受験をちゃんとやった人には分かるんだが、入試問題を見るとむしろ東大京大が思考力重視で、私文が丸暗記詰め込みなんだよな https://t.co/JlV49TFUyV
— cherry (@cherry_n_s) 2025年5月2日
うーん・・・なんか感覚としてちょっと違う・・・。
問題の難易度で東大京大を特別視してる人はその時点で受験をガチでやらなかった人なのかなっておもってしまう。
ぶっちゃけ問題の難易度に関しては、東大京大に限らず国公立であればどこも問題はレベルは高いと思います。
東大京大の合格難易度高いのは単純に受験者の平均レベルが高いからという要素のほうが強く、
問題の難易度に関しては、「合格を目指すだけなら」そこまでずば抜けて難しいとか特殊というわけじゃなかったですよね。
あと、上のツイートについてたリプとか眺めてみると
私立と国公立って問題のタイプ以前に「そもそもゲームの種類が違う」ので、偏差値だけで比較してもしょうがない気がするんですけどね。
わかってる人にはわかりきってる話だし、私も説明するのめんどくさいから残りはざっくりとだけ
大学受験の世界には、大きく分けて「国公立大学」と「私立大学」という二つの大きな扉があります。
多くの人が、これらの大学を語る際に「偏差値」という物差しだけで比較しがちです。
「東大・京大はすごい」「早慶は難しい」といった話はよく耳にしますが、
それらの難易度の話以前に、
国公立大学と私立大学の受験が、そもそも全く異なる「ゲーム」である
という根本的な事実を知らない、あるいは軽視している人が驚くほど多いと感じています。
特に、私立大学の受験対策だけをしてきた人にとっては、
国公立大学の受験がなぜそれほどまでに「大変だ」「難しい」と言われるのか、ピンとこないかもしれません。
そんなわけで、今回は偏差値という一側面だけでは語れない
国公立大学受験の「ゲーム」のルールと、それが私立大学受験とどう異なるのかについて簡単にまとめておきます。
私立大学受験の「ゲーム」の特性:少数精鋭、集中突破型
まず、多くの私立大学の一般入試の「ゲーム」の特性です。
多くの学部・学科で求められる受験科目は、
文系であれば「外国語」「国語」「地歴公民または数学」の中から2~3科目
理系であれば「外国語」「数学」「理科」の中から2~3科目に絞られていることが一般的です。
この「科目数の少なさ」が、私立大学受験の最大の特徴です。
受験生は、自分が得意な科目や、志望学部の配点が高い科目に絞って集中的に学習することができます。
例えば、英語が得意なら英語に、数学が得意なら数学に、人一倍時間をかけ、その科目を「武器」として磨き上げることができます。
特定の科目に特化して深い知識や高い応用力を身につけることが有効な戦略となりやすく、
極端な話、苦手な科目は受験科目から外すという選択肢もあります。
これにより、比較的短期間での学力向上や、得意科目で一気に点数を稼ぐといった戦略が立てやすくなります。
大学によっては、特定の科目に極端に高い配点を設けるなど、
多様な入試方式を用意していることも、得意を活かしたい受験生にとっては有利に働くことがあります。
私立大学受験は、言わば「少数精鋭、集中突破型」のゲームと言えるでしょう。
限られた、そして多くは自分の得意なフィールドで、高いパフォーマンスを発揮することに特化した戦いです。
国公立大学受験の「ゲーム」の特性:広範な基礎力と計画性が問われる総合力型
これに対して、本題である国公立大学受験の「ゲーム」は
私立大学のそれとは全く異なるルールで進行します。
最も決定的な違いは「科目数の多さ」です。
国公立大学の一般入試は、原則として「大学入学共通テスト(旧センター試験)」と大学独自の「二次試験」の二段階選抜で行われます。
そして、この共通テストが、国公立大学受験のハードルを引き上げる(中高一貫教育が有利になっていた)要因となっています。
共通テストでは、多くの国公立大学で「5教科7科目」の受験が求められます。
一部、科目数が少ない方式もありますが、一般的ではありません。
具体的には、
1️⃣外国語: 英語(リスニング含む)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語から1科目
2️⃣数学: 数学I・A、数学II・Bから2科目
3️⃣国語: 国語(現代文、古文、漢文)から1科目
4️⃣理科: 「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」から2科目、または「物理、化学、生物、地学」から1科目
5️⃣地理歴史・公民: 世界史A、世界史B、日本史A、日本史B、地理A、地理B、現代社会、倫理、政治・経済、『倫理、政治・経済』から2科目
(多くの場合、地歴から1科目、公民から1科目の組み合わせや、地歴から2科目など指定あり)
といった科目群から、大学・学部が指定する科目を受験する必要があります。
これが、国公立大学受験の「ゲーム」が私立大学受験と決定的に異なる点です。
私立大学では得意な2~3科目に絞れたのが、国公立大学では、文系でも数学や理科(基礎)、理系でも国語や社会が必須となるのです。
私立大学だけの受験対策をしてた人がギリギリで国公立狙いをすることは困難
私立大学を目指して英語と国語と日本史だけを勉強してきた人が、国公立大学に志望を変えたとします。
その人は、まず共通テストのために、
これまでほとんど勉強してこなかった理系科目 :数学(IA, IIB)、理科基礎(2科目)、あるいは理科専門(1科目)、
さらに私立受験では必要なかったもう一つの文系科目: 地理や公民といった科目
これらをゼロから、あるいはそれに近い状態から準備しなければなりません。
これだけでも大変なことですが、さらに国公立大学には「二次試験」があります。
二次試験は大学独自の試験であり
多くの場合、共通テストで課された主要教科(文系:国語、数学、外国語。理系:数学、理科、外国語など)から2~3科目が課されます。
※東大・京大などは二次試験も5教科対策が必要であり、対策に膨大な時間とリソースが必要になります。このこと自体が受験の難易度を高めてます。私の感覚だと問題の難易度よりこっちのほうが大事だと思う。だから全部暗記とか言ってられないんですよね。基礎として暗記が大事なんてのは大前提であり、それだけでは対処しきれない物量があるため、自然と暗記じゃなくて理屈を理解する必要が出てきます。うちの高校の物理とか化学の先生は「私は暗記を忌み嫌うK藤。絶対に暗記に頼るな。理解さえすれば暗記が必要な量はは10分の1で済む」とめちゃくちゃしつこく言ってました。ここまで極端でなくとも、難関国公立を受験する生徒が多い学校だと暗記だけでなんとかなると思ってる人は殆どいなかったと思います。 暗記でなんとかなると思ってる事自体、勉強すべき量が圧倒的に少ない私立しか受験したことがない人の発想だなとは思います。
二次試験は共通テストのようなマーク式だけでなく
記述式や論述式、証明問題など、より深い理解や応用力、思考力、表現力が問われる問題が多く出題されます。
つまり、国公立大学受験では、共通テストで幅広い科目の基礎学力を求められると同時に
二次試験で主要科目の応用力や記述力も問われるのです。
全科目で「広く浅く」ではなく、「広く、かつ主要科目は深く」という非常に要求度の高い学力が求められます。
苦手科目があると、共通テストの合計点に大きく響くため
大学によっては共通テストの点数で足切り(二次試験に進めない)が行われることもあります。
全科目で一定レベル以上の学力を維持し、さらに主要科目を高いレベルに引き上げる必要があります。
なぜ私立大学専願者には国公立大学受験が「難しい」と感じられるのか
私立大学の受験対策だけをしてきた人が、国公立大学の受験を難しいと感じる理由は、この科目数の多さと対策範囲の広さに尽きます。
これまで対策してこなかった科目の負担: 特に理科や社会の基礎科目、
あるいは文系にとっての数学、理系にとっての国語や社会など、
私立受験では避けて通れた科目が必須となることによる精神的・学習的負担は計り知れません。
これらの科目は、多くの場合、ある程度の暗記量や体系的な理解が必要です。
1️⃣学習範囲の広さ: 全ての共通テスト科目に加え、二次試験の対策も行う必要があります。
これは、私立大学の2~3科目に集中する学習量とは比較にならないほど広範です。
高3になってから国公立を目指すとなると、物理的に時間が足りないという事態に直面しがちです。
2️⃣求められる学力の質の違い: 私立大学が特定の科目の「得意」を活かすゲームだとすれば、
国公立大学は全科目の「底上げ」をしつつ、主要科目を伸ばす「総合力」が問われるゲームです。
特定の科目だけ飛び抜けていても、他の科目が平均点を大きく下回ると合格は厳しくなります。
3️⃣計画的な準備の必要性: 国公立大学受験に必要な幅広い学力と対策範囲を考えると、
高1・高2からの計画的な学習が不可欠です。
私立であれば高3からの対策でも間に合う可能性はありますが、国公立ではそれでは手遅れになる科目が出てくる可能性が高いです。
まとめ:偏差値だけではない、全く異なるゲームであるという認識が必要
国公立大学と私立大学の受験は、単に偏差値の高さで比較できるものではなく、
求められる学力、対策すべき科目数と範囲、そして学習戦略が根本的に異なる、全く別の「ゲーム」です。
私立大学の受験対策に慣れた人が国公立大学の受験に目を向けたとき、
「単に難しい問題が解けるようになればいいんでしょ?」と考えがちですが、
その本質的な難しさは、未知の、あるいはこれまで軽視してきた多くの科目を
一定レベルまで引き上げなければならない、という点にあるのです。
安易に「偏差値が高いから国公立にしようかな」と考えるのではなく
国公立大学の受験システムが要求する広範な学力、
それに伴う膨大な学習量、そして早期からの計画的な準備が必要であることを十分に理解することが何よりも重要です。