note.com
三沢さん、相変わらず「自分の仮説をまともに検証できない」「自分の仮説と事実の区別をつけるメタ認知能力がない」という点においては2013年から全く成長してないね。
web.archive.org
web.archive.org
「まず、TM2501の住んでいらっしゃるところと日本では、小説への態度がかなり違うと思われます」
まぁ本人は「自分は検証能力がある」と勘違いしてるみたいなので、自分の検証能力の低さが全く問題だと感じておらず、これでは改善されるはずがないのですが・・・。
とはいえ、今回の内容はなかなかぶっ飛んでて面白かったので、彼の悪文をわかりやすくして小説風にしてみることにする
昼下がりの大学キャンパスは、穏やかな陽光に満ちていた。
文学部の真矢講師の研究室のドアを、少し遠慮がちにノックする音が響く。
「失礼します、真矢先生。経済学部のフミヤです。少しお時間よろしいでしょうか?」
「あら、フミヤ君。どうぞ、入って。珍しいわね、経済学部のあなたが私のところに」
真矢は、積み上げられた書籍の山から顔を上げ、柔和な笑みを向けた。
研究室は、古い紙の匂いと、微かなコーヒーの香りが混じり合っている。
フミヤは勧められるまま椅子に腰かけたが、その表情はどこか得意げだった。
「先生、実は最近、僕、ブログを始めたんですよ。それで、ちょっと自信作の記事が書けたんで、先生にも読んでもらいたくて」
フミヤはそう言って、タブレットを取り出し、慣れた手つきで画面を操作した。
「へえ、ブログ。どんな内容なの?」
「タイトルは、『理系職はなぜ意外とホワイトなのか?エンタメ業界の闇との比較』ってやつです。
僕、最近、建設系の現場でアルバイトしてるんですけど、そこで色々気づいたことがあって」
フミヤの声は弾んでいた。
彼の指が示す画面には、先日彼が熱弁していた内容が、さらに自信に満ちた言葉で綴られている。
ここからフミヤくんの怒涛の語り」(上の記事の内容を、彼の無駄な自分語りをできる限り減らして要点だけまとめてます)
「要約するとですね、理系の現場って、一見キツそうですけど、実はすごくホワイトなんですよ。
だって、独断専行できないから!
ちょっとでも危ない作業は、国とか大手企業の許可がいるし、その許可出す側が労災とか超嫌がるから
下請けの中小企業にだって『安全第一で、無理しないでね』ってプレッシャーがかかるんです。
だから、納期も緩めだし、休憩もしっかり取らされる。
『労災起こされたら、こっちがヤバいんだよ!』って、元請けの本音が透けて見えるくらい(笑)」
フミヤは、まるで大発見でもしたかのように目を輝かせている。
「だから、肉体労働系の仕事でも、ルールはめちゃくちゃホワイトなんです。
それに比べて、エンタメ業界ですよ!あそこはマジでヤバい。
まさにブラックの巣窟。
クリエイターとか、『お前らの労働環境なんか知らねえ!いいもん作るまで死ぬ気で働け!』って感じでしょ?
規制しようとしても、ファンとか業界人がすぐヒステリー起こすから、テレビもアニメも漫画もYouTubeも、もう地獄ですよ、地獄!」
語気を強め、フミヤはタブレットに表示されたニュース記事のリンクをタップした。
「ホロライブ」運営のカバーが下請法違反で指導された件、
アニメ業界の半数が月225時間以上の長時間労働という調査結果の記事だ。
「見てくださいよ、これ!
カバーなんて上場企業なのに、このザマですよ?
アニメだって、納品先はテレビ局とかNetflixとか大手でしょ?
なのに、その大手の会社が率先して『定時で帰れよ、労災起こすなよ』って言わないから、いつまで経ってもブラック労働がなくならない。
理系の現場なだって、天候不順で遅れたり、他の部署のミスで作り直しになったり、トラブルなんて日常茶飯事ですよ?
それでも『安全第一で、定時で収まるように工夫しろ』って言ってもらえるんです。
それなのに、エンタメ業界の連中、『ボツが出るから時間通りじゃ無理』とか、何甘えたこと言ってんだって話ですよ!
本当に、一緒に働く仲間も幸せにできない奴らが、どうやって客を幸せにするつもりなんですかね?」
一息にまくし立て、フミヤは満足げに真矢を見た。
「どうです?なかなか鋭い指摘でしょう?」と言わんばかりの表情だ。
もうちょっとだけ語るんじゃ
さらに彼は、自身の理系経験から得た教訓を語り始めた。
「それに、理系の仕事って、ほとんど資格とか講習がないとできないんですよ。
だから、仕事の進め方も規格化されてる。
KY活動、つまり危険予知ですね。
どこの現場行っても、基本は同じルールで動いてる。
安全意識が叩き込まれるんです。
でも、エンタメとか文系って、そういうのないでしょ?
アニメの『SHIROBAKO』でも、使えないアニメーターの話とか出てきましたけど、
理系なら『そもそも、そんな奴を現場に入れる前に教育しろよ!業界全体で標準化しろよ!』ってなるんですよ。
書類だって、理系なら法的に絶対必要なものがあるから、どこでもある程度統一されてる。
それなのに、エンタメはない。
確定申告のやり方すら教えないクリエイター系の企業とかあるらしいじゃないですか。
タイミーですらセミナーやってるのに。もう、教育って概念がないんですかね?」
ここで止まっておけばまあまだ一応聞ける話ではあったんだけど、ここで脱線してそのまま戻ってこないのが三沢クオリティ
興奮が収まらないフミヤは、最近聞いたという東大卒の管理職の発言にも触れた。
「ホワイト企業は時間内にやらないといけないから、企業にはブラックな部分も必要だ、なんて言ってるらしいですよ。
オフィスにいると人の痛みが分からなくなるんですかね?
労災が命に関わる分野じゃ絶対ありえない発想ですよ。結局、そういう分野じゃないと、業界単位の規制が入らないからブラックがなくならないんだ。
文系でオフィスにいる人の方が、よっぽどブラックに当たるリスク高いんじゃないですか?」と、持論を展開した。
三沢さんは話を黙って聞いていると毎回こういう感じで「一人で興奮しだして一人でキレる」を繰り返してきてましたね。懐かしいなあ・・・小説風にして読むとほほえましい気持ちで読める・・・
最後に、彼は大阪万博の遅延批判に触れ、「納期がギリギリだって批判してる人いますけど、
あれは安全第一でやってるから時間がかかってるんですよ!
それを分からずに批判するのはおかしい!」と憤慨した様子を見せた。
話し終えたフミヤは、達成感に満ちた顔で真矢を見つめた。彼は、自分の経験と考察が完璧だと思い込んでいるようだった。
これで三沢さんの主張部分終わりです。ここから先は完全に蛇足なので、私と三沢さんが殴り合うのが好きな人だけ読め。ガチで時間の無駄だから。警告はしたので文句は一切受け付けません
ここから三沢さんじゃなくて「フミヤくん」について語りかけますね。(ちなみに三沢さんはこういうふうに説明しても理解ができなかったみたいです)
真矢は、静かにフミヤの話を聞き終えると、ゆっくりとカップに残っていたコーヒーを一口飲んだ。そして、穏やかな、しかし真剣な眼差しをフミヤに向けた。
「フミヤ君、ブログ、読ませてもらったわ。
君が自分の経験から深く考えて、問題意識を持っていることはよく分かった。熱意も伝わってきたわ。
…ただね、いくつか、とても気になる点があるのよ」
真矢の静かな声が、熱っぽく語っていたフミヤの空気を冷ますように研究室に響いた。
「まず、理系の仕事が『意外とホワイト』という点だけれど、
それは君が経験した現場が、たまたまそうだった、あるいはそういう側面が強かった、ということかもしれないわね。
『理系の仕事』と一括りにするには、あまりにも多様よ。
研究職、開発職、設計、品質管理…働き方も環境も千差万別。
君の言う『許可が必要な危険作業』や『元請けからの安全圧力』が強く働くのは、
主に建設現場や製造ラインのような、物理的な危険性が高い特定の分野でしょう?
それに、どんな業界にも、残念ながら法令遵守意識の低い企業や、過酷な労働環境は存在するわ。
君の経験を一般化して『理系はホワイト』と断言するのは、少し早計ではないかしら」
フミヤの眉がピクリと動いた。
「次に、エンタメ業界についてだけれど…
フミヤ君の言葉は、少し感情的になりすぎているように聞こえたわ。
『地獄』『ヒステリーを起こして暴れ狂う』『労働環境なんか知るか!』…
こういう表現は、事実に基づいた冷静な分析というより、強い偏見や怒りから来ているように見える。
カバーの下請法違反やアニメ業界の長時間労働の問題は、確かに深刻よ。
でも、それは業界の一部の側面であって、その問題をもって
業界全体を『ブラック労働だらけの地獄』と断罪するのは、あまりにも乱暴ではないかしら?
エンタメ業界の中にも、労働環境を改善しようと努力している企業や人々、
あるいはフリーランスとして誇りを持って働いているクリエイターたちが、たくさんいるはずよ」
三沢さんは精神年齢が幼稚園児なのでその場では黙って不機嫌になるだけで後でエアリプで悪口書くんですが、フミヤくんは割とまともです
「でも、事実は事実じゃないですか!現に問題が起こってる!」
フミヤが少し語気を荒らげて反論した。
「ええ、問題があることは事実よ。
でも、その原因を『大手がいいもん作れとしか言わないから』とか
『ファンや業者が規制に反対するから』と単純化しすぎるのは危険だわ。
エンタメ業界の労働問題には、多重下請け構造、予算や納期の厳しさ、不安定な雇用形態、クリエイター個人の過剰な責任感など、
もっと複雑な要因が絡み合っていることが多いの。
それを無視して、特定の誰かの『甘え』や『悪意』のせいにしてしまうのは、問題の本質を見誤らせるわ」
真矢は続けた。
「それから、書類や資格の話ね。
『エンタメや文系には法律的にヤバい書類がない』というのは、明確な間違いよ。
労働基準法で定められた書類は、どんな企業にも作成・保管義務があるわ。
契約書や請求書だって、法的に重要な書類でしょう?
資格や講習も、例えばテレビ局なら放送法規に関する知識は必須だし、経理や法務といった文系職にも専門知識や資格は存在するわ。
『理系は規格化されてる、文系はそうじゃない』という二分法も、現実を正確に捉えているとは言えないと思うの」
「学校教育が労働知識を『全く』教えない、というのも言い過ぎね。
確かに、もっと実践的な内容が必要だという議論はあるけれど、
キャリア教育や法学の授業で触れる機会はあるはずよ。
問題は、その知識が学生にどれだけ身についているか、社会でどう活かせるか、という点かもしれないわね」
真矢は、一度言葉を切り、フミヤの目を見つめた。
彼の表情は、最初の自信から一転し、不満と戸惑いが入り混じったものになっていた。
「フミヤ君、君が理系の現場で学んだ『安全第一』の精神や、ルールを守ることの大切さは、本当に素晴らしいことよ。
それは社会で働く上で、とても重要な視点だわ。でもね…」
真矢の声が、少しだけ柔らかくなった。
「その大切な経験が、いつの間にか君の中で絶対的な基準になってしまって、
それ以外の世界を色眼鏡で見てしまうようになっていないかしら?
『俺は理系の現場を知っている、だから他の奴らより物事が分かっているんだ』という気持ちが、少し強くなりすぎていない?」
核心を突くような真矢の問いに、フミヤは一瞬言葉を詰まらせたが、すぐに反発心が顔を出した。彼の眉間に皺が寄り、声が少し大きくなる。
「色眼鏡って…そんなことないですよ!俺は、事実を言ってるだけです!
俺が見てきた現場のルールや安全意識は、綺麗事じゃなくて、本当に事故を防ぐために必要なことなんです。
あれがなければ、人が死ぬかもしれない。
理系のやり方には、そういう命を守るための合理性があるんです!
それを他の業界が見習うべきだって言うのが、そんなにおかしいですか?」
彼は、自分の経験の正当性を主張することで、真矢の指摘をかわそうとした。
その声には、「自分の見てきた世界の正しさを否定されたくない」という頑なさが滲んでいた。
「それに、エンタメ業界のことだって、俺がただ感情的になってるだけみたいに言いますけど、
実際にひどい働かせ方で苦しんでる人がいるのは事実でしょう!?
カバーの件だって、アニメ業界の調査だって、数字が出てるじゃないですか!
あれを見て見ぬふりしろって言うんですか?先生は、ああいうブラックな働かせ方を擁護するんですか?」
フミヤは、真矢を批判者の側に立たせようとするかのように、強い言葉を選んだ。
彼のプライドが、自分の意見の正当性を守ろうと必死に抵抗しているのが見て取れた。
真矢は、フミヤの反論を静かに受け止め、少しも表情を崩さなかった。彼女は諭すように、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「いいえ、フミヤ君。私はブラックな働かせ方を擁護するつもりなんて、全くないわ。
苦しんでいる人がいるという事実は、私も非常に重く受け止めているし、改善されるべきだと強く思っているわ。
君の問題意識自体は、決して間違っていないのよ」
まず、フミヤの主張の一部を肯定することで、彼の警戒心を少し解こうとした。
「ただね、問題はその『見習うべきだ』という言い方と、その根拠なのよ。
君の現場の安全ルールが、命を守るために合理的であること、それは私も理解できるわ。
でも、その『合理性』が、全く違う性質を持つ他の分野…
例えば、創造性や個人の感性が重要視されるエンタメ業界に、
そのままの形で適用できると考えるのは、少し短絡的ではないかしら?
分野が違えば、抱える問題の性質も、守るべき価値も、そして最適な解決策も、きっと違うはずよ。
君の『正しさ』をそのまま持ち込んでも、反発を招くだけで、本質的な解決には繋がらないかもしれない」
「でも…!」フミヤが何か言いかけたが、真矢は静かに続けた。
「そして、エンタメ業界で苦しんでいる人がいる、その問題を解決するために必要なのは、
一方的な断罪や『甘えるな』という叱責ではないと思うの。
必要なのは、なぜそういう状況が生まれてしまうのか、
その複雑な構造…例えば、業界の慣習、予算の問題、契約形態、あるいはクリエイター自身の意識なども含めて、深く理解しようとすること。
そして、その上で、どうすれば改善できるのか、建設的な対話を試みることではないかしら?
君のブログの言葉は、残念ながら対話の扉を閉ざし、断絶を生んでしまう危険性を持っているように私には思えたのよ」
真矢の言葉は、フミヤが振りかざしていた「正義」の刃が、実は一方的な暴力にもなり得ることを示唆していた。
フミヤは唇を噛み、視線を落とした。
「俺は…ただ、自分の経験から学んだことを…正しいと思ったことを言っただけなのに…」
彼の声は弱々しくなっていた。
「必死に働いて、危ない思いもして、それで学んだ経験を大切にするのは、当然じゃないですか…それをプライドだって言われるのは…」
「ええ、経験を大切にすることは、とても大事よ」真矢は頷いた。
「君が現場で感じたこと、学んだことは、君自身の財産だわ。それを否定するつもりは全くないの。
でもね、フミヤ君、
その経験を『大切にすること』と、
その経験を『絶対的な物差しにして、他の世界や他の人々を測り、時には見下すこと』は
全く違うことなのよ」
真矢の声は、厳しさではなく、むしろ優しさを帯びていた。
「君のブログの言葉の端々にはね残念ながら、
後者のニュアンス…つまり、『理系の自分は分かっている、それに比べてエンタメや文系は…』という響きが、
強く出てしまっていたように感じられたの。
それが君の本意でなかったとしても、文章というのは、そう受け取られてしまうことがある。
特に、自分が詳しくない分野について語るときは、より慎重になる必要があるわ」
フミヤくんはここまで怒らないかもしれないですが、三沢さんならこういう反応をします(何回もこういう反応をしました)
フミヤは椅子から立ち上がりそうな勢いで、小夜子を睨みつけた。
「結局、俺の言ってることは間違いだって言いたいだけでしょ!
綺麗事ばっかり言って!
慎重になれって…どうせ、俺みたいな現場の経験もないくせに、知ったかぶるなって言いたいんでしょ!」
彼のプライドが傷つけられ、反撃に出ているのだ。
「じゃあ、どうしろって言うんですか!?
問題があるって分かってるのに、指をくわえて見てろって?
詳しくないから口出すなって?
俺が見てきた安全ルールは、人が死なないために絶対必要なことなんだ!
それを無視してる奴らがいるのに、黙ってられるわけないじゃないですか! それじゃ何も変わらない!」
彼の声は研究室に響き、積み上げられた本の山が微かに揺れたように感じられた。
「俺だって、好きでこんな批判してるわけじゃない!
理系の現場だって楽じゃないんですよ!
危ないし、汚れるし、それでもルール守って、安全第一でやってるんだ!
なのに、他の業界…特にエンタメとか見てると、どうしても甘えてるように見えるんですよ!
それを分かってほしいだけなのに…なんで、そんな…先生みたいな、現場のこと何も知らない人に、上から目線で説教されなきゃいけないんですか!?」
感情が高ぶり、もはや論理的な反論ではなく、個人的な攻撃の色合いが濃くなっていた。
「先生だって、文学部の先生だから、安全管理とか労災とか、本当の意味では分からないでしょ! 机上の空論ばっかり得意なんでしょ!」
言い放った後、フミヤは肩で息をしていた。
顔は赤くなり、目は充血している。心の弱さと傷ついたプライドが、彼を逆ギレさせていた。
このあとは生成AIに展開を考えてもらいました
真矢は、フミヤの激しい言葉を真正面から受け止めていた。
彼女は少しも動じず、むしろその激しい感情の奥にある彼の葛藤を見透かすかのように、静かな眼差しを向けていた。
しばらく沈黙が流れた後、彼女はゆっくりと口を開いた。その声は、先程と変わらず穏やかだった。
「そうね…君が腹を立てる気持ちも、少し分かる気がするわ。
自分の経験や考えを否定されたように感じて、悔しいし、腹立たしいかもしれない。
一生懸命やってきたことを、軽んじられたように感じたのかもしれないわね」
まず、彼の感情に寄り添う言葉を選んだ。頭ごなしに否定するのではなく、彼の怒りを受け止める姿勢を示した。
「でもね、フミヤ君。私が言いたいのは、君が何も言うな、ということではないのよ。
ましてや、君の経験や学びを軽んじているわけでもない。
問題意識を持つこと、声を上げることは、社会を変えていく上で、とても大切な力だと私も思っているわ」
真矢は、彼の誤解を解くように、丁寧に言葉を続けた。
「私が『慎重になってほしい』と言ったのは、『口を出すな』という意味ではないの。
君がせっかく持っているその熱意や問題意識を、
もっと効果的に、そして建設的な形で活かしてほしい、と思ったからなのよ」
彼女は、立ち上がりそうなフミヤに、座るように静かに促した。フミヤは一瞬ためらったが、真矢の落ち着いた態度に気圧されたのか、再び椅子に腰を下ろした。
「君が理系の現場で学んだ『正しさ』は
その分野においては、命を守るための、かけがえのない知恵なのでしょう。
でも、その『正しさ』の刃を、そのまま他の分野に向けて振り下ろしてしまうと、どうなるかしら?
相手は防御的になり、反発し、君の言葉に耳を貸さなくなってしまうかもしれない。
それは、君にとっても、問題を解決したい相手にとっても、とても残念なことではないかしら?」
真矢は、彼のプライドの源泉である「理系の正しさ」を肯定しつつ、
それが他者に対しては異なる作用をもたらす可能性を示唆した。
こんなんくどくどと言われなくてもわかるって思うでしょ?でも三沢さんは13年経っても理解できなかったんだよね・・・
「『詳しくないから口を出すな』ではなくて、
『相手の世界を理解しようと努めた上で、敬意を持って言葉を選ぼう』ということなの。
例えば、エンタメ業界の問題について語るなら、『甘えてる!』と断罪する前に、
『なぜ彼らは、そんな働き方になってしまうんだろう?』
『どんな構造的な問題があるんだろう?』と、一度立ち止まって考えてみる。
相手の立場や事情を想像してみる。
そうやって、少しでも相手の世界に寄り添おうとする姿勢を見せるだけで、
君の言葉の響きは、全く違ってくるはずよ。
批判ではなく、問題提起として、相手に受け止められやすくなるかもしれない」
フミヤは、まだ納得いかないという表情を崩さなかったが、
先程のような激しい敵意は少し和らいでいるように見えた。
「『甘えてるように見える』という気持ちも、君の視点からはそう見えるのかもしれないわ。
でも、その『見える』という感覚だけで判断せず
『なぜそう見えるのか』『相手にはどんな事情があるのか』を考えるステップを挟むだけで、見え方が変わってくることもあるのよ。
もしかしたら、君の知らない、やむにやまれぬ理由があるのかもしれない。
あるいは、君の基準とは違う『合理性』が、そこには存在するのかもしれない」
真矢は、彼の「上から目線」「机上の空論」という言葉にも、静かに応じた。
「私が上から目線に聞こえたなら、謝るわね。ごめんなさい。
でも、決して君を馬鹿にしたり、説教したりしたいわけではないのよ。
君が、せっかく持っている素晴らしい問題意識と行動力を、
もっと良い形で、誰かを不必要に傷つけずに、社会に活かせるようになってほしい、と心から願っているだけなのよ」
彼女は、ふっと息をついて続けた。
「確かに私は、君のような現場での経験はないわ。机上の空論、と言われれば、そうかもしれない。
でもね、私は私の立場で、たくさんの本を読み、様々な分野の人々の声に耳を傾け、
物事をできるだけ多角的に、公平に見ようと努めてきたつもりよ。
どんな分野にも、その分野ならではの知恵や苦労、そして守るべき価値がある。
そして、分野は違っても、他者を理解しようと努めること、敬意を払うことの大切さは、どこでも同じはずだと信じているの」
結局三沢さんが「馬鹿げたことを言ってでも他人にマウント取らなければいけないのはなぜか」というと、「いまさら最初から積み上げ直すのが怖くて決断できないから」なんだよね
真矢の言葉には、非難の色は一切なかった。
ただ、真摯に、フミヤの成長を願う気持ちが込められていた。
その誠実さが、頑なになっていたフミヤの心を、少しずつ溶かし始めていた。
彼の逆上した感情は、行き場を失い、代わりに、自分が吐き出した言葉の醜さ、視野の狭さに対する羞恥心がこみ上げてきた。
しかし、それでもフミヤの中には、割り切れない、もやもやとした感情が渦巻いていた。
逆ギレした手前、引くに引けない気持ちもある。
そして何より、これまで自分が信じてきた「正しさ」が揺らいだことで、足元が崩れるような不安感に襲われていた。
「でも…じゃあ…」フミヤは、俯いたまま、消え入りそうな声で呟いた。
「俺が現場で学んできたことは、一体なんだったんですか…?
安全ルールを守ること、危険を予測すること…それが、他の場所じゃ通用しない、ただの独りよがりだって言うなら…俺は、何を信じればいいんですか?」
彼の声には、怒りではなく、深い戸惑いと、拠り所を失った者の弱々しさが滲んでいた。
あれだけ声高に主張していた「理系の正しさ」が、絶対的なものではないと突きつけられ
彼は自分が何を支えにして物事を考え、行動すれば良いのか分からなくなってしまったのだ。
「他の業界のことなんて、俺にはやっぱりよく分からない…。
調べろって言われても、どこから手をつければいいのか…
それに、調べたところで、結局俺の経験から離れたことは、本当の意味では理解できないかもしれない…。
だったら、俺は、もう何も言わない方がいいんですか?間違ったこと言って、誰かを傷つけるくらいなら…」
そうだよ
それは、先程までの攻撃的な態度とは裏腹な、自信喪失と無力感の表れだった。
自分の経験を絶対視する傲慢さから一転して、
今度は自分の経験や意見に全く価値がないかのように感じ、発言すること自体を恐れ始めている。
極端から極端へ揺れる、若者特有の危うさが見えた。
そろそろ飽きたので、三沢さんではなくフミヤくんは解放してあげることにします
真矢は、彼の弱々しい言葉を、静かに聞いていた。
そして、彼の混乱と不安を理解した上で、ゆっくりと、しかし確かな口調で語りかけた。
「フミヤ君、落ち着いて聞いてくれる?」
彼女の声は、迷子の子供に語りかけるように、優しく、そして力強かった。
「君が現場で学んだことは、決して無駄なんかじゃない。独りよがりでもないわ。
それは、君という人間を形作る、とても大切な経験であり、知識よ。それを疑う必要は全くないの」
まず、彼の経験の価値を改めて肯定し、彼の不安を取り除こうとした。
「君が学んだ安全管理の知識や危険予測のスキルは、それ自体が非常に価値のあるものよ。
それを必要としている場所、それを正当に評価してくれる場所は、必ずあるわ。
君の専門分野においては、それは間違いなく『正しさ』であり、守るべき大切な指針なのよ」
真矢は、彼の目を見て続けた。
「問題なのは、その『正しさ』が、どんな状況でも、どんな相手にでも、同じように通用する『唯一絶対の正しさ』ではない、ということだけなの。
世界には、君の物差しだけでは測れない、色々な価値観、色々な『正しさ』が存在する。
それを知ることが、君がこれからもっと成長していくために、とても大切なことなのよ」
ここからは明確に「フミヤくんは三沢さんよりも賢い」という設定にして二人を切り離し、強引に着地に持っていきます。
彼女は、彼の「何を信じればいいのか」という問いに、直接的な答えを与えるのではなく、考え方のヒントを与えた。
「何を信じるかについてそこまで深刻になる必要はないわ。
まずは、君自身の経験と、そこで学んだことを信じなさい。
ただし、それは『絶対的な真理』ではなく、『君がその場所で得た、大切な一つの視点』なのだと理解した上でね。
そして、その視点を持ちながらも、常に他の視点、他の価値観が存在することを忘れずに、それらを学ぼうとする謙虚な姿勢を持つこと。それが、君がこれから信じていくべき『態度』ではないかしら」
真矢の言葉に、フミヤは少し考え込むように視線を落とした。そして、おそるおそる顔を上げる。
「つまり…俺が現場で学んだ『安全第一』とか『ルール遵守』は、それ自体は正しいし、信じていい。
でも、それが唯一絶対の正解だと思うんじゃなくて、あくまで『俺のいる場所での大事な考え方の一つ』ってことですか?」
「そうね、そういうことよ」真矢は頷いた。
「君の分野では、それが最優先されるべき価値観かもしれない。
でも、他の分野では、また別の価値観…例えば、創造性や表現の自由、あるいはスピード感や柔軟性が、
より重要視される場面もあるかもしれない。どちらが上でどちらが下、というわけではなくてね」
「他の価値観…」フミヤは繰り返した。「それがあることを、ちゃんと知っておく、と…」
「ええ。そして、知るだけでなく、できれば理解しようと努めることね。
すぐに共感できなくてもいいのよ。ただ、『そういう考え方もあるんだな』と受け止める姿勢が大切なの」
真矢は、彼の「もう何も言わない方がいいのか」という恐れにも、優しく応えた。
「間違えることを恐れて、口を閉ざしてしまうのは、とても勿体ないことよ。
失敗や間違いは、誰にでもあるわ。大切なのは、間違えた時に、それを素直に認めて、なぜ間違えたのかを考え、次に活かしていくこと。
そして、発言するときに、少しだけ立ち止まって、『これは自分の思い込みではないか』『相手への敬意を欠いていないか』と自問自答する癖をつけることよ」
フミヤは、その言葉を反芻するように黙り込んだ。そして、確認するように口を開く。
「じゃあ…間違えるのは仕方ないけど、発信する前に、一回立ち止まる…?
例えば、俺がブログ書く前に、『この記事、エンタメ業界の人から見たら、どう思うかな?』とか
『俺の知らない事情があるかもしれないな』とか、そういう風に考えてみるってことですか?」
「まさに、その通りよ、フミヤ君!」真矢は嬉しそうに言った。
「素晴らしいわ、ちゃんと自分で考えられているじゃない。
そうやって、相手の立場や視点を想像してみる。
自分の知識が偏っていないか、客観的な情報に基づいているか、確認してみる。
そういうワンクッションを置くだけで、言葉の選び方や表現はずいぶん変わってくるはずよ」
「ワンクッション…」フミヤは呟いた。「確かに、俺、そういうの全然やってなかったです。自分の言いたいことばっかりで…」
「誰だって最初はそうなりがちよ。でも、それに気づけたことが大事なの。そして、これから意識していけばいいのよ」
真矢は励ますように言った。
「他の業界について知りたいなら、焦る必要はないわ。
まずは、君が興味を持ったことからでいいのよ。
例えば、君が批判していたエンタメ業界なら、好きなアニメや映画のメイキング映像を見てみるとか、クリエイターのインタビュー記事を読んでみるとか」
「メイキングとか、インタビュー…」フミヤは少し興味を示した。
「そういうのなら、見れるかもしれないです。いきなり難しい本を読むのは大変そうですけど…」
「それで十分よ」真矢は微笑んだ。
「あるいは、大学の図書館に行って、関連する書籍をパラパラめくってみるだけでもいい。
大切なのは、すぐに結論を出そうとせず、
色々な情報に触れて、『へえ、こういう考え方もあるんだ』『こういう苦労もあるんだな』と、少しずつ理解の幅を広げていくことよ。
大学の授業だって、専門外の分野の講義を聴いてみるのも、良い刺激になるかもしれないわ」
「専門外の授業か…」フミヤは少し考えた。「文学部の授業とか…先生みたいな? ちょっと、面白そうかも…」
「ふふ、いつでも歓迎するわよ」真矢は笑った。
「とにかく、色々な『窓』から世界を眺めてみることね。
そうすれば、君自身の『窓』…つまり、君の経験や専門知識も、また違った風景を見せてくれるかもしれないわ」
「俺の経験が…違う風景を?」フミヤは聞き返した。
「ええ。君の理系の経験は、君だけの特別なものよ。それを否定する必要はない。
でも、その経験だけに閉じこもらず、もっと広い世界に目を向けてみて。
そうすれば、君の経験は、他の分野を理解するための新しい『レンズ』になったり、
あるいは、分野を超えて共通する本質を見抜くための『ヒント』になったりするかもしれないわ。
君が現場で培った問題解決能力や論理的思考力は、きっと他の分野でも活かせるはずよ」
「俺の経験が、他の分野を理解するレンズに…?」フミヤは、その言葉にハッとしたようだった。
「そっか…安全管理の手法とか、標準化の考え方とか…そういうのを、直接押し付けるのではなくてエンタメ業界の問題に当てはめて考えてみる、みたいな…?」
「そう!そういう発想よ!」真矢は頷いた。
「一方的に『お前らもこうしろ』と言うのではなく、『自分たちの分野ではこうやっているけれど、そちらの問題に応用できる部分はないだろうか?』と、建設的に考えてみる。
それなら、相手も聞く耳を持ってくれるかもしれないでしょう?」
「なぜフミヤくんは、これほどまでに人を裁きたがるのか」について最後に会話させておきました。三沢さんには無理でもフミヤくんならできる
その言葉は、フミヤにとって、まさに目から鱗だった。
自分の経験を、他者を断罪するためではなく、理解し、共に解決策を探るためのツールとして使う。
そんな建設的な関わり方があるのだと、彼は初めて気づいた。
「なるほど…そういう考え方もあるんですね…」フミヤは、深く息をついた。
彼の心の中のもやもやが、少しずつ晴れていくのを感じていた。
そして、ふと、これまでの自分の言動を振り返り、静かに呟いた。
「でも…どうして俺は、あんな風に…手に入れたばっかりの知識で、他の業界の人たちをあんなに簡単に裁いたり、断罪したりしようとしちゃったんだろう…」
それは、誰に聞かせるでもない、自問自答のような言葉だった。
なぜ自分は、学びを他者への攻撃に使おうとしてしまったのか。その根源にあるものに、彼は思い至ろうとしていた。
真矢は、その問いかけを静かに受け止めた。
「そうね…どうしてかしら。でも、それはね、フミヤ君だけが特別なのではないと思うわよ。
誰だって、新しい知識や経験を得ると、少し得意になったり、それを基準に周りを見てしまったりすることはあるものよ。
特に、それが自分にとって大変な経験だったり、強い信念に基づいている場合はね」
彼女は、彼の問いを一般化し、彼一人の問題ではないことを示唆した。
「もしかしたら、君の中で、『自分の経験の正しさを証明したい』という気持ちが、
少し強くなりすぎていたのかもしれないわね。
あるいは、自分の知らない世界に対する不安や戸惑いが、攻撃的な言葉になって表れてしまった、ということもあるかもしれない」
フミヤは、真矢の言葉を聞きながら、自分の心を探っていた。
「正しさを証明したい…確かに、そうだったかもしれないです。
俺のいる現場のやり方は正しいんだ、って言いたかった。
そうじゃないと、自分がやってることが無意味みたいに思えそうで…怖かったのかも…」
「そうかもしれないわね」真矢は優しく頷いた。
「自分の足場を確かめたい、という気持ちは、誰にでもある自然な感情よ。
ただ、そのために、他者を不当に貶めてしまうのは、やはり違う道だった、ということね。
知識や経験は、自分の足場を固めるためだけでなく、
他者を理解し、世界をより広く深く知るために使った方が、きっと君自身も豊かになれるはずよ」
「知識は…人を裁くためじゃなくて、理解するために…」
フミヤは、その言葉を噛み締めた。腑に落ちる感覚があった。
自分がなぜ攻撃的になってしまったのか、その理由の一端が見えた気がした。
そして、これからどう知識と向き合っていくべきか、その指針も明確になった。
「ありがとうございます、先生…」彼は、今度こそ、心からの感謝と、深い納得を込めて言った。
「俺、なんだか、すごくスッキリしました。自分がどうしてあんな風になっちゃったのかも、これからどうすればいいのかも、分かった気がします」
「そう、良かったわ」真矢は安堵の表情を見せた。
「自分の経験は大事にする。でも、それが全てじゃないってことを忘れない。
他の世界を知ろうとする気持ちを持って、発言する前には一呼吸置く…。
そして、手に入れた知識は、他の人を裁くためじゃなく、理解したり、一緒に何かを良くしていくために使う…そういうことですよね?」
フミヤは、自分の言葉で確認した。
「ええ、完璧よ、フミヤ君」真矢は優しく微笑んだ。
「その気持ちを忘れずにいれば、君はきっと、もっと深く、もっと視野の広い、そして周りの人から信頼される人に成長していけるはずよ」
「はい…!」フミヤは、力強く頷いた。
その表情には、もう迷いや弱さはなく、自分の未熟さを受け入れた上で、前向きに学び続けようという決意がみなぎっていた。
「もう、自分の狭い世界だけで物事を判断したり、知ったかぶりしたりしません。
もっと、色々なことを学んで、考えて…それから、自分の意見を、ちゃんと相手への敬意を持って、建設的に伝えられるようになりたいです」
彼は、自分のブログ記事のことを思い出した。
「あのブログ記事…一度、ちゃんと書き直そうと思います。
もっと調べて、もっと考えて…今日気づいたことも踏まえて、今の俺が書くべきことを、ちゃんと書きたいです」
「それは素晴らしいわね」真矢は心から言った。
「君ならきっと、良いものが書けるはずよ。楽しみにしているわ」
研究室には、穏やかな理解と、新たな始まりの空気が流れていた。
フミヤは、真矢との対話を通して、自分の過ちと向き合い、その根源にあった未熟さや不安をも受け入れ、それを乗り越えるための道筋を見つけたのだ。
それは、彼にとって、大学でのどの講義よりも価値のある学びとなったかもしれない。窓の外では、陽光が穏やかにキャンパスを照らし続けていた。
最後に
はい。やり取りはこれで終わりです。ありがとうございました。
ではここまでのやり取りを踏まえたうえで、
「手に入れた知識は、他の人を裁くためじゃなく、理解したり、一緒に何かを良くしていくために使う」
「色々なことを学んで、考えて…それから、自分の意見を、ちゃんと相手への敬意を持って、建設的に伝える」
という意識になったフミヤくんという想定で元の記事をリライトしてください。
この設定のフミヤくんなら言わないであろうことはすべて削除し、エンタメ業界に敬意を持ちつつも業界の問題点について提案をするような記事を書いてください。
タイトル:【学びと提案】理系の現場経験から考える、より良い働き方へのヒント – 異分野から学べること
最近、建設系の現場でアルバイトをする機会があり、そこで色々なことを感じ、学びました。今日はその経験から考えたこと、特に「働く環境」について、皆さんと共有し、一緒に考えてみたいと思いブログを書いています。
理系の現場で感じた「安全」への強い意識
僕が経験した現場は、一見すると体力的に大変な仕事も多いのですが、一方で「安全」に対する意識が非常に高いことに驚きました。なぜそこまで安全が重視されるのか? 考えてみると、いくつかの理由が見えてきます。
まず、扱っている機械や資材、作業環境には、実際に危険が伴うことが多いということ。小さなミスが大きな事故に繋がりかねないため、ルール遵守が徹底されています。
また、労働安全衛生法などの法律で厳しい基準が定められており、企業(特に元請けとなる大手企業)はコンプライアンス遵守の観点からも、事故防止に力を入れています。
万が一、労災事故が起きた場合のリスク(人命はもちろん、企業の評判やプロジェクトへの影響など)が大きいことも、安全意識を高める要因になっているようです。
具体的には、「KY(危険予知)活動」といって、その日の作業に潜む危険を事前に洗い出して共有したり、特定の作業には資格や講習が必須だったりします。
仕事の進め方もある程度標準化されていて、安全に関する基本的なルールは、どの現場でもある程度共通しているように感じました。
もちろん、全ての理系職がそうだとは言いませんし、厳しい現場もあると思います。
でも、僕が経験した範囲では、「無理な納期で事故を起こすより、
安全マージンを見て計画的に進めよう」「しっかり休憩を取って、集中力を保とう」という雰囲気が、ルールや仕組みとして根付いているように感じました。
これは、働く人を守る上で、とても大切な文化だと感じています。
エンタメ業界への敬意と、伝え聞く課題
一方で、僕はアニメやゲーム、音楽といったエンターテインメントが大好きです。
素晴らしい作品を生み出してくれるクリエイターの方々には、本当に尊敬の念しかありません。
私たちの心を豊かにし、時には人生を変えるほどの力を持つ作品には、計り知れない価値があると思っています。
ただ、そうした素晴らしい作品が生まれる裏側で、厳しい労働環境の問題が指摘されていることも、報道などで耳にします。
例えば、先日報道されたVTuber事務所のカバー社に関する下請法違反の指導や、アニメ業界における長時間労働の実態調査の結果などは、見過ごせない問題だと感じています。(参考リンク等を貼る想定)
もちろん、報道されていることが全てではないでしょうし、業界全体がそうだと言うつもりは全くありません。
エンタメ業界には、ものづくり特有の難しさ…例えば、クリエイティブな試行錯誤によるスケジュールの変動、予算の制約、複雑な契約形態など
僕のような部外者には計り知れない様々な事情があるのだと思います。単純に「けしからん」と断罪できる問題ではないのだろう、と今は考えています。
異分野から学べるヒントはあるか? – 建設的な提案として
そこで、僭越ながら、僕が理系の現場で学んだことが、何かエンタメ業界が抱える課題解決のヒントにならないだろうか、と考えてみました。
もちろん、分野が違えば最適な方法は異なりますし、これはあくまで「異分野の一例」として、何か考えるきっかけになればという思いからです。
①リスク管理の考え方の応用: 理系の現場の「KY活動」のように、プロジェクト開始前や各工程で「潜在的なリスク(スケジュールの遅延、品質の問題、コミュニケーションエラーなど)」を洗い出し、対策を共有する文化を取り入れることはできないでしょうか? クリエイティブな現場特有のリスクもあると思いますが、それを事前に予測し、備える意識を持つだけでも違うかもしれません。
②情報共有や進捗管理の標準化(できる範囲で): クリエイティビティを阻害しない範囲で、プロジェクトに関わるメンバー間の情報共有や進捗管理の方法に、ある程度の共通ルールやツールを導入することは有効かもしれません。特に、多くのフリーランスの方が関わる業界だからこそ、スムーズな連携のための基盤づくりが重要ではないかと感じます。
③知識・スキル向上のための仕組み: 理系分野では、安全や技術に関する講習が定期的に行われます。エンタメ業界でも、技術的なスキルはもちろん、プロジェクトマネジメント、契約に関する知識、メンタルヘルスケアなど、クリエイターや制作進行の方々が必要とする知識やスキルを共有・学習できる機会(業界団体主導のセミナーなど)がもっと増えると良いのかもしれません。画一的な資格制度が良いとは思いませんが、学び合い、支え合う仕組みは有効ではないでしょうか。
④フリーランスの方へのサポート: 業界を支える多くのフリーランスの方々が安心して働ける環境も重要だと思います。確定申告や契約に関する知識提供など、個人では手が回りにくい部分をサポートする仕組みがもっと充実すると良いのかもしれないと感じました。
最後に:知識を、理解とより良い未来のために
以前の僕は、自分の狭い経験だけを頼りに、他の業界のことをよく知りもせずに批判的な目で見てしまっていました。でも、それでは何も生まれないし、むしろ対立を深めるだけだと気づきました。
今回、理系の現場の良い点を紹介しましたが、それは他の業界を貶めるためではありません。
それぞれの分野に素晴らしい点があり、同時に課題もある。大切なのは、互いの知見や経験を尊重し、そこから学び合い、「どうすればもっと良くなるか」を一緒に考えていくことではないでしょうか。
手に入れた知識は、他の人を裁くためじゃなく、理解したり、一緒に何かを良くしていくために使う。
色々なことを学んで、考えて…それから、自分の意見を、ちゃんと相手への敬意を持って、建設的に伝える。
僕自身、まだまだ未熟ですが、これからはそういう姿勢で、色々なことに関わっていきたいと思っています。
この記事が、何か少しでも、皆さんが「働くこと」について考えるきっかけになれば嬉しいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
終わりです。 以下はただの投げ銭用スペースなので中身は何もありません。