ダラダラ書いてますが、読んで欲しいのは最後の一文だけです。
えええ、「回復術士のやり直し」が1位ってまじかよ……ラノベ業界大丈夫かよ……って一瞬思ったけど、よく見たらあくまで「bookwalker」ユーザーという母集団の中での投票結果だったので安心した。
bookwalkerはユーザー数を増やすために「なろう系の小説・マンガ」を90%オフとかやってるから、アクティブなユーザーに「なろう作品(しかもメジャーなやつ)」が好きな人多いんだよね。とはいえ、KADOKAWAさんが「ラノベより中身が薄い作品を、ラノベの2倍の値段で発売しても買ってくれる。ついでにコミカライズも売れる」なろうユーザーという金脈(割ともう掘り尽くし気味)狙いなのはいいとしても、この「回復術士のやり直し」を看板に押し出すのはさすがにちょっとどうなのかと。。。
回復術士のやり直しという作品について……あんまり語りたくない
割とこの作品本気でクソやぞ……。
この動画の23分から紹介がありますがこの動画主ブチ切れてて笑う。作者のパクリ疑惑についてはあえて触れないとしても(興味がある人は自分でググろう)
とにかく話がめちゃくちゃ。ストーリーのためにキャラの性格や思考を都合がいいように歪めまくっているため、はっきりいって作品として成り立ってすらいない。存在すること自体が害悪。
駄作と名高い「マサツグ様」ですら一応作品と呼ぶことができるが「回復術士」は作品未満
私はとりあえず読みましたが、まじでゲロ吐くレベルでひどい。テキストの読みやすさ以外の面ではあの「マサツグ様」のほうがまだましというレベル。
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「マサツグ様」は、主人公のチート能力の設定が悪すぎるのとテキストが下手くそ過ぎるのとキャラクターがクズしかいないのとストーリーが主人公ageしかしないくっそワンパターンな作品というだけで、とんでもない駄作ではありますが一周回って面白いです。少なくとも設定は崩壊しない。
ところが「回復術士」は序盤から一瞬で話の設定が崩壊します。たとえば「主人公の能力に対する設定が途中であっさり消滅するバグ」がわかりやすいかも。
主人公は名前の通り回復能力を持ちます。この能力は、傍から見ただけでも「ラストエリクサー」+「かけられた人間の能力を向上させる」という最強クラスの回復効果があることがわかります(実際にはもっと万能です)。ただしその代償として使用の際に耐え難い苦痛をもたらします。それゆえに主人公はこの能力を使いたがらない。勇者なのに能力が使えない欠陥存在としてみなされた主人公は、奴隷以下の境遇に落とされます。
ここらへんの描写もツッコミどころ満載なのですがそこは歯を食いしばって耐えつつ先に進みます。
しかし、「やり直し」をして復讐を開始すると、この「耐え難い苦痛をもたらす」という設定がどっかにいってしまいます。主人公はこの「回復能力を使いまくって」復讐を実行していくんですね。どうでもいい些細なことでもいちいちこの「回復能力」を使う。「いや、それができるなら最初からやれば問題なかったんちゃう?」という気持ちになります。この豹変ぶりについて、全く説明がありません。どう考えても二週目以降の回復能力発動は苦痛がなくなっているとしか思えないのですが、そういうわけではないらしい。
もうこれわかんねえな。
また、そもそも復讐譚のはずなのに復讐譚になってないのもきつい。
「やり直し」前に受けた苦痛や屈辱に対して復讐をする、という話ですが(苦痛や屈辱を受けるに至る過程には全く納得行かないものの、まぁ世の中は理不尽なものですし)これ自体は理解できます。しかし、復讐が全然復讐になってません。というかぶっちゃけ1章の時点でこの動機を主人公が完全に忘れてて、いつのまにか「チート能力を使ってハーレムと成り上がり物語をやりたい」だけなのでは? みたいな展開になっていきます。
このように、主人公が一番ひどいですが、他の登場人物もみんなこんな感じで頻繁に精神分裂病とか記憶喪失の症状を引き起こしてしまい、そうでない人物もとことん無能というか主人公に都合よく動くだけなので、読んでて虚無しか感じません。最後に残るのはエロだけです。エロ目的でなければ、読むところがないというか読むと、読者が耐え難い苦痛を味わう作品になっています。しかも、このエロにしたって、「18禁になってない作品で特に自重無くセックスシーンを描いている」というだけであってたいして魅力があるわけではありません。小説版は挿絵が「しおこんぶ」さんだからまだ救いがありますが、マンガ版はすべての出来が悪すぎて本当に苦痛しかない。どうでもいいけど、この作品が18禁でなくても問題ないなら、「チャンピオンいちご」や「あきそら」はなぜ犠牲になったのか、という話になると思うのですが、そのあたりよくわかりません。
唯一の取り柄である「エロ」で見ても特筆すべきものはなく。
「回復能力」で見ても、ここらへんの作品の方がまだ面白い。
そんなわけで、なぜこの作品が人気なのかよくわかりません。
さて、そんなわけで、何もかもわからないことだらけですが。
一つだけわかることがあります。
それは、BookWalkerの客層は、選挙をやったらこの作品を1位にしてしまうような集団だということです。
つまり、BookWalkerの人気作品ランキングは今後信用しないほうがいいことだけは間違いない。