利用者は多いという見込みでした。
しかし、実際はとにかく昼に利用する客が少なかった。
正確に言うと、おにぎりなどはそこそこ売れるが、肝心の弁当やラーメンなどが全然売れなかったそうです。理由は私にはよくわかりません。
また、ローソンは中食やスイーツがかなりの利幅だそうですが、そのスイーツもあまり売れなかった。
理由はわかりませんが、こんな記事がありました。
gendai.ismedia.jp
不思議なことに24時間営業を実施すると、昼間の売上高が大幅に増えることが知られており、コンビニ各社はその効果を狙って24時間営業を行っているのだ。
深夜営業すると昼間の売上高が増える理由ははっきりしていないが、いつでも開いているという心理的な安心感が作用し、顧客の来店頻度が上がることが原因と考えられている。
一般的に深夜営業をやめてしまうと、全体で3割程度売上高が落ちると言われており、その多くは昼間の売上高減少分となる。
時短営業のコンビニの頑張ったところ:本部の人と二人三脚で、特色ある店づくりをして生き延びようとした
コンビニというとセブンイレブンのイメージが強いので、本部は時短営業をつぶそうとしていると思う人がいるかもしれません。
でも、少なくともローソンはそういうわけじゃなくて、オプションとして時短営業が可能かどうかは結構真剣に考えてるそうです。
そのため、この店も頻繁に本部の人が来て、一緒に話し合ったりしてたそうです。
このコンビニは、駅前であることからバイトを雇うことには苦労しなかったようですし、
朝や夜の仕事に行く客、学校かえりの高校生?、仕事帰りの客などの需要はありました。
自分が帰宅する時間になっても、学校帰りの高校生が、狭いながらも存在したイートインスペースでくつろいでいるのはよく見ました。
昼間が弱い分を補って夜で稼ぐためか、「冷凍食品」や「中食」コーナーをものすごく充実させていました。
この店でしか見たことがない冷凍食品や中食がたくさんあります。 それから、カップラーメンもすごく充実してた。
あとこれは施策なのか苦し紛れだったのかはわかりませんが「コンビニ内書店」みたいな感じで本が結構そろってました。
仕事帰りのサラリーマンに立ち寄ってもらうきっかけ作りだったのでしょうか。
その代わりに、おにぎりや弁当のスペースは狭く、かつ奥の方に移動。スイーツもほかの店と違って奥の方でした。
ほかの店では当たり前のようにあるお菓子コーナーなども狭く、その代わりにお酒はそこそこおいてました。
また、この店は閉店のまえに一度ガラッとレイアウトを変えたりしています。
とにかくなんとか生き残ろうとしていたのは感じました。
結果として「私にとっては無茶苦茶魅力的なコンビニ」でした。
さっきも言った通り「ナガラ食品のホルモン鍋」がいつも買えるし、冷凍食品のバリエーションも豊富。
そもそも、全体的にコンビニにしては窮屈でなく、広々としていたのもよかった。
中食も充実してるし本も座って読める。 ものすごく快適。
ダイエットチャレンジやってるときは延々とこの店で食事を買って帰っていました。
(一点だけ不満があるとすると、この店はローソンのくせにオタクコラボ系のグッズは全くおいてくれませんでした。)
でも、「私にとって快適な店」だったのがダメなのかもしれない。そもそもコンビニというのは、運営効率が低い。そりゃそうだ。
コンビニは店舗面積が狭いので大型スーパーと比較すると店舗の運営効率が悪い。こうした悪条件をカバーするためには、安値販売を行わずに商品を高く売る必要があった。
そんな中で、広々とした快適な店づくりをしても、百貨店などと違って高いものが売れるわけでもない。
とにかく狭いところに商品ぎっしり詰め込んで、大量に売っていかなければいけなかったのかもしれない。
でも、そんな感じでちょっと違ったコンビニを模索しなければいけないくらいには、セオリー通りにやってもダメだったってことだと思う。
「オフィス街のど真ん中で、昼に客が大量に来てくれる」場所を除いて、時短営業のコンビニはどうやったら成功できるのだろうか?
当事者じゃないので、あくまで客の立場から考えるしかなくて、いまいちぼんやりした記事しか書けないのだけれど。
むしろ時短営業するなら唯一可能性があるんじゃないか、と思っていた利用客が多い駅前立地のコンビニでも閉鎖しちゃったってのは結構意外だった。
まして、それ以外の立地だと余計に厳しいんじゃないかと思う。
普通のコンビニでも大分しんどくなってきているらしいけど、時短延慶なんてなおさらやばいんじゃないだろうか。
現場で働いてる人のことを考えたら時短営業化していくことは求められるはずなんだけど、
それなりに本部もきちんと協力してたという駅前立地のコンビニすら閉店していくってことを考えたときに、
じゃあどうすればいいんだろうってのはすごい難しい問題だなと思った。
皆さんなら時短営業のコンビニを成功させるためにどういう営業や戦略が有効だと思いますか?

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dromus だから、便利に慣れすぎてるから、消費者を時間をかけて矯正するんだよ。まあコンビニという業態が世に合わなくなってきているのかも知れないが
んーとね。そうじゃなくてさ。
私が問題にしてるのはコンビニというのはそもそもすごく経営効率が悪いから
「24時間&フランチャイズ」という、フランチャイジーに恐ろしく負担を押し付ける形式でしか
本来持続できないん形だったんじゃないかって話なんですよ。
つまり、「消費者がちょっと我慢する」なんてくらいでは全く解決できないんじゃないかと思います。
今の形に最適化しすぎた結果として、ちょっといじっただけでも全体が瓦解するくらいになってるんじゃないかと。
ユニクロと違って「フランチャイズすべてを直営店にして本部が雇用したらコンビニは破綻する」
ような状況だと、理不尽を是正することもできないし、消費者は当然不便を受け入れたりしない。
だから仕方なく現状ではセブンイレブンの「いなり」ネタのようにステルス値上げを各社行ってるんだと思いますが、絶対に限界あるよね。
というか私あのいなり買おうと思わないんだけど、誰が買ってるんだろ。
値段を今より2割以上吊り上げても消費者が黙って買う(フェアトレードに近い発想)くらい消費者がそれを受け入れるか、
改めて大店法のような形でコンビニぶっ潰して統合していくか、それとも売る商品そのものを大きく変えていくか。
まぁ今まであまりにも調子に乗ってたコンビニ本部が反逆されるのは当たり前なので、
特殊な業務形態により、売り残りのリスクもフランチャイジーに押し付けられるから全力で商品開発できたコンビニはそろそろ終わりになるかもしれないけど、
そのノウハウだけ残して消滅してもしょうがないとは思うけどね。
でも、コンビニがつぶれる場合、正解だったのは「ドン・キホーテ(現パン・パシフィックHD)」や「イオン」だったということになっちゃうのもなんか嫌なんだよね……。