Quantcast
Channel: 頭の上にミカンをのせる
Viewing all 3708 articles
Browse latest View live

今更だけど「フラテルニテ」系の画像(女の子が野原でたくさん寝そべってるシーン)って何が元祖なんだろう?

$
0
0

今期一番面白いアニメは「女子高生のむだづかい」と「彼方のアストラ」だと思っているのですが「女子高生のむだづかい」のEDでこういう絵があります。

f:id:tyoshiki:20190814215514p:plain

こういう絵面って昔からずっとあると思うんですが、なぜかいまだにこういう絵面を見ると、必ず「フラテルニテ」ってコメントする人がいるんですよね……。

「フラテルニテ」って言葉は、普通に友愛(フラタニティ)を意味するフランス語で、競走馬にもいるんですが、まあコメントしてるやつは絶対ゲームの方だよね。

f:id:tyoshiki:20190814211634j:plain

多分、コメントしてる人の大半はフラテルニテプレイしてないと思うんだけど、なぜかこの一枚絵のことだけは知ってる人多いの何なんだろう。
正直知らない人からしたら不快でしかないし、知ってる私も不快で誰も幸せにならないからやめてほしい。

ハナヤマタ 花彩よさこい祭 二組目 Blu-ray

ハナヤマタ 花彩よさこい祭 二組目 Blu-ray


「僕のヒーローアカデミア2期」のEDでも女の子が野原でたくさん寝そべってるシーンの絵があって、同じようにフラテルニテって言ってるやついたな、と。
f:id:tyoshiki:20190814220322p:plain

他にもいろいろあったはずなんだけど、やっぱりこういうのは見つけた瞬間収集していかないとすぐに忘れてしまうので、今後はこちらに保管していこうと思います。

あとほんとに元ネタというか元祖の絵はいつくらいからあるのか知りたい。



「フラテルニテ」について

ゲームとしてはあんまり好きじゃないのだけれど、一枚絵だけが有名になってしまったゲーム

何とも言えない微妙なゲームだった記憶がある。

前作euphoriaは、全く救いがないように見えて、最後にはどんでん返しでハッピーエンド?が待っているゲームだった。

そのためフラテルニテの時も、パッケージのキャッチコピーが「必ず君を救ってみせる」だったこともあり
エログロ展開だけどどこかに救いがあるだろうと期待してプレイしたら「救いなんて、どこにもない」というオチで終わるひどいゲームでした。


「アリ地獄」のような世界を描いた作品で、ひっかかってしまった主人公は友人たちを巻き込みながら最初から最後までゆっくりと奈落に向かって落ちていくだけ。


一応「実はそんなは真実が!」と驚くシーンはある。けれど、その真実がわかったところで全体的な流れを覆すに至らない。結局そのままずるずる落ちていって、全員地獄に落ちる。
ただ一人、主人公と関係のないところで一人だけ地獄から脱出した人がいることだけが救い。そんな感じのゲーム。

この人は自分がまともだと思っている。俺のほうがおかしくて自分は正しいことをしてるってかけらも疑ってない。もうこの人を助けるのはダメなんだ。そんな段階じゃないんだって俺はようやく気づくことができた。気づくことができたけど、それはあまりにも遅すぎて、その代償は計り知れないほどだった

そういう絶望しかない世界で、主人公はどっちを選んでも地獄であることには変わりないけどどっちを選びますか?という選択を突き付けられる。

というか今更プレイする人いないと思うから一言でネタバレすると、この作品は「桜を殺すという選択肢を選んだfate heaven's feel」です。
同じエログロでも「euphoria」や「extravaganza」と比べると個人的には評価かなり低いです。 しかしなぜかこの一枚絵はめちゃくちゃ有名になってしまったんだよなぁ。


私の当時の感想

フラテルニテ終了。 総プレイ時間6時間。 
うーん。 神村さんはめちゃくちゃ好きなんだけど、そこあんまり活かされず、gdgdな印象が否めなかった。 後半にいくにつれて話がしょぼくなっていく感じをエログロでごまかされてる感じが辛い。

神村愛さんは本当にすばらしい。「鎖」の片桐恵に親しいメンタリティの持ち主。 私はこういう自分が生き伸びるために他人も貪欲に、計算高く利用していく生命力にあふれた女性キャラ大好きだ。

前作euphoriaと比較すると、euphoriaは真相がわかってからもしっかり別々の思想を持つ人物が拮抗しあって、ぶつかり合うことで話が盛り上がるのにたいして、こちらは真相がわかってからはヒロインの一人相撲になってて、主人公はそれに翻弄されるだけで盛り上がりに欠ける。

主人公のショボさと、強すぎるメインヒロインのアンバランスさ、そしてその他ヒロインの特に意味もない消費具合を見ると「カルタグラ」なんかを思い出す。 

神村愛さんがすごい作品だったということで終了。 そのすごさが活かしきれなかった感があってもったいないけど神村さんに罪はない。もっと、「正常」「異常」の境界を揺さぶるような作品を期待してたし、神村さんの黒さをもっともっと見たかった。 そのあたりに成功した作品として「SWAN SONG」や「鎖」や「euphoria」はやはり素晴らしいな。


川口 宏之さんという会計士が「プレジデントオンライン」に書いたSHOWROOMに関する記事がひどいと話題に

$
0
0

president.jp

正直なところ本当に川口さんの記事、素人の私が読んでも微妙過ぎると思ってた。


そしたらやっぱりすごいツッコミ入りまくってた。


特にツッコミどころが大きいのは3ページ目

1回目が1001株発行して1億円の資金調達できたのにもかかわらず、2回目は1144株発行して1200万円しか資金調達できていないのである。1株当たりで計算すると、1回目は10万円だったのに、2回目はたったの1万円程度での新株発行だったのだ。実に10分の1の株価下落だ

さすがにここは総ツッコミが入っている。

明らかに、会計のプロとしてあまりにも適当な記事の書き方であり、書き手としての信頼度が大きく下がっている。
この部分についてはちゃんと確認して、間違いがあれば訂正をしたりするのでなければ、今後この人の書く記事はあまり信用できない。

「川口 宏之」の記事一覧 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)


「債務超過だ!SRやばい!」の指摘に関してもかなり疑問


官報だけだとPLがちゃんと見れないのでこういうこともあり得る。


何より問題なのは、「憶測でしかないのに断定的にネガティブなこと書く」というプロの倫理観が感じられない書き手の姿勢

blogdekaikei.com

情報を開示してないベンチャー企業について断言できることは少ないので、いずれにしろ憶測で語るしかない。

憶測でしか語れない以上、断定的表現で記事を書くことはフェイクニュースになりかねず、ちょっと無責任ではないかなと思った次第です。


かなりキツい言葉で批判されてるけど、正直このくらい言われても仕方がない話だと思う。

たとえば上の記事、何の肩書もない私が書いたとしたら、たぶん鼻で笑われて終わりだったと思う。

でも、この記事は公認会計士で、かつベンチャー企業のCFOという肩書を持って書いている。
明らかに「プロが書いた記事です」という態なのだから、それはまずいでしょう。

私たちは、一般的に有資格者の肩書を持つ人は信頼することにしている。
それはプロには業法や、業界「倫理規定」がしっかり設けられており、
そうしたルールがきちんと守られている(違反した人は資格をはく奪される)という前提だからだ。

xn--7mq406l.net
ja.wikipedia.org
http://www.jfael.or.jp/ja/information/20171222/20171222_02.pdf

公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。


いつもだったら「この記事うのみにして石原さとみとの件で揶揄してるブックマークコメント書いてる人」にバカか!って言ってたかもしれないけど
この記事に関しては、川口さんの書いてることを信じてしまったことは責められないと思う。むしろ川口さんが悪い。

そのくらい「プロは信頼できる存在である」という建前を維持することは、その業界にとっても社会にとって重要だと思っている。
「公認会計士が一般人向けに書いたことですら信頼できない」となると、これはもう何を信じていいのかわからない。

医療業界ではそういう問題がかなり深刻になっているらしい。公認会計士、お前もか、とならないでほしい。

もちろん「公認会計士がよその企業について適当なことを書いてはいけない」と直接規定した条文などないけれど。

こういう信頼を毀損するよな行為は慎んでほしい。今回のことはちゃんと謝罪して訂正するところまでしっかりやってほしい。

だよね、片棒担いだ形になってるプレジデントオンラインさん?

追記 内容ではなく書き方の問題ということにして訂正は一切しないらしい。 これは私の基準では信用できない書き手確定


確かに間違いとは言い切れないけれど、この記事自体は明らかに問題があるから普通の倫理観あるならなにかしら書き直すべきだと思うんですが。
記事を取り下げもしないし訂正もしないんですね。そうですか。プレジデントオンラインさんはそれでいいんですね。

「誰かに対する批判や悪口」が自分のメインコンテンツになってはいけない

$
0
0

これ、ほとんどの人にとっては当たり前すぎる話だと思います。

でも私は結構いろんなことを批判してきましたし、「不本意ながらそういうコンテンツが人気コンテンツになってしまっている」のが現状です。

これからもいろんなことを批判することはあると思います。

ただ、それでも「批判されるやつが悪いんだから仕方ない」とか「批判するのはよくないことだから全部ダメ」とゼロかイチで考えるんじゃなくて「批判するなら、その分ちゃんと自分のポジションを意識しよう」「批判がメインコンテンツにならないようそれ以外のコンテンツがメインと認識されるように割合を考えよう」と考え、それを実践していきたいと思います。


「ブログ内の人気記事が他者への批判になっちゃってる」現状がとても歯がゆいです

はてなブログには「このブログの人気記事」というものを表示するオプションがあります。これを使えば、自ブログ内の被ブクマ数が多い記事を表示することができます。自分のブログの人気コンテンツが、自分のブログのコンセプトと合致している人であればぜひ表示すべき項目だと思います。

でも私はこれが使用できません。なぜかというと、私のブログで人気の記事は、不本意ながら自分がメインコンテンツだと考えているものが全然上位に来ないからです。


私のブログで過去に人気だった記事はこちらですが
『この夜が明けるまであと百万の祈り』 の人気エントリー - はてなブックマーク
見ての通り他者批判のものが多いです。


記事数の割合でいえば「面白かったマンガの紹介したり、面白い企業の紹介したり」「発達障害の話をやったり」が圧倒的に多いです。 
私自身も、自分のブログはマンガ・投資のブログだと認識してもらいたい気持ちが強いです。 マンガとか投資が好きな人に読んでもらいたい。
でも実際上の人気記事一覧だけみたら「はてな村の住民」とか「いっつも何かにツッコミ入れてる人」っていう認識を持たれちゃうと思う。
非常に残念だけど。




他人の批判をしたら、簡単に共感や賛同を得られるかもしれないけど、それは「批判してる人」の実力であって自分の実力ではない

話は変わりますが先日、こんなことがありました。

「あいちトリエンナーレ」の件で、東浩紀さんがアドバイザーの地位を降りるという結果になったのですが。
これに対して私の知り合いがこんなことを言ってたんですね。


「ほらやっぱり東浩紀は間違っていた」
「私の正しさが証明された」
「僕は東浩紀に勝った」

……その人とはそこそこ付き合いが長いのですが、それを聞いた時の私の感想は「何言ってんだこいつ?」でした。


だって。
あなたtwitterの片隅で東浩紀の悪口言ってただけじゃん。
東浩紀からしたら「視界の片隅にも入ってない」存在じゃん。
そもそも戦いが成立してないじゃん。

「東浩紀が間違っていた」→「自分が正しかった」になる理屈もわからんしまして「東浩紀に勝った」って全く理解できない。


思わずヒデヨシさんのこの記事を思い出してしまいました

oreno-yuigon.hatenablog.com

田端さんはポジションを取っていない人間はdisらない。
サウザーさんが名指しで反論されたのは、彼が舞台に上がっているからである。
何者でもない人間はポジションを取ることもできない。

そんな状態で勝った負けたという発想が出てくること自体が理解できませんでした。


無名の個人が有名人を批判するのは全然いいんだけど、さすがに立場の違いはわきまえる必要はあると思う

もちろん名もない個人が、自分なりの意見を言ったり批判をしてもいい。
間違ってると思うことは間違ってるといえることはとても大事。

実際、私もしょっちゅうやってます。
そういうことを気軽に発信できるのはネットのとてもいいことだと思う。

でもさ。

対等じゃあないよね。

まして「東浩紀個人と自分が戦ってる」という認識を持つのはおこがましいにもほどがあると思う。


私は「相手に存在を認知もされていない小さな存在だから気楽に好き勝手なことを言ってるだけの軽い存在だ」という認識はあります。 東浩紀さんと対等な立場から批判するという状態に至るためにはどれほどの積み重ねが必要かとか、同じような立場になったらどれほど発言に気を付けなければいけないのか、それを考えれば、到底対等な立場だとは思いません。*1

私はそういう考え方なので、その人がなぜ「東浩紀とまともに戦っているつもり」になっていたのかもわからなければ、まして「勝った」などという表現をするのかが理解できませんでした。


応援していたスポーツチームが勝利する喜びはわかるけど、そこで「自分がすごい」にはならんやろ

直接確認したところ、本人曰く「応援していたスポーツチームが勝利したような喜びを表現したかっただけだ」ということでした。

これについては私はあまり応援してるチームと自分を一体化させない人間なので共感はできませんが、理解はできます。野球ファンとかサッカー日本代表を応援している人たちとか見ていると「応援しているチームと自分を同一化する」くらいの感覚であれば理屈としては理解できる。オタクでも自分が好きなアニメが一番人気になると、多くの人と感情を共有できてうれしいと思ったりとか、自分が好きなアイドルが選挙で勝ったら自分も誇らしい気持ちになったりとかいるから、似たような気持ちなんだと思います。


でもさ。

普通スポーツチームを応援してる人たちは、別に日本チームがブラジルチームに勝ったとしても「自分そのものがブラジルチームに勝った」とは思わないでしょ?あくまでかったのは日本チームであり、自分たちはサポーターである、というう認識でこれは明確に区別されているはず……だよね?


その人にこの話をしたんですが、なお「僕は東浩紀に勝った」という表現は間違いだと思わないという反応でした。何か他にも認識のくい違いがあるのだと感じましたが、それ以上は特に追求しませんでした。たぶん何かあるんでしょう。私は特にその人の考えを否定しようとも思いません。その人についての話はここで終わりです。

(※最後に補足しておくと、この彼は批判ばかりしている人ではありません。ちゃんと好きなことについても語れる人です。何かを批判してるときは、だいたいものすごい雑なのですが、好きなことについて語るときはとても面白いことを熱く語ってくれます。好きなことについて語ってるときの方がやはり面白い話を聞けることが多いです)




「何かを応援する」方向ならまだしも、「誰かを批判することで注目や評価を集めようとする」とどうなっていくのか

つまり、傲慢至極にも、社会を拒否しつづけながらその社会において承認され尊敬される道を選ぶんだ。社会を拒否する態度そのものによって社会から尊敬を勝ち得ようとするんだよ。

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)

それよりも、私は上の知り合いの人から話を聞いた時ものすごくドキッとしました。私もいろんな人を批判する記事を書いているから、自分もこの知り合いの人みたいな考え方をしていないか気になったんですね。


経験上、誰かを批判することで賛同や共感の声を得るのは、自分が作ったもので賞賛を得ることより圧倒的にお手軽です。特にはてなでは、何かを否定したがってる人がわんさかいるので、そういう記事を書けば人がやってきて「自分が言いたいことを言ってくれた」などといって褒めてくれます。この前はわざわざ目立たないようにサブブログで書いたのにそれでも誰かが目ざとく見つけてホッテントリになってしまいました。そのくらいネットにおいて、「自分で真っ向から誰かを批判しに行くリスクやコストは負いたくないが、誰かの尻馬に乗って気に入らないやつをたたきたい」というニーズは非常に強いみたいです。 「自分にとってどうでもいい話題」であればあるほど、そういう記事が人気になりやすいということを身に染みて感じました。


でも、そんなニーズにこたえて他者を批判するようなツイートや記事をいくら書いたところで、その場ではRTやはてブをもらえるかもしれませんが、自分自身は全く評価されません。 むしろ「御大層なこと言ってるけど、そういうお前は何者なんだ」にこたえられないと普通にバカにされます。そりゃしょうがないよね。




大事なのは、この時に「バカにしてくる声」じゃなくて「褒めてくれる声」の方に寄っていくと、あっという間に駄サイクルに入ってしまうということです。

ネムルバカ (リュウコミックス)

ネムルバカ (リュウコミックス)

このサイクルに入ると、だんだんと自分は周りの人に合わせてレベルが下がっていき、自尊心とか「何かと戦っているという高揚感」だけが高くなっていきます。その自尊心や高揚感を維持するためにますます「何かを批判する」ことにのめりこんでいく。

また、自己完結しているだけならまだましで、賛同する人たちが集まって集団になっていくとなおタチが悪いです。最終的には手段であったはずの「批判すること」が自己目的化し、その目的で集まった人たちが「批判する」という目的のために手段を選ばなくなります。デマやチェリーピッキング、クオートマイニングやストローマン論法を駆使して「批判のための批判」を繰り返す。そういう構造になっていくんだろうなと思います。

一番ダメなのが長谷川豊さんさんやイケハヤさん界隈のようなパターンですがそれだけとは限りません。「うさぎのみみちゃん」のように、最初は好きなことについて情報発信していたのに途中からは悪口アカウントとして人気が出てしまい、ヘイトをため込み続けた結果、些細なミスから大炎上してしまったケースもありますよね。そのくらい「他人の悪口で共感や賛同を得る」っていうのは麻薬のように魅力的なのだろうけれど、でもそちらに流されるとろくなことにならないんだと思っています。

fanfanfan176.hatenablog.com
www.tyoshiki.com


自分の観測範囲内では①ネットフェミニズムとアンチフェミニズムの対立②表現の自由問題③ネトウヨとサヨクあたりが特にひどいとおもいました。どれも最初は関心を持ってしばらく見ていましたが、今となってはどっちの陣営にも関わりたくないなあという気持ちです。
www.tyoshiki.com

最近でいうと「N国党」も近いうちにこういう対象になるんだろうなと思っています。



何かを批判したい人ほど、「自分は何者か」を語れるように普段から自己研鑽や情報発信を心掛けるべきだと思う

だらだらと語りましたが、言いたいことはシンプルです。

「何かを批判することによって注目を集めるのはお手軽だけど、それに依存してるとだんだん認知が歪んでダメな人間になっちゃうからやめておこう」ってことです。

「批判すること」がメインコンテンツになっている人たちというのは好かれないだけじゃなくて、自分自身が全く評価してもらえない。なのに自分だけは勘違いして舞い上がってしまうかもしれない。そうなるととても危険です。

「何かを批判するな」ということじゃなくて「批判をするならなおさら自分のポジションを明確に示せるようになろう」って思います。




というわけで。

これからもあくまで自分は「マンガ記事や投資の記事で評価されたい」「それ以外ではてブついてもそっち方向に流されない」ということは意識しておきたいと思います。

……冒頭に書いたように、99%の人には当たり前な話だと思いますが
自分は今後PVとか考えたときにこの罠にはまらないと限らないので、忘れないように書いておきます。



この記事を読んだ人に教えていただいたのですが、けんすうさんが私より広い視野で簡潔にまとめてくださってます。

kensuu.com
今回私が記事で書いた内容は「OPINIONのミス」の部分で触れられています。

ちなみにニュースに対して意見を言うの、めちゃくちゃみんなやりがちなんですが、あまりニーズありません。少なくても「ニュースにたいして、うまいことをいう人」というポジションは人気が出づらいのです。もし人気がでたとしても、世の中の意見とはずれた場合に、袋叩きにされたりするポジションです。そうなると、世間の風を読んで、迎合し続けるようになるか、みんな読まれるために過激になって、どんどん精鋭化していき、最終的に、すごい極端な言論を言い続ける人になるかのどちらかになっちゃいます。


ではどうすればよいのか、についてもじつにわかりやすくまとめられています。

最初にすべきことは、信頼を得ることです。そこで、Informationを出すのです。そして、多くの人に知ってもらってから、はじめて、Opinionを出したり、Storyを話したりするのです。

この順番はしっかり意識していきたいですね。



余談

私はスポーツで何かを応援するという感覚が昔からよくわからないです。
声優さんのファンだったり、アニメ作品が好きだったりとは何か違う気がする。

カープ女子

カープ女子

オトン、サッカー場へ行こう!

オトン、サッカー場へ行こう!

でも、なにか自分以外のものを応援することで自分も元気になるって話は結構好きですし、あのファンの一体感みたいなのは無性に憧れます。本当にうらやましい。私も何かを熱狂的に応援してみたいです。

*1:私自身の例をあげると、私は以前ヨッピーさんを批判する記事を書いたことがあります。この時ヨッピーさんは応じる必要がないのにちゃんと対応してくれました。ですが、これは①たまたま私の記事が多くの人の目についたせいでヨッピーさんも対応する必要がある状態になったからですし、②ヨッピーさん自身が(たとえ批判的な意見であっても)耳を傾けるタイプの人だったからです。 ①、②どちらの条件も満たさない場合、無視されても文句を言えないし、何か対応することを強要する資格もありません。逆に言うと、ヨッピーさんは「普段から多種多様な人に見られて、批判されるかもしれない状況で記事を、仕事として文章を書いている」わけです。 普段そうした覚悟をもって、リスクやコストも負担して発言している人と私が同じ立場だとはあまり思いません。

「ガールズアンドパンツァーリボンの武者」 オールスターによるバトルロワイヤルの盛り上がりが半端ない!

$
0
0

劇場で最終章の第二話に登場した「BC自由学園」が登場しているというから軽い気持ちで読んだんですが、なにこれめっちゃくちゃ面白い。

努力根性みたいなもので連続的な成長を描くのではなく、「戦車道」に対するパラダイムそのものを転換させることで、非連続的な成長、つまり「変身」を描く作品になっている。読んでいてものすごく気持ちいい!

ガルパンファンだった人は、ただのスピンオフと思わずにぜひ読んでほしいです!

ガールズ&パンツァー リボンの武者 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

ガールズ&パンツァー リボンの武者 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

西住みほが「各学校の在り方」を揺さぶり、本作主人公の鶴姫しずかが「戦車道そのものの在り方」を揺さぶる

ガールズアンドパンツァーはそもそも「戦車道」という突っ込むのもヤボなくらい荒唐無稽な設定で少女たちの部活青春もののストーリーを描いた作品だった。普通に考えれば一発ネタで終わりそうなものだが、その荒唐無稽な設定を単なるネタで終わりにするのではなく作りこみまくった結果として、作中で「戦車道のいびつさを糾す」存在が登場し、自己破壊→自己再生のプロセスまでを描く展開が発生することになった。

ガルパンの世界の「戦車道」はもともとガチガチにルールで縛られており、そのルールにおいては最適な戦い方もおのずと決まっていて、黒森峰やプラウダのように、装備や物量に優れたチームが強い、という常識みたいなものが出来上がっていた。そこに「タンカスロン」という「なんでもあり」な試合形式を導入することで、「戦車道」のアップデートを迫るストーリー展開になっている。


西住みほが各チームにもたらした影響について

もともと、アニメ本編で「西住みほ」率いる大洗女子の優勝を受けて、他のチームは大いに刺激を受けていた。

f:id:tyoshiki:20190815221455p:plain

「このままでいいのか?」と凝り固まった考えから自由になり「チームの在り方」や「新しい戦い方」を模索するようになっていた。

例えば序盤では逸見エリカがリーダーとなった黒森峰や、カチューシャの専制でなくなったプラウダなどの姿を見ることができる。

新しい風としての「新主人公」鶴姫しずか

もちろんこれだけでもファンであれば面白いのだけれど、それだけでは単に「アニメ本編の残りかす」「後日譚」で終わってしまう。この作品はその程度では物足りないと、もっと大きなものを揺さぶることにした。そう「戦車道の在り方」そのものである。


そのために、武家の娘である「鶴姫しずか」という、今まで戦車道を全くやったことがないキャラクターを主役にする。

鶴姫しずかは、戦車道ではなく「西住みほ」の戦い方に刺激を受けて戦車に乗ることを志す。すなわち戦車道の常識を軽々と乗り越えて戦車に乗って戦うことを楽しむ姿にこそあこがれたのだ。

f:id:tyoshiki:20190815221149p:plain

そんな彼女にとって「戦車道」では面白くない。だから1~5巻あたりまでは、ひたすら「邪道」な戦い方で「戦車道」を挑発・翻弄していく。アニメ本編に出てきたチームを追い詰めたり時には打倒したりして旋風を巻き起こす。

ガールズ&パンツァー リボンの武者 5 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

ガールズ&パンツァー リボンの武者 5 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

※余談だが、この作品は「大学選抜との試合の後の話」」となっており、戦車道連盟の人はあれこれあってこのタンカスロンをめぐる騒動には関与できないということになっている

聖グロリア―ナの「ダージリン」が旗を振る形でオールスターバトルが行われ、新しい「戦車道」の模索が始まる

ところで、この作品のもう一人の主人公は「ダージリン」である。アニメ本編では勝っても負けても優雅さを崩さなかったダージリンだが、実は一番西住みほから刺激を受けていた。

彼女は「私も西住さんのように自分の戦車道を見つけたい」という思いに取りつかれ、鶴姫しずかが戦車道の有名校を荒らしまわっている中、裏で動き回って様々な根回しをすることで「大鍋(カルドロン)」という大会開催にこぎつける。 

f:id:tyoshiki:20190815221831p:plain
何なのこの娘、めちゃくちゃ熱いじゃないですかー。一気に好きになりましたわ。

24時間バトルロワイヤル、特に「鬼チームとの戦い」のクライマックス感が素晴らしかった

特に面白くなるのが9巻以降。(継続高校を除き)アニメに登場したオールスターチームが5つの陣営に分かれて24時間のバトルロワイヤルを実施する。

f:id:tyoshiki:20190815223409p:plain
さらに途中で「鬼」チームが乱入しての大混戦となる。

このカオスぶりがめちゃくちゃ楽しい。

なんてーー楽しいのでしょう。
大洗女子が起こした風。
風に吹かれてやってきた新しい出会い。
全てがつながった時、見えたわ。私の戦車道。

このカルドロンは世界への狼煙。傲然とした挑戦状!
貴女がた、戦車で思い切り遊んでみない?
さあ、いい子ぶるのをやめて。

全ての戦車乙女に告げる。ここへいらっしゃい!

ガールズ&パンツァー リボンの武者 1-11巻 新品セット (クーポン「BOOKSET」入力で+3%ポイント)

ガールズ&パンツァー リボンの武者 1-11巻 新品セット (クーポン「BOOKSET」入力で+3%ポイント)

  • 作者:野上武志,鈴木貴昭,ガールズ&パンツァー製作委員会
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • メディア:セット買い
  • この商品を含むブログを見る

もちろんこれにはオチがつくんだけれど、この展開の盛り上がりは本物だった。
是非皆さんも11巻までたどり着いてこの盛り上がりを体験してほしいです。



それにしても、「最終章」では普通に従来通りの戦車道大会として「無限軌道杯」が実施されているわけだけれど。この縛りがある中で、本作はどういうところに着地させるんだろう? 展開が読めなくてワクワクします。

『まりんこゆみ』 精神論がはびこる組織運営が軍隊方式と揶揄されがちだけど、本来軍ほど合理的でなければならないものはないよね

$
0
0

※今だけ1巻が11円で販売してるので、ぜひ今のうちに買って読んでみてください!


昨日「ガールズアンドパンツァーリボンの武者」の感想を書きましたが、同作者の「まりんこゆみ」も紹介しておきます。この作品もかなり面白いです。


この作品では、日本の女子高生が海兵隊に入隊することを決意してアメリカに渡り

①「ブートキャンプ」に入って地獄の訓練を受け、
②そこから化学部所属の下士官となり
③通訳任務、日本自衛隊への留学などを経て
④海兵隊将校になることを決意し、
⑤通信教育で大学を卒業し、士官候補生学校(OCS)→基本技術学校(TBS)を経て海兵隊少尉になるところまでを描いています。

まりんこゆみ(1) (星海社コミックス)

まりんこゆみ(1) (星海社コミックス)

難易度が極めて高い「異世界体験もの」として楽しめる

この作品は、①~③までの経験を体験した元海兵隊の人が原作者でありその実体験に基づいた形で描かれおり、とても具体的です。実際に現場を経験しないとわからない俗語などもふんだんに使われており、雰囲気がよく伝わります。

海兵隊なんて私にとっては完全に「異世界」なのですが、本当にゼロから描いてくれるので、全く知識がない私でも楽しめます。

f:id:tyoshiki:20190816113043p:plain

残念ながら原作者の方が途中でなくなってしまったので後半はかなり駆け足になっていますが、非常に読みごたえがある作品でした。

原案者のアナステーシア・モレノは沖縄で生まれ育った日本とフィリピンハーフのアメリカ人である。モレノは1999年から2004年まで在日米軍(アメリカ合衆国海兵隊)として日本で勤務していた。退役後、通訳および翻訳家として活躍していた。モレノは女性海兵隊員をモチーフにした作品がないために、自身の海兵隊員としての経験と、日本文化への理解を元に本作を書き始めた。ガンとの闘病の末、モレノは連載半ばの2015年7月12日に逝去したが、全体のプロットは作画・構成を担当する野上武志に引き渡されており、英訳をダン・カネミツが引き継ぐことで連載は継続された。2017年5月2日に最終話となる第193話が掲載され、本作は完結した。

アメリカ軍の「厳しさ」と「合理性」みたいなものが伝わる作品

ブートキャンプ時代

この作品では上で述べたように「ブートキャンプ」の描写から始まります。

とにかく厳しく、乱暴で、容赦がないですが、一見理不尽にしか見えないシゴキなどにも一つ一つにきちんと目的と理由があることが語られます。


いろんな厳しさは「一人前の海兵隊にするために〇〇の要素を育てる」という目的に合致しているかどうかで判断されている。そうでない行為は許されていない。そもそも、ブートキャンプの教官はエリートでなくてはなれず、尊敬されるべき職業としてみなされている。


日本でよくブラック企業の研修や、学校教育での校則などが問題になりますが、

①はたしてこうした研修や校則は、きちんと「社員のため」「生徒のため」という目的にそって組み立てられているか。
②一つ一つの行為は目的に沿った合理的理由があるか。
③それを教官や教師がちゃんと説明でき、実践できているか

という条件を満たしているかどうかはかなり疑問ですね。特に③番ね。(私は教師でしたけど、胸を張ってできているとはとても言えませんでした。当時の生徒の皆さんには本当に申し訳ない)



もちろん、海兵隊の教育だって完璧からは程遠い。というか「費用」や「納期」の問題からそもそも環境が劣悪ですし、作中でも語られてるけど、やってることはほとんど洗脳(作中ではマインドファックと呼ばれていますw)です。明らかにそりゃダメだろ、って思う部分も多い。皮肉屋のドナを通じてそのあたりのダメ出しもきっちりやっています。「ほほえみデブ」のような事例も発生しそうになります。

ただ、教官たちが自分の任務に誇りと責任を持ち、与えられた条件の中で最善を尽くそうとしており、先ほども言った通り「説明できない行為はしない」という部分がなんだかとてもグッときました


もう一つ印象的だったのが5巻の日米共同演習の話

まりんこゆみ(5) (星海社COMICS)

まりんこゆみ(5) (星海社COMICS)

自衛隊は名目上24時間交代で勤務することになっているのだが、自衛隊の幹部はシフト外でもなんだかんだ仕事があって、演習中はほとんど眠れないのだ! 休憩は悪徳だという雰囲気に支配されています。

一方アメリカ軍は、シフトはしっかりと組みます。一人が受け持つシフトは12時間。休みは必ずしっかり取ります。これに比べると、日本人は休んではいけないといった強迫観念にとらわれているように思えます。

この差が修羅場ではすぐに出ます。3日目には、アメリカ側は元気いっぱい。日本側は3割のパフォーマンスしか出せない状態になっています。

「これは関ヶ原の戦いじゃないんだ!戦争は1日で終わることなんかあり得ないんだから休憩と息抜きは仕事のうちだよ!?」

日本人は休まずにふらふらの状態で「頑張り」つづけ、きっちり休んでいるアメリカ人を見て「タフだなぁ……」とため息をつくという大変間抜けな構図が描かれています。 (ただまぁ、あくまで「将校」レベルの話ですけどね。アメリカ人は「優秀な人や頭脳部分は」本当に大事にするんだなって思った)

他にも交渉の在り方などの比較もあります。これとか別に日米の比較じゃなくてもアルアルですよね。
f:id:tyoshiki:20190816115647p:plain

将校教育は日本の自衛隊もこのくらい頑張っているのかな?

この作品で一番すげえと思ったのは終盤。主人公が将校を目指すと決めてからのキャリアパスの部分ですね。

向こうの国の将校は一人一人ここまで鍛えてるのか、と。まさにベスト&ブライテストの世界。

日本の自衛隊はどうなんでしょう? これはわからないので何とも言えません。ただ、少なくとも、アメリカがここまで人材に投資して一人一人を鍛えまくってるのを見て「アメリカに頼らず日本だけで軍をもって自立」みたいな話をしてるのを見ると、自衛隊の人たちが背負うべきものの重さを感じますね……。


なんにせよ、どこまで正確な話なのかは分かりませんが、読んでて非常に刺激を受ける作品でした。こういった知識があるとほかの作品を楽しむ際のベースにもなりますし、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

会社を休むことに罪悪感を感じる人は今こそ「マスターキートン 交渉人のルール」を読もう

$
0
0

先の記事で紹介した2か月前に書いたツイートにちょっとした反応がありました。

多分皆さんもこういう「休まないことの不合理」みたいなのを体感したことがあるんだろうな、と思います。すごいわかる。


なので、このツイートに関連して「マスターキートン 交渉人のルール」を紹介したいと思います。ご存じの人も多いかと思いますが、ぜひ読み返すきっかけにしてください^^


「決められたタイミング以外で、自分の意志で休むこと」を罪悪だと感じがちな日本人

韓国ほどではないにせよ、日本人は休むことを罪悪と感じる傾向が非常に強いです。

f:id:tyoshiki:20190817134050p:plainf:id:tyoshiki:20190817134156p:plain
https://president.jp/articles/-/21568


これは、やはり子供のころからそのように教育されており、その結果会社組織でも「休まずに働く人間が偉い」という価値観が支配しているからでしょう。

なぜ日本では休むことが悪いことなのか。原因は卒業式で皆勤賞を祝っているからだと思った。堂々と有給とりたいよぉ・・・。 - ぼさとの定規

さらに、質が悪いのが、卒業式のときに皆勤賞や精勤賞を祝うということです。例えば、中学、高校の三年間で一度も休まないほうが異常なことだと私は思います。
それは、絶対に行かなければならないということを美徳とし、どんなに体調が悪くても出席をするということです。
発熱をするということは大なり小なり、感染症の疑いがあるはずです。それなのに、休んではいけないものだと主張して、周りに感染することを考慮せず、自分勝手に無理をして出席するとなぜか賞賛されます。


学校教育でも「皆勤賞」と「不登校」の中間が弱く0か1で考えてしまいがちで、学ぶ意思はあるけれどしんどくて全部は無理だって人間はどうすりゃいいんだって思いますよね。

ホワイト企業に勤めてたけど発達障害のせいで適応障害&鬱になって退職した時の話 - 頭の上にミカンをのせる


こういう「皆勤賞と尊ぶ文化」って、決して合理的ではないし、ましてや賞賛されるようなことではない、ということ。「しっかりと休むことも立派な仕事の一つであること」。日本企業や学校教育はこの2点について意識改革をしていってほしいなと思いますね。



なお、日本人は有給休暇を取らないせいで、「祝日」は世界でもトップクラスに多いそうです。そのせいでますます有給休暇を取りづらい雰囲気になっています。悪循環もいいところ。「国民がいっせいに休暇を取る」のは本当に効率が悪いので、祝日を減らしてもいいから有給休暇の日数を増やして消化率100%を目指してほしい。有給消化率95%以上じゃない企業が働きやすい企業ランキングとかになってるの、評価基準がおかしいのでは?


さらに「日本人の休日に対するの考え方」について、文化的・歴史的な背景とかあったら知りたいなと思います

たとえばこんな感じで。
詳しくはもっとあるんだと思いますがそのあたり詳しく説明してくれてる話とか読んでみたいです。

toyokeizai.net

安息日という掟の後ろ盾がないため、日本では未だに、「休む」というのは「働かないこと」というネガティブな定義で、「休み」は権利ではなくて上からの恩恵にすぎない。雇い主やエライ人から「少しくらいなら怠けてもイイよ」と与えられる。ので、休日返上は勤労者の鑑みたいに賞賛される。

一方、安息日文化圏では、怠け者より、安息日を破った者のほうがよっぽど激しい非難を浴びせられる。そういう文化的土壌を何千年もかけて形成してきたのである。現代においてようやく、信仰云々とは無関係に、合理的な空軍や航空会社では、パイロットはフライトミッションの前に必ず一定時間休息を取ることを義務付けられるようになった。

ガンダムでもマチルダさんがアムロに「寝るのもパイロットの仕事のうちですよ」って言ってましたっけね。マスター・キートンでも、ネゴシエイター(人質解放の交渉人)の、任務としての睡眠・休息の義務が描かれていたし。体力的な面だけでなく、状況に応じた的確な判断を下せるように、頭脳の休息もミッションのうちなんですよ。

https://chap-chap3.hatenablog.com/entry/20141122/p1


と、前置きが長くなりましたが、マスターキートンのお話です。


「マスターキートン 交渉人のルール」は初めて読んだとき印象が強くていまだに覚えてる名エピソード

はてなの人はたぶん80%くらいの人が読んでると思われるマスターキートンですが、特にこの「交渉人のルール」の回は人気が高いと思います。

f:id:tyoshiki:20190817135102j:plain
https://chap-chap3.hatenablog.com/entry/20141122/p1

状況は圧倒的に向こう側が有利。しかし、我々と滝田氏の間には信頼関係がある。
そして、われわれの戦略は奇妙に思われるかもしれませんが、誘拐犯との間にも信頼関係を形作ることです。

そう、犯人は血も涙もない。でも信頼しなければならない。
そう……信頼するしかないんだ。

原作だと4巻です。人気が高いせいか単体のエピソードも販売されています。

Masterキートン 交渉人のルール (My First Big)

Masterキートン 交渉人のルール (My First Big)


アニメだと8話。バンダイチャンネルやAmazonプライムで見ることが可能です。もし見たことがない人はぜひ見てほしいです。



私はこの回が格好良すぎて感銘を受けたので、それから何冊かリアルのネゴシエイターが書いた本をよんだほどです。どれもめちゃくちゃ面白かったし、マスターキートンで書かれていることは本当でした。

交渉人って話術とか戦略も大事だけど「チーム戦」であり、NYPDの場合は「決定者と交渉者」は完全に別なんですよね。直接交渉している人が情に流されて決定しないように。

NYPD No.1ネゴシエーター最強の交渉術

NYPD No.1ネゴシエーター最強の交渉術

  • 作者:ドミニク・J.ミシーノ,ジムデフェリス,Dominick J. Misino,Jim DeFelice,木下真裕子
  • 出版社/メーカー:フォレスト出版
  • 発売日: 2005/01
  • メディア:単行本
  • 購入: 2人 クリック: 13回
  • この商品を含むブログ (16件) を見る
ネゴシエイター―人質救出への心理戦

ネゴシエイター―人質救出への心理戦

白洲次郎に学ぶビジネスの教科書

白洲次郎に学ぶビジネスの教科書

こういう「万全の体調で」「チームとして」戦い、そして、成果をあげればそれに報いるという仕組み作りができているは本当に強いなとため息が出ます。よくネットで「生産性」の議論とかになった時、個々人の問題にせず「チームとして成果を上げる方向」の議論がされないのを見ていると本当に情けないなと思う。

なので、みんなもマスターキートンを読んで、子供にも読ませて「大事な時にはしっかり休みを取るほうが正義だ」って考えに今のうちから意識をアップデートしていきたいですね。


日本3大電話交渉マンガって面白いな

「楽屋裏」は読んだことなかったので、kindle unlimited入ってるし読んでみようと思います。

楽屋裏: 1 (ZERO-SUMコミックス)

楽屋裏: 1 (ZERO-SUMコミックス)

「ただ否定して自分だけ気持ちよくなる」のではなく「人に伝わるような形できちんと批判する」のは本来とても難しいし手間もかかる

$
0
0

「誰かに対する批判や悪口」が自分のメインコンテンツになってはいけない - 頭の上にミカンをのせるの続き。

私はよくはてなブログで記事内容を批判されることがあるのですが

・事実や補足情報の指摘(これはものすごくありがたいです)
・自分の基準を満たす有効な批判(こちらについては尊敬すら感じます)

以外はあまり価値がないと考えており、なんというか、批判的なコメントを書くのは構わないんですが「もったいないなぁ」とは思います。


自分も一時期そういうブコメを書いてた時期があったので、そのころの反省も込めて「そもそも批判って難しいよね」という話をします。
(※私がブコメやってた時の評価は散々でした。私には批判的なコメントを書くスキルが全くない)


「有効な批判」「批判的な読み方」についての私の基準

私は「発声練習」ブログや「ズイショ」ブログを尊敬しているので、基本的な思考や基準はそういう人たちから影響を受けています。

たとえば以下のようなことを意識しています

①相手に伝える意思があるかどうか
next49.hatenadiary.jp

そもそも、他人に説明したり、理解してもらう必要がないならば論理的に思考する必要はない。直観や霊感にしたがって何でもやれば良い。でも、他人に理解してもらうため、あるいは納得してもらうためには、自分がどういう理由で、何を、どう考えたのかを相手にわかる形で示さなければならない。

②「批判したいために批判している」だけなのか、それとも批判的読書を心掛けているのか
批判こそが最も正確な自己開示である - 頭の上にミカンをのせる

学生たちは、私達から「なるべく批判的に読みなさい」とか「批判的なコメントをつけなさい」と言われると、どうも相手の欠点や欠陥を探すことを「批判」だと思いがちです。そのような態度で本や報告書に接する場合、ちょっとした欠点を見つけると、「しめしめ、ここを指摘してやろう」と、自分のことを棚上げして、その発見に喜んでしまったりします。そして、「あいまいだ」とか「こじつけだ」といった辛辣な批判をして満足するのです。

問題点を探しだすことで止まってしまっては、「批判的読書」は思考力を鍛える半分までの仕事しかできません。考える力をつけるためには、もう一歩進んで、「代案を出す」ところまで行く必要が有るのです。

知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)

知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)



③批判の要件をどの程度満たしているか。どの程度のレベルか
d.hatena.ne.jp

DH0. 罵倒(Name-calling): 発言者に対する罵倒。
DH1. 人格・属性批判(Ad Hominem): 誰が言っているか(Who to say)に対する文句。
DH2. 言い方批判(Responding to Tone): 言い方(How to say)に対する文句。
DH3. 論拠なき反論(Contradiction): 言っていること(What to say)根拠や理屈を述べず否定する。
DH4. 局所的反論(Counterargument): 根拠、理屈+否定。ただし、議論の主題とつながっているかどうか、反論が成り立っているかどうかは考慮外。
DH5. 局所的論破(Refutation): 論破できているが、もとの発言の主眼点は論破できていない。
DH6. 主眼論破(Refuting the Central Point): もとの発言の主眼点を論破できている。

ブックマークは自分の記録用として使うことが建前上は赦されているので、別にみんながこうしなければいけない、とは思っていません。ただ、書き手としてはブックマークコメントの評価はします。実際にたった100字でも以下の3つの基準ではかると大分明確にレベル差が出ます。ちゃんと見られているということは意識したほうがいいと思う。 

※私は完全に私的な記録用として使っているのでブックマークコメントは非表示にしています。はてなブックマークへのはてなスター機能が消えるまでは表示することはないと思います。



はてなブックマークで批判的なコメントを受けたらこのように対応します

たとえばこういうコメントを受けた時、なんの基準もないと、あまり反応をもらい慣れてない人にとっては心がしんどくなるかもしれません。

さらに言うと、はてなブックマークは「はてなスター」によって人気コメントを決めてしまう悪い仕組みがありますが、仲間内でスターを付けあう人間によって批判的なコメントが上位に来ることがあります。こういう時に自分の判断基準がないと人が傷つくこともあります。

「誰かに対する批判や悪口」が自分のメインコンテンツになってはいけない - 頭の上にミカンをのせる

おっ意識高い系か?

2019/08/16 08:49


しかし、上のような基準があればこういうコメントをする人にいちいちおびえなくて済むようになります。

私の場合、普段はいちいちここまで具体的に意識はしませんし、ましてや指摘もよほどひどいもの以外はわざわざしませんがそれでも漠然と上の3つの基準に従って評価はしています。たとえばquick_pastさんのコメントについては「①自分以外の誰かに自分の考えを説明する意思がない。文章をちゃんと読むこともせずただ瞬間的に思ったことを書いてるだけ②批判したいために批判しているだけでなんの情報もない ③レベルがDH0~DH1のことしか書けていない」みたいな感じで。
こういう風にして評価が低いものは、コメントの重要度を下げます。重要度の低いコメントは無視してかまわないです。あまりにこういう重要度の低いコメントばかりが上位に来るようならまとめてぶった切ったりもします。 徒党を組んで自分の仲間たちのコメントを人気コメントにしたら勝ったつもりになる、サル山の住人がはてなブックマークには結構いますからね。。。

逆に、たとえ口調が悪かったり自分の意見に反するなと思っても、ちゃんとDH5~DH6に相当する意見を述べているような人はむしろ「お気に入り」に入れます。口調が悪くてもDH0ではなくDH5~6になる人もいます。この違いはサル山の住人には理解できないと思いますが、私が彼らの基準に従う必要はないと思うので、私は私の基準で考えます。



自分が気に入らないものを「ただ否定して自分だけ気持ちよくなる」のではなく「人に伝わるような形できちんと批判する」のは本来とても難しいし手間もかかる

私がほかの人に「何かの批判をメインコンテンツにするべきでない」と考えるのは上のような基準があるからです。

一言で言って「難しい」のです。きちんとやろうとするとすごい手間がかかります。

先ほども引用したような、部分的な瑕疵をみつけて、これで批判できた、と思うような人ははっきり言って怖くないです。
むしろ誤字脱字チェックと同じような感じでありがたいとすら思う。

学生たちは、私達から「なるべく批判的に読みなさい」とか「批判的なコメントをつけなさい」と言われると、どうも相手の欠点や欠陥を探すことを「批判」だと思いがちです。そのような態度で本や報告書に接する場合、ちょっとした欠点を見つけると、「しめしめ、ここを指摘してやろう」と、自分のことを棚上げして、その発見に喜んでしまったりします。そして、「あいまいだ」とか「こじつけだ」といった辛辣な批判をして満足するのです。

でも、本当に批判しようと思ったら、相手の文脈まで理解して、主眼をつきとめて論破しなければいけない。ところが、そういうことを丁寧にやろうとすると「アンチ」と冷笑的な声を浴びせてくるのがネットの悪いところです。

批判は手間がかかるし、その上あんまり評価されない。それでは自分自身にはなんの成長もありません。表現力も伸びません。むしろどんどん駄サイクルに陥っていって、タコツボ宇宙にドはまりしてしまう危険性が高い。

「嫌いよりも好きを語れよ」というのは道徳的観点ではなく、効率的・経済的な観点からおススメです

異常のことを考えるとそんなことをするよりは、自分が面白いと思ったこと、自分が今まで経験したことがないことを発信していく方がずっとお手軽だし、自分の世界が開けて楽しいのではないでしょうか。

そういう意味で「嫌いや批判をメインコンテンツにした方が効率が良い」と思ってしまっている人は、「批判って長期的に見たら割に合わないかもよ?」っていうのをちょっと考えてみてほしいです。

ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)

ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)

昨日読んだ本ですが、ちょうどそういう話が書いてありました。この本についても来週のどこかで紹介しようと思います。

「裏世界ピクニック」 未知の脅威だらけの異世界を女の子二人で探検するドキドキ感がたまらない

$
0
0

おすすめ度★★★★(かなり満足度高め)

この野原は、独り占めしたい場所だった。思っていたより怖くて異様な場所だと知ってからも、その気持ちは変わらなかった。
でも、今は。この変な女となら、一緒に遊んでもいいかなと思い始めていた。

seiga.nicovideo.jp


<少女終末旅行><虚構推理><H×Hの暗黒大陸編>などが好きな人におすすめ

二人の大学生女性のペアが殺伐とした異世界をおそるおそる探索していくというお話。ただし雰囲気的にはポストアポカリプスというよりは「怪異」もの。

・異世界召喚とか異世界転移のような一方通行ではなく異世界とリアル世界が地続きになっているという設定の作品。

・裏の世界にはいつでも行けるわけではなく「つながっている場所も時間帯もランダムで、いついけるかわからない」というものであり、主人公「空魚(そらお)」は、偶然にその存在を知る。

・未知の場所だし、謎の怪物がいたりと決して安全な場所ではない

・リアルになじめない空魚は、その「誰もいない未知の世界」にあこがれてるも、ただ、一人では探索する力もないのでただ入り口付近で足踏みするだけだった。



そんな時、向こうの世界で「鳥子」という女性に出会う。彼女は裏の世界で行方不明になった「冴月」という人物を探しているという

主人公は鳥子を避けようとするが、鳥子はなぜか積極的に主人公を誘ってくる。得体のしれない鳥子に警戒しつつも、裏の世界の魅力に抗えず、鳥子に誘わるまま同行するが、「裏の世界」は本格的に踏み込もうとすると思った以上に危険な場所だった。

裏世界ピクニック 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス)

裏世界ピクニック 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス)

www.tyoshiki.com



まさに異世界ならではの「常識外の現象」が起きる怖さ

何をされるんだ?こいつらに。
これが野犬だったら、恐ろしいけど何が起こるかを想像するのは簡単だ。
でもこいつらは……何なのかすらわからない……

この裏の世界は難易度が極端に高い。なんせ全く未知の現象、未知の法則に支配されており、それらを一つ一つ「理解して」対応しないと即座にゲームオーバーになるからだ。


敵も罠も、単純な武装ではまったく歯が立たない。

・くねくね(人の認識を食らう怪物)

・グリッチ(空間異常の罠)

・八尺様

・ホーンドマン&フェイスドッグ&ウォーキングギャロウズ

名前だけ聞いても全く想像できないと思うが、こういった完全に常識外の存在を絵という形でわかりやすく表現してくれている。


こういった化け物たちは、裏世界に侵食された「空魚」の目によって相手を認識し、「鳥子」の手によって実体をつかむことで、はじめて攻撃することができるようになる。そうやってかなりきわどい戦いを繰り広げながら、手探りで裏世界をすこしずつ探索していく。

裏世界ピクニック 2巻 (デジタル版ガンガンコミックス)

裏世界ピクニック 2巻 (デジタル版ガンガンコミックス)



根暗コミュ障のメガネ女と、金髪美少女との友情もの

ところで、最初は世界観の方が気になってそちらに意識が取られがちだ。しかしある程度落ち着いてくると、二人の友情ものとしての側面も楽しくなってくる。

空魚は、得体がわからなかった鳥子のことが分かってきて親しみを感じるようになってくるし、彼女に必要とされることで自分に自信を持ち、心を開いていく。厳しい環境が二人の心を近づけていく。 

この二人の心理について丁寧な描写も楽しみの一つであり、名作「幽麗塔」を思い出させる。

www.tyoshiki.com



いろんな楽しみ方があり、とても満足度が高いです。これはかなりおススメ。



関連作品。
www.tyoshiki.com


なんでGoogle Adsenseちゃんすぐ死んでしまうん?

$
0
0

はてなブログでは「まれによくある」ことらしいんですが、ほとんどの場合にアドセンスが表示されなくなりました。

クローラが [ブロックされた URL] 列に記載されたページにアクセスできず、コンテンツを分析して広告を表示することができません。各ドメインの横のプラス アイコンをクリックして、ブロックされている URL の詳しいリストをご覧ください。クローラがコンテンツにアクセスできないと、広告が表示されないため、広告の収益と掲載率は低下します。[エラー] 列のリンクをクリックしてエラーを修正する方法をご確認ください。

多分この記事も、PCで見たときには記事中アドセンスどころか、記事末の関連記事すら表示されてないと思います。




原因はこちらだそうです。

ホスティングの問題: サーバーの過負荷

Google のクローラがサイトのコンテンツにアクセスする際に、サイトのサーバーが時間内に応答できない場合があります。これは、サーバーがダウンしたり、リクエストによって負荷がかかりすぎて速度が遅くなったりしている場合に発生します。信頼性の高いサーバーやサービス プロバイダを使用してサイトがホストされるようにすることをおすすめします。

google様の起源次第で20分の1以下になるのはさすがに悲しい

今までPVに対して2倍くらいの表示回数があったのですが、今はPVに対して10分の1程度しか表示されていないそうです。
表示されたとしても、クロールがちゃんとできてないので単価がもっとも低いものが表示されるそうです。

当然、アドセンス収益は20分の1以下になっています。


調べてみるとはてなブログでは最近こちらのクロールエラーが多発しているそうです。


要するに、googleさんは「重いページが嫌い」「最近は、はてなブログそのものが嫌い」という傾向があるそうです
今後もその方向は強化されていくのではないかと書いているページもありました。
真偽は確認しようがありませんが、それなりに多くのケースで似たような話がありました。



特に私のブログは、ついついあれこれ説明しようとして引用しまくったり
画像あるほうがイメージつかめてわかりやすいんじゃないかと思ってペタペタはってるので心当たりありまくりんぐ。

対策について

しばらくは画像控えめにして警告が解除されるか確認してみたいと思います。

まぁあれだな。ブログなんだし文章だけでがんばれってことですね、google先生!

「犯人たちの事件簿」読んだ後で「金田一37歳の事件簿」を読むとすごく面白い

$
0
0

金田一少年の事件簿シリーズ好きなので、コミック版は一通りすべて読んでいます。
「金田一37歳の事件簿」も、最初こそなんじゃこりゃ?と思ったものの、やはり面白くなってきました。

www.tyoshiki.com

「17歳の時の金田一少年」はほんとにチートだったよね(笑)

あらためて考えると「17歳の時の金田一」は、推理力に加えて、運や演出力、メンタルやフィジカルまでいろんな点がかなりチートなんですよね。

「外伝 犯人たちの事件簿」ではその点がとても強調されていて面白いです。

と、止められるか普通…このでかいナイフのちょうど柄のギリギリのところを片手で……
俺、今日のために相当鍛えてたんだぜ? 忍者かこいつは!
負けた… トリックでも、フィジカルでも!

つり橋から落ちたのに、思ったより軽傷…… なんで……?若いから・・・?

あいつがなんでこれだけ殺人事件に巻き込まれても平然としていられるかわかる?
シャブをやっているからよ。 私もやってたからわかるの。

「黒死蝶」の時のように、助手役である美雪もだんだんとチートキャラになっていきます。
(4回くらい事件に巻き込まれて瀕死になってるのに心が折れないで金田一についていくメンタルほんとにすごい)

このチートは作者もかなり自覚があったようで、その要素は「探偵学園Q」に引き継がれることになりましたよね。

しかし、そのせいか、最初は犯人たちも「一般人のはずなのに」チートクラスの演技力やスキル持ちみたいな形で釣り合いをとってたんですが、だんだん後半になるにつれ、特殊な経歴をもつ犯人や特殊な舞台装置に頼ることになっていってなんだか「特殊な舞台設定の説明」が中心になって、本末転倒な感じが出始めていました。
途中で何度かライト化路線の試みも見られましたが、それだと今一つ盛り上がらない……という感じで結局最後の方はちょっと失速感が出てたかな、と。

そのあたりの感想は上のまとめからご覧ください。


「37歳の事件簿」は、若さゆえの「怖いもの知らずぶり」や「チート」が失われ、大人ゆえのいろんな制約ができたことで新鮮な気持ちで読めるシリーズに

「37歳の事件簿」はこのあたりを上手にリニューアルしてくれていると思います。

・全盛期の金田一少年と比べれば、いろんな点で制約が多い。
・様々な探偵特権を持っているわけでもないし、様々な無茶をできるわけでもない。
・犯人があんまり隠れてない(以前と違って推理パート前から自己主張が激しい)
・監視カメラなどいろんな技術が発展して「推理」なんて必要あるの?という空気になっている。
・そもそも金田一自身が、あんまり自分が目立って探偵役をやりたくない。

など、以前の金田一「少年」のころに通じていたものがいろいろ通じなくなっている。


でも、だからこそ読者としては、新鮮な気持ちで読めるようになっていると私は思います。「金田一少年シリーズの登場人物」を使った、新しい作品、とい気持ちで受け止められるので、個人的にマンネリというか「高度化」していって読むのがしんどくなってきていた金田一少年シリーズの続編よりも素直に楽しみやすいかなと。
このあたりのアレンジすごくうまいなあと感心します。


その上で、金田一少年シリーズの特徴である、ハウダニットとホワイダニットを明確に分けて読みやすくするなどの仕掛けは健在。
もともと好きだったからひいき目があるかもしれませんが、やっぱりこのシリーズは面白いなと思います。


「京都編」からがいよいよ本番

2つめの事件まではまだファンの反応を試しながらのジャブみたいな展開だったような気がするけれど
3つめの「京都編」からブーストかかってきた感じがするので、非常に楽しみです。


京アニ支援のクラウドファンディングを実施したNPO法人「ANIC(アニメ産業イノベーション会議)」って何者だ?

$
0
0

www3.nhk.or.jp
www.makuake.com

今回のクラウドファンディング実施にあたってはご協力団体ならびに私ども非営利活動法人(NPO法人)ANICがボランティアとして活動し、人的・金銭的コストを負担する形となっております。

これについて厳しい意見が目立ったので、ちょっと調べてみた。

ANIC(アニメ産業イノベーション会議。2019年設立)って何者じゃ?

anic-japan.org

私どもANICは高い技術を持つ日本の「アニメ」と、テクノロジーや異業種企業とのコラボレーションを通じて、さらなる進化可能な産業構造へ発展させていくことを目指して設立されたNPO法人です。

ANICはそのインキュベーションを生み出す有志の中間組織として、ジャーナルを通じて業界内外に広報し、イベントなどを通じてクリエーター、企業、団体に契機を提供します。今回の支援クラウドファンディングは、私たちが持つ技術面の知見・ノウハウが活かせるのではないかと考え企画・運営しております。

HPを見てもいまいちピンとこないんだけど、Studiodomoというサイト関連の人が多い気がします。このメディアもANICさんの運営なのでしょうか?
studiodomo.jp

……なんというか、ものすごい「クールジャパン機構(株式会社海外需要開拓支援機構)」から資金援助をもらえそーな活動やってますね。

www.tyoshiki.com
今回のは活動実績つくりかな。


ANIC参加メンバーはどういう人たち?

理事長 松本 淳(アニメーター・アニメ監督)
副理事長 林 龍太郎(編集者。博報堂)
理事 迫田 祐樹(アニメプロデューサー。Twiflo)
理事 濱中 良(詳細不明。この案件以外にもMakuakeを利用している)
理事 尾﨑 健史(出版&WEBのプロデューサー。株式会社ウォーターマーク)
理事 橘 茂生(JapanAnimeMedia編集部)
監事 佐竹 信彦(熊本でポップカルチャーを通じた町おこしプロジェクトを行っている?)
顧問弁護士 出井 甫(骨董通り法律事務所 For the Arts)

身元はちゃんとしてる……のかな?「骨董通り法律事務所」の取り組みは面白そうだと思いました


ANICが実施してる今回のクラウドファンディングは大丈夫なの?→JAniCA協力だし大丈夫なのでは?

日本アニメーター・演出協会(JAniCA)様ならびにマクアケ様のご協力のもと今回のクラウドファンディングを企画させていただきました。

www.janica.jp

京アニに直接支援できるのになんで別のクラファンする必要があるんですかね?

C-03:なぜすでに寄付口座が開設されているのに、わざわざクラウドファンディングでやるのか?

支援の方法は1つでも多く用意されているべきだと考え、まだ日本では行われていないクラウドファンディングを実施することにいたしました。今回はMakuake様にもご協力いただいたことで、決済手数料を除くプラットフォーム利用料を無料にしていただきました。これによって、 クレジット決済をしたい方など新たな選択肢の1つの方法として開始しております。

ということだそうですよ。クラファンやるような人はネットバンク使えるのでは……?と思うけど私にはよくわがんね。。。



一応手数料については決済手数料以外はかからないようになってますね。本来はPF手数料が10%くらいかかるはずなのでその点はちゃんと配慮されてます。

今回のクラウドファンディングの実施にあたり、JAniCA様には各種ご助言や告知にあたってのご協力を頂いております。また、マクアケ様には本クラウドファンディングのプラットフォーム利用料を無料(決済手数料を除く)とする形でのご協力を頂いております。

なお、今回のクラファンに関して支援のリターンは求めず支援者の氏名掲載と、京アニにメッセージを届けるだけらしいです。

法人だと寄付金控除になる「寄付型クラウドファンディング」に該当するようなので、法人の人が使う分にはいいんじゃないかな?
www.zeiri4.com

現時点では支援をしていただいた個人の方は控除対象にはなりません。(今後、事件の流れを経て変わる可能性もございますので現時点では と記載させていただいております。)他方、支援をしていただいた法人は「一般の寄付金」にあたるので、その仕分けで損金算入いただけます。詳しくは顧問税理士様にお聞きいただいたほうがスムーズかと思います。

個人的な意見としては……

売名の意図がないとは言わんし直接京アニの銀行口座でいいんじゃね?と思うけど、中抜きしたいとかそういう悪意は感じないかな。

①支援したことを証明するために名前をHPに載せたい人とか、
②法人で寄付控除受けたい人

ANICを信用できるなら自己責任で使ってもいいんじゃないかと思います。

そういう目的がないのであれば

①すでに大手が実施してる支援窓口がある(しかも手数料は全て企業もちで100%支援金が渡ることが確認されている)
②京アニに直接できる銀行窓口がある

のだからあえてこちらを使う意味はないと思います。信用するしない以前の問題。自分がどれに当てはまるかよく考えてから行動すれば特に問題ないかな、と。

京アニ、支援金の受付口座を開設 「再建を目指して最善の力を尽くす」 - ITmedia NEWS

ダイタイアンガーの本音は「つまんねーこと言うなよ」

$
0
0

togetter.com
この議論定期的に盛り上がるけど、私自身は問題点を指摘してくれる人はものすごくありがたいと思ってるしそれは何度も書いてる。実際に指摘してもらった問題点に対応する形で記事書き直したりもよくするし感謝することのほうが多い。


一方でダイタイアンガーのひとの言い分も状況によってはすごく理解できる。これって
・「程度の低い批判をする奴(こういう人に限って自分の批判はちゃんと受け入れられるべきだと思ってる)」と
・「言い出しっぺの法則(じゃあお前がやれよと言い出す人の存在。何もしない人間こそいいがち)信者」
の二つが原因じゃないかな。

この二つを追い出すという断固たる意志を示さない限りは「ダイタイアンガー」がなくなることはないだろう。「ダイタイアンガー」の本音はだいたい「レベルの低い批判はやめろ」「もうちょっとちゃんと考えてくれ」というもの。つまり批判者に対する不信だ。基本的にこの発言って売り言葉に買い言葉として出てくるものだよね。

f:id:tyoshiki:20190821115130j:plain

とにかく自分が気に入らない批判を黙らせたいためにいってる人もいるけど、そういう人はもうどうしようもないので諦めよう。



前提

①そもそもダイタイアンガーという意見が出てくるということは、何らかを決断し行動することが必要な状況であるとする。(こういう前提がない状況で当事者でもない人がダイタイアンガーっていう場合はその人がおかしい)

②一切関係のない、コミットをしてない部外者の意見は、コミットしてる人間よりも扱いが低いのは当たり前である。(コミットしてない立場の人間が同じくコミットしてない立場の人間にダイタイアンガーというのもおかしい)

③すべての「意見」を尊重せよ。裏返しとして「意見」のレベルを満たさないものは追放せよ。根拠のないただの感想などはその場において発言権を持たない。


この3つを前提としなければ「じゃあ言い出しっぺのお前がやれよ」とか「ダイタイアンガー」という揶揄的な発言がなくなることはまずないと思う。


議論をするためにたとえばこういうルールに合意しておきたい

①先に議論の目的を明らかにせよ。「議論の目的に合致しているかどうか」などの評価基準がないと何でも言い放題になる。目的が変わるならその都度確認せよ。

②「やらない」「やめる」も立派な一つの選択肢であると認めよ。ただしその選択を主張する場合もかならず根拠を述べなければならない。①にあるように目的が明確でないなら根拠は延べにくい。

③「言い出しっぺがやれ」の法則はやめよ。発言者に過剰なリスクを負わせることで意見を封じるのは、適切な業務アサインがまともに機能していないクソ組織のやることである。心理的安全性を確保せよ。


当たり前の結論

①議論の前のセットアップ(事前準備と合意)が重要。ダイタイアンガーみたい発言が正当性を持ってしまうのは、事前の準備がいい加減だから。ダイタイアンガーという発言が問題なのではなくて、その発言が正当性を持つ状況こそが最大の問題

問題点の指摘や共有は議論の前の準備段階にできる限りやっておくものだと思う。


②暗黙か明示かは問わず、なんの合意もなく議論などできない。この合意を守らない「議論に参加してるつもりのただの野次馬」については、相手にしなくてよい。この手続きを省略するために「礼儀」があるので、合理的な理由として存在する礼儀を守らない人はその時点で軽んじられて当然だと思うべき


ちなみに、ちゃんとした議論できる人って何かしら「ちゃんとした会議」(報告会ではなく会議)に参加したことがある人だと思う。 会議についてはこの本読んだらいいと思う。30分で読める。

すごい会議?短期間で会社が劇的に変わる!

すごい会議?短期間で会社が劇的に変わる!

www.n-links.co.jp

まず「会議には事前準備が必要」という点が軽視されてる組織ではなにをやっても無駄だと思う。




ちなみにはてブは議論でもなんでもないので好き勝手書いてくれていいと思いますが、事実に反することだけは書かないでね。たまにものすごい誤読とか自分の妄想垂れ流したりする人いるけど、それだけはすごく迷惑。

LINEは証券会社より消費者金融やったらいいのでは?(すでにやってた)

$
0
0

LINE証券、LINEオープンチャット大荒れのなか船出 : 市況かぶ全力2階建

にこそくさんは「初心者にはいいんじゃないか?」と言ってるんですが、私は微妙だと思っています。

現在100社しか対応してないし厳選100社とか書いてるけど個人が勝てる株じゃない。「手数料方式」じゃなくて「スプレッド方式」なのが特にきつい。本音として「投信」や「ラップ口座」に誘導する気が露骨すぎやしませんか。

LINE証券使うくらいならほぼ完全上位互換のSBIネオモバイル証券使ったほうがいいんじゃないかなぁ。

SBIネオモバイル証券は同じく1株単位で売買できる上に、上場してる3600以上の銘柄ほぼすべての上場企業を網羅してます。要するに「ちゃんとした投資」ができる仕様になってます。

しかも信用取引が「できない」のでハイレバの無茶なトレードしなくていいしね。手数料については一定額越えるまで「月額200円(200円分Tポイントでキャッシュバック)」と固定されているので、毎月積み立て投資するのであれば実質手数料無料です。



実際に私もここ使ってるので、興味ある人は読んでみてね。
overtheperiod.hatenablog.com

ということを考えると、セルフバックとか口座開設キャンペーンでお金配ってたら口座開設だけはするかもしれないけど、今のところ使う気は全くないですね……。


せっかくなので、最近やたらとアグレッシブなLINEさんの動きについて、簡単に確認しておこうと思います。


LINEの現在の売り上げの9割は広告

LINEはコミュニケーションアプリにおいては覇権を獲得しています。
その圧倒的なユーザー数をもとに様々なビジネスを展開していますが、今のところ売り上げの9割が結局「広告」です。

LINE株式会社の決算/売上/経常利益を調べ、IR情報を徹底調査 - 起業ログ

①広告サービス
・ディスプレイ広告(タイムラインやLINE News等に掲載される広告)
・アカウント広告(LINE公式アカウント、LINEスポンサードスタンプ、LINEポイント等)
・その他の広告(livedoor blog、NAVERまとめ、LINE バイトに掲載される広告)

②コミュニケーション
・LINEスタンプ、クリエイターズスタンプ等

③コンテンツ
LINE GAME、LINE マンガ、LINE MUSIC等

物販はAmazonやYahoo、楽天などに抑えられているせいか現時点ではあまりここには進出していません。あくまでもデジタルコンテンツの販売のみです。LINEマンガは、マンガアプリの中で圧倒的な強さを誇っていますが、このままではただの広告で儲ける企業どまりです。

デジタルの世界でBtoCやってる会社にとって金融サービスは魅力的

LINEは広告依存なので、ユーザー数を考えたら明らかに売り上げがしょぼい。このユーザー数をもっとマネタイズしたいと考えたためにLINEは銀行、PAY、証券という金融サービスに大量の資金を投入することに。

①銀行
LINEとみずほが「LINE Bank」設立へ なぜ2社が新銀行を作るのか - ITmedia Mobile

②証券
最初はSBI証券と組んでやろうとしてたけど
SBI証券、LINEでトークしながら株式発注できるサービス開始 ビジネスコネクト活用で |ビジネス+IT
一時期いろんな媒体でヨイショしてたけど2018年にひっそりと終了

今回改めて自分でやることに。
「LINE証券」サービス開始、スマホで1株数百円から簡単投資 - Engadget 日本版

なお、非課税サービスのNISA・積立NISA・iDeCoの実装については未定。LINE証券は今回のローンチが第1弾としていて、今後も第2・第3弾の新サービスを用意します。

③保険
最短60秒、100円から加入できる「LINEほけん」がスタート | TechCrunch Japan

④スマート投資・ラップ口座
LINE上から手軽に資産運用できる「LINEスマート投資」開始、LINE FinancialとFOLIOがタッグ | TechCrunch Japan

⑤LINE PAY
今までに300億円投資して430万ユーザー獲得。


これ見ると、なぜLINEがこれだけLINE PAYに投資してるかわかるよね

LINE PAYにこれだけ投資してるのは「銀行口座登録済みの見込み客」を増やしたかったからです。もろもろのサービスってめちゃくちゃサービス開始までの手続きが面倒くさいのですが、銀行口座登録済みのLINEユーザーなら、本人確認済みだしサクサク始められます。

今はまだですがLINE PAY残高が使えるようになれば「ほかのサービスを全く検討せずに」こういうところからほかのLINEサービス使ったりすると思います。もし金融がダメだったとしても、他にも物販とかいろんなサービスを始めようとおもったらできないことはない。

なので、これらの取り組みが成功するかどうかは、LINE PAYがPayPayとの競争に勝たないまでもきちんと生き残れるかどうかにかかってると思います。私はPayPayが勝つと思うけどな……。


LINEはDMMの夢を見るか

同じようなことやってる会社で有名なのはみんな大好きDMMです。

意外なことに、DMMってどのサービスも割とちゃんとしてるんですよね。(まぁそれでも私は使ってないからおすすめしないけど、使う人がいてもおかしくはないとは思う。)

いいタイミングでFXを抑えられたのが大きいのかもですけどね。DMM.com証券は2017年に売上高278億に対して営業利益180億と化け物みたいな数字でした。今はそれよりは大分下がってますけどね。
http://www.nisshokyo.jp/disclosure/2017/146.pdf
http://www.jsda.or.jp/kyoukaiin/kyoukaiin/files/1105_dmm_201803.pdf

http://corp.dmm.com/
2019年度 2200億円
2017年度  1700億円
2015年度  1358億円
2014年度  1039億円
2013年度  629億円
2012年度  527億円
2011年度  436億円
2010年度  424億円

f:id:tyoshiki:20190821104921j:plain

これと比べると、LINEの金融サービスって、どれも「オンラインでお手軽に」というだけで、サービスの内容がいいという話を聞いたことがないです。LINEマンガは明らかに他のサービスより太っ腹だから利用者が多いのはわかるけど、LINE金融サービスはやる気があるのかどうかわからない。

私はサービスとして良ければ非上場のDMMだろーがLINEだろーがなんでもいいんですが、今のところLINE証券をお勧めする気には全くなれませんね。

LINEは証券会社より消費者金融などのクレジット企業やったらいいと思う→すでにやってた

普通に考えたら消費者金融みたいなことやったほうがいいと思うんだけど……って思ったんですが。調べたらすでにやってました。 

そりゃそうだよね。私が思いつくようなことを経営陣が考えてないわけがない。

LINE、個人向けローンとスコアリングサービスを提供へ--みずほやオリコと合弁会社 - CNET Japan

LINEがクレジットスコア領域に参入へ、個人向けローンサービス「LINEポケットマネー」も発表 | TechCrunch Japan

両サービスは2018年5月に設立されたLINE Creditが開発・運営にあたり、2019年上半期のローンチを目指していく

ううむ……。
こういってはなんだけど、どんどんYahoo!の二番煎じ感出してくるな……。楽天も含めると三番手の企業感というか。逆に、改めてYahoo!とか楽天ってすごかったんだなっていう気持ちが強くなりました。LINE経済圏作りたいのはわかるけど本当にデジタルコンテンツからなかなか出てこれない感じといい、なんかこう見ててもどかしい。

「ケーキの切れない非行少年たち」感想その0  よんてんごさんが書かれた記事の感想

$
0
0

もともとにゃるらさんの記事をきっかけにして買ってたんだけど

note.mu

私自身が発達障害(ASD)であることもあり、
語りたいことがたくさんありすぎて記事を書くのを躊躇してました。


でも改めて下の2つの記事を読んで、私も何か書こうと思いました。

note.mu

note.mu

みんな、なんだかんだ言って「ケーキの切れない非行少年たち」まだ読んでないでしょ?w

どちらの記事のブコメでも散々話題になっているのに「ケーキの切れない非行少年たち」の内容についてはあまり共有されているとはいいがたいかなと思います。もったいないので概要だけでも記事にまとめたいと思います。



今回はその前段としてよんてんごさんの記事の感想から。


よんてんごさんの記事は数十年前の教育実習の体験について語られたものですが、とても具体的で参考になります。特にこのあたりは実際に現場で体験されないと不気味さがよくわからないと思います。

率直に、言葉を選ばずに言うと、その彼女は他の子と比べ、人に対して異様に接触したがるという"特徴"がありました。
これについてはボランティアの初日から僕も感じていた点ですし、先生たちからも「あの子への対応は気を付けるように」と言われていた部分でした。

具体的にいうと、
・すぐに相手の手や身体に触れることが多い
・会ったばかりでも「私、先生のことが好き~」などの好意を口にする
・「家に来てほしい」「抱っこして欲しい」などなど という点です。

幼稚園ならともかく小学校低学年になっても
異常なまでの甘え癖があり、それが受け入れられないと癇癪を起す子供が
特別教室ではない普通の教室でどういう扱いを受けるか、まで想像してもらうとかなり地獄みあると思いませんか。


残念ながら、現在でもよんてんごさんの頃からあまり変わってない

私はつい数年前まで、不登校児や学習困難を抱えた子供たちの世話をする教育現場に参加していました。今でも年1~2回は自治体が運営している「放課後学習教室」や「特別支援教室」に行っています。

https://www.tyoshiki.com/entry/2019/07/23/180903

残念ながら、現在でもよんてんごさんの記事に書かれた内容からあまり状況は変わっているとはいいがたいです。上の2つの記事について、「知的障害」や「発達障害ではないか」と指摘する人は多かったのですが「じゃあ現場の人はどうすればいいのか?」にガイドラインがまったく存在しないからです。


行政はどちらかというと「貧困層の支援」「居場所のない子供たちへの居場所提供」「虐待の疑いがある子供を親から一時的にでも避難させる」という緊急避難レベルで考えており、子供たちの一人一人のケアまで充実させる余裕はないことが多いです。そのため、特に専門性が高いスタッフが対応するなんてことはなく、むしろ普通の大学生バイトがやってたりします。


それでも、「発達障害」についてはある程度認知が広まったことから、現場の先生は子供たちの世話をする前に発達障害児の支援を行っている企業から「ABA(応用行動分析)」などについて簡易的な研修を受けるようにはなりました。でもこれだけでは到底対応できません。



現場の人間「知的障害かもしれないことが分かったとして、だからどうすればいいの?」

「知的障害」を疑い、それに応じた対応をしたくても保護者に「あなたのお子さんは知的障害ですか?検査は受けましたか?」とはなかなか聞けません。
きちんとしたアセスメントができなければきちんとした対応ができない。現場の先生は手探りでいろんな問題プリントを使ってその子供の能力を見て、なんとかその子のレベルに合わせて教育をしようとしたりといろいろ努力はしています。

ここで問題となるのが親

これもよんてんごさんの記事にも書かれていることですが、親がウンと言わなければ踏み込んだ支援ができないのが現状です。
多くの保護者はとにかく「自分が仕事にいってる間目を離せない子供を預かってくれればよい」と思っていたり、あまり問題を認識していないから「子供のレベルに関係なく、とにかく学校の宿題を終わらせてほしい」と思っているケースが多い。

親もとりあえず「目の前の問題(学校から呼び出されたりすることを防ぐ)」を何とかしようとして子供の根本的な問題について考えられない。ひどい親になると「とりあえず時間まで子供を預かって、子供の宿題を先生が代わりにやってくれればいい」というケースもありました。そういう親に対してその要望に応えずに「いや、この子供たちにはこれが必要なんだ」と言おうものならすぐ退会したりします。「親は子供の教育のためにこういう施設に通わせているわけではない」というのが嫌でもわかります。都合のいい託児所でしかない。そもそも、こういう世帯の親は自治体が提供しているいろんな子供支援策に片っ端から申し込んでいるケースもあります。気に入らなかったらやめることに抵抗がありません。

あと、これはあまり書かない方がいいかもしれませんがが「生活保護世帯&子供が障害を持っている」家庭は意外と裕福なケースがあります。各種補助金などを合わせて、一切仕事してないのに世帯年収が500万をこえている家庭もあります。子供たちがiphoneXを持っていたり、毎日おしゃれな服を着てくる場合もあります。事情を知らなかったときは、バイトの大学生たちが格安スマホプランでiphone6あたりをまだ使ってるのと比較して「どっちが貧困世帯なんだ?」と思うこともありました。子供たちの教育や支援のための補助金は、教育や医療に使われずに計画的でない親によってすぐ子供の服や携帯に使われてしまう。「働かなくても生活に困ってないから、子供たちの将来を考えて教育や治療を熱心に頑張ることもない。自治体からいろんなサポートを受けているのに公務員に対しては高飛車な態度をとる」みたいな人を見て、世の中の不条理みたいなのを感じたりしました。

www.tyoshiki.com



ということを踏まえつつ、「ケーキの切れない非行少年たち」を読んでみましょう。

発達障害や知的障害の子供をお持ちで、かつその子供の将来を真剣に考えている親の方がこの本を読むとかえって絶望する危険があります。


現在、国の制度は「発達障碍者」や「知的障碍者」などの手帳を発行された人にはそれなりに福祉は手厚いです。
しかし、知的障害の検査はかなりザルです。そのためIQが70以上あるが生活や対人関係に問題を抱えやすい人たちや、IQは高いけど遂行機能障害が低かったり認知機能にゆがみがある人は福祉の目からこぼれてしまいます。こういうグレーゾーンの人たちは、社会との軋轢ですり減って、脱落していき二次障害、三次障害、四次障害とどんどん状態が悪化していく。
これに対して本来であれば教育と医療が連携して対応する必要があるのですが、どちらもろくに機能していないというのが現状です。運よく「特別支援学校」の先生に恵まれたりしない限りは、アリジゴクのように下層に追いやられていく危険が高い。
www.tyoshiki.com



このあたりまで読むと本当に絶望しかありません。一方、現実はかなり悲惨な状況ですが、効果のあった支援の実例もあります。本の後半では、知的障害者の抱えてる問題点は何かであるかをしっかりと理解し、どのような支援が必要なのかについて語られています。

どちらかというと、この後半部分だけでもぜひ読んでみてほしいと思います。

次の記事では、本の内容の詳細について簡単にまとめたいと思います。

「ケーキの切れない非行少年たち」感想01  まずは身近なところから「知的障害」についての認知を

$
0
0

「ケーキの切れない非行少年たち」感想その0 よんてんごさんが書かれた記事の感想 - 頭の上にミカンをのせるからの続きです。


最近発達障害については世間でも認知が広まるようになってきて、不十分とはいえ対策が進んできています。


発達障碍者の就労支援を行う企業が上場して売り上げ100億を越える(LITALICO,ウェルビー)程度には、発達障碍者支援については一つの産業になりつつあります。民間によるサービスの範囲もすこしずつ拡大していってます。*1

ネットにおいても「発達障害」特にASDとADHDについてはある程度理解され、配慮も少しずつ進んでいるようになってきたと思います。当事者としてはとてもありがたいことです。


発達障害への認知拡大の裏側で……

しかし一方で知的障害の子供たちについてはほとんど認知が進んでいないようです。それどころか、発達障害の認知が進んだせいで「発達障害や知能検査において引っかからないけれど知的に障害を抱えている人」に対しては「発達障害でもないのに問題を起こす人間」としてさらに迫害が進むことさえある。その結果二次障害、三次障害、四次障害とだんだん悪化していき、どんどん社会から疎外されて行ってついに犯罪を犯してしまう。

そうやって犯罪を犯した知的障害を抱える人たちが、雑に「精神疾患」側につなげられて社会から抹殺されていったり、「家」に閉じ込められてますます状態を悪化させていったり、反社会勢力にしか居場所を見出せずそこで悪行に染まったり搾取されつくして消えていくなどの流れがあるようです。*2

「ケーキを切れない非行少年たち」という本は、そうした現状を踏まえたうえで主に「知的障害」を抱える子供たちの早期発見・支援について情報提供を行うことを目的として書かれているのがこの本です。

以前よりこの問題については「累犯障がい者」などの名著がありますが、「ケーキを~」は問題の指摘だけではなく実践的なケアについて実践例をもとに踏み込んで書かれています。障がい者のケアについては全く知らなかったという人だけでなく「発達障害についてはある程度知っている」という人こそ読んでほしいと思います。


まずは身近なところから「知的障害」「学習障害」についての認知を

この本には発達障害についての記述もありますが、それについては当ブログで書いてきた内容から目新しいことはないので省略します。

この本で主に取り上げられているのは、「知的障害の基準であるIQ70以下ではないが、対人関係などに困難を抱えやすいIQ70~85ゾーンの人」や「IQは85以上あるし発達障害ではないが、遂行機能に困難を抱えている人」といったグレーゾーンの人たちです。

fujiponさんのブログにも詳しく書かれていますがIQが70~85の人口は非常に多いです。
【読書感想】ケーキの切れない非行少年たち ☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言

「軽度知的障害者」をIQ70〜84の範囲と定義すると、人口の14%くらいを占めているそうです。ちなみに、IQ70以下は2%。

もちろんこのゾーンの人がすべて知的障害というわけではないです。しかし、このゾーンにいる少なからぬ人たちが、何らかの問題を抱えているのに「問題なし」として放置されているということになります。

IQの値だけだとイメージしにくいかもしれませんが、こういう感じの人をネットで見かけたことはあるんじゃないでしょうか。

①思考の融通が全くきかない。BOTかと思うくらい特定の案件で決まった発言しかしない

②過剰に感情的で被害妄想が強く、根拠のないレッテルを張るような言動を繰り返す。(感情的であることは誰にでもあるが限度を超えている)

③自分の言動への反省がうまくできず何度も同じ間違いを繰り返す(発達障害のように「自分の問題を認識しているが脳機能的に無理」というのではなく「そもそもそれを問題と感じていない」ところに問題がある)

④自己評価が他人からの評価と極端に乖離している。そもそも自分を省みることを極端に忌避する。

⑤仲間内に対しては過剰なまでに丁寧であいさつも仲間のコメントへのスターも欠かさないがそれ以外の人間に対しては罵詈雑言をまき散らすなど極端な二面性がある
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66631?page=5

こうした人たちに対して「発達障害じゃなくて知能障害なのでは?」という別の視点をもって対応を考えることが可能になるかもしれません。

私たちは医師ではないので診断をしてレッテルを張ることはできないしやってはいけない。そうではなくて「こういう余りにも話が全く通じない人はもしかして知的障害なのかもしれない」という可能性を考慮することでストレス軽減することが目的です。

ネットで遭遇するこの手の人たちは「普通の人」として接するとすごいストレスになります。一方で知的障害の人がどのような特徴を持っているかを知っていれば、こういう人たちは「自分が何をやってるかわかってないし認識する能力も意志もない」ので、普通の人と同じような意識でコミュニケーションをしても無駄だとわかり、少し気が楽になります。


さて問題はここからです。ネットではこういう人とはかかわらない、で済むのですがリアルではそういうわけにはいきません。こういう人たちを放置しておくといろんな問題につながってしまう。これに対してどう対処していくかを考えなければいけません。


さらに詳しく掘り下げたい部分

この本の詳細については今までに読んできた本などを踏まえてもう少し掘り下げてみたいので記事を分けて紹介していきたいと思います。今のところイメージしているのはこのあたりです。


(1)認知能力が不足していたり歪んでいる人間には認知行動療法も効きにくい。まして自分で反省したり改善していくことはほぼ不可能である

どんぐりの家 文庫版 コミック 全5巻完結セット (小学館文庫)

どんぐりの家 文庫版 コミック 全5巻完結セット (小学館文庫)

イジメの時間 (12)

イジメの時間 (12)

花やしきの住人たち コミック 全3巻完結セット (角川コミックス・エース)

花やしきの住人たち コミック 全3巻完結セット (角川コミックス・エース)


(2)知能指数に問題はないけれど遂行機能が低い子供たちは、様々なヘルプサインを出しても「厄介者」として切り捨てられてしまう

放課後カルテ(1) (BE・LOVEコミックス)

放課後カルテ(1) (BE・LOVEコミックス)

VIVO! 1巻

VIVO! 1巻


(3)社会でも刑務所でも助けてもらえずに四次障害までいたるケースも多い。当然受け皿は反社会勢力しかない

「子供を殺してください」という親たち 2巻: バンチコミックス

「子供を殺してください」という親たち 2巻: バンチコミックス

奈落の羊 : 1 (アクションコミックス)

奈落の羊 : 1 (アクションコミックス)

累犯障害者 (新潮文庫)

累犯障害者 (新潮文庫)

獄窓記 (新潮文庫)

獄窓記 (新潮文庫)

老人喰い:高齢者を狙う詐欺の正体 (ちくま新書)

老人喰い:高齢者を狙う詐欺の正体 (ちくま新書)


(4)性加害者の95%が凄惨ないじめ経験者&知的なハンデがある

残酷な神が支配する(1) (小学館文庫)

残酷な神が支配する(1) (小学館文庫)


(5)医療における支援には限界がある。どうしても教育での対応(コグトレによる認知機能自体の向上)が必要だが未だに医療と学校の連携が取れていないため適切な支援ができず投薬漬けにして無理やり押さえつけるような対応になってしまいがち。

生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした (コミックエッセイ)

生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした (コミックエッセイ)

ブラックジャックによろしく (10)

ブラックジャックによろしく (10)



(6)この手の人間はほぼ確実に自尊心が低いがそれ自体は問題ない。自尊心や自己肯定感が低いというのはネットでもよく言われる話題だが、本当に問題なのは自己をただしく認識したり受容できないこと。



(7)こういった知的障害を抱える人たちに対して効果があった支援とは何か。どういう出会いや支援があれば当事者は助かるのか

新装版 光とともに・・・~自閉症児を抱えて~<誕生・幼児編/保育園編> (ACエレガンスα)

新装版 光とともに・・・~自閉症児を抱えて~<誕生・幼児編/保育園編> (ACエレガンスα)

入門特別支援学級の学級づくりと授業づくり (ヒューマンケアブックス)

入門特別支援学級の学級づくりと授業づくり (ヒューマンケアブックス)

1日5分!  教室で使えるコグトレ 困っている子どもを支援する認知トレーニング122

1日5分! 教室で使えるコグトレ 困っている子どもを支援する認知トレーニング122


www.tyoshiki.com

*1:※私が知る限り、現場の人は頑張ってるんですが、いろいろと課題があると感じるんですけどね。特にジュニア部門の人材不足……。

*2:これはただの憶測ですが、そういう今まで社会的に黙殺されていたはずの人が表に出てきて徐々に社会問題として認知されつつあるのが最近連続して起きている事件なのかもしれません。将来的に「クマ射殺問題」のような形でこういう人たちの扱いが問題になるかもしれません。実際京アニの件に関して「糖質は生きてても仕方ないからコ□セ」という意見が一定の支持を受けるなど殺伐とした空気になっていました。「社会的に認められてない理由で普通の人と同じができない人」への不寛容はさらに加速しているのかもしれません


「ケーキの切れない非行少年たち」感想02  認知が歪んだり能力が不足して「反省以前の状態」の子供たち

$
0
0

の続き。

各論について述べていきます。今回はこの部分について。

(1)認知能力が不足していたり歪んでいる人間には認知行動療法も効きにくい。まして自分で反省したり改善していくことはほぼ不可能である

この部分は「ケーキの切れない」でもかなり強調して描かれている部分です。


悪いことをして痛い目にあっても「自分の何が間違いだったのかわからない」「何について叱られているのかわからない」それどころか叱られて屈辱だったという認識しか持たず被害者意識だけを募らせていくという人間はいます。



これについては、叱る側のコミュニケーション能力にも問題があることが多いです。大人たちは大人たちで、たとえばこの本を読んだりして勉強するべきだと思います。

①あえて「少なめ」に言うことで、子供がどこまで知っているかどうかを確かめる
②大人は急ぎすぎる。子供に「理解し、行動するまでの時間」を与えよ
③他人がいう「こうすべき」をうのみにせず、ほかならぬ自分の子供を理解しようとすることがすべての基本

子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方 大全

子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方 大全


「きちんと反省する」というのは結構高度なコミュニケーション能力が必要で、認知能力に問題がない大人でも相当難しい

しかし、認知能力に不足やゆがみがあって、そもそも相手が何について怒っているのかが全然わからない人がいます。

というか、日本人は「問題ごとそのものを嫌う」→「問題が起きたら原因も何もきちんとわかってないのに当事者はとりあえず形だけ謝る」を強制する文化が強すぎる気がします。そのためきちんと反省するというプロセスが身についてない人がいます。

謝るということがどういうことか、その意味も効果もしらず、なんとなく屈辱だと思っている。とうぜん、おさえるべき要点もわかっていないから頓珍漢な謝罪をして問題をよけいややこしくして謝罪に「失敗」する。その過程で誤学習を行ってしまう。

この記事では北条かやさんを例に挙げていますが、明らかに大人になってもまともな謝罪一つできない人は、結構見かけます。

というかさ。ぶっちゃけあらゆることに「反省」して「行動を改善」できるってめちゃくちゃ高度なスキルだと思います。これが完璧にできる人って5年もすればパーフェクト超人になれるでしょ。私だって、いまだに対人関係でまともなコミュニケーション取れないし、やせたいと思ってるのに毎年夏は食いすぎるし、英語の勉強は続かなかったし全然ダメじゃん。

認知能力に全く問題なくたって、そもそもきちんと反省するってすごく難しいんだよね。


まして認知能力に問題がある人に「反省」を求めるのは無理があるのに「反省」を要求しても余計にこじれてしまう

認知が歪んでる人間ってどのくらい歪んでて、しかもそれに自覚がないかということなんですが。これについて私が最近読んだ中でもっともおぞましいと思ったのが「いじめの時間」のいじめ加害者です。

最近になって「いじめられる人間よりいじめをやる人間のほうが精神や認知に大きな問題を抱えていることが多く、警察もそうだが医療や特別支援教育と接続する必要がある」と言われるようになりましたが、この漫画のいじめ加害者はまさにそんな感じです。

認知が完全に歪んでる。反省する機能そのものが存在しないといってよい。

https://www.tyoshiki.com/entry/2018/11/03/142519

この作品のいじめ加害者はただただ「自分もつらかった」ということしか言わないのだ。「自分がやったことがどれだけ主人公を傷つけたか」「どれだけ主人公が苦しかったか」ということを一切考えない。

そもそも、今まさに自分が自分がやった行為を「お前がやったことだ」と言われて体験させられているのに、そこまでやっても「自分がやったこと」について考えない。ひたすら「自分がつらかったこと」だけを語る。「苦しかったから仕方がなかった」とか「俺のしたことは報いを受けるべきことなのか?」と語る。今まさに復讐されているのに、なぜ自分がこんな目にあっているのかちゃんと理解できてない。目の前にいる自分がいじめてきた人間のことをまともに見ていない。

自分がやったことを正確にやり返されても、全然、これっぽっちも、自分がやったことが悪かったと思っていない。自分がやったことは「正当な行為だった」と考えている。なのに自分がやられる側にいるのは不当だという

自分が同じ目にあってなお自分がやったことが悪かったと思えないのだからお手上げです。この状態で「反省」なんて無理です。


これはマンガの話ですが、実際にネットでよく見かける「謝れない人」というのはこのレベルの受け答えになっていることが多いと感じます。「反省したほうがいい」ということはわかっててそれっぽいことを言うけど完全にズレている。こういう人に「反省」させようとしても、その機能そのものが壊れているかそもそも最初からないと考えるべきでしょう。

反省できない人が反省できるようになるまでのステップについて

「ケーキ~」ではこれについて3章および7章で対策を考えています。

矯正教育は、本人たちの発達レベルに応じた見る力や聞く力といったもっと根本的な認知機能の底上げから始める必要があります。

ところが、現在の矯正教育では本人の理解力などあまり考慮しません。ひたすら矯正局から指定された難しい教材を黙々とやらせていることが多いのです。少年たちもわからないと答えると叱られるので、わかったふりをしているという状態なのです。

同じことは学校教育にもあてはまります。
悪いことをした子がいたとして、反省させる前にその子にそもそも何が悪かったのかを理解できる力があるのか、これからどうしたらいいのかを考える力があるのか、を確かめなければなりません。もしその力がないなら、反省させるよりも本人の認知力を向上させることのほうが先なのです。

として、認知力向上のために前段階として3つのステップを考えています

①認知機能をアセスメントした上で、必要なコグトレ(覚える・数える・写す・見つける・想像する)を行う=小学校5年生レベルの勉強ができるスキルを身に着ける

②感情の把握・制御のためのワークを行う

③特に加害行為の原因となる怒りの背景やパターンを知るワークを行う

こういった前段階を踏むことによって、ようやく自分の感情と思考が区別できない=「反省すらできない」「認知行動療法が効果を発揮しない」という状態から抜け出せます。そこからようやくコミュニケーションが可能になるというわけです。


現実的にはかなり絶望的

実際にはさらに「不適切な自己評価」「SSTの不足」などいろいろな問題があって支援には困難を極めます。

そもそもこういう人たち、今まで勉強全然できなかったので勉強自体がめちゃくちゃ嫌いなんですよね。そういう人たちにおとなしく勉強させることがまずきわめて困難です。それこそマンツーマンレベルの体制で取り組まない限り難しい。一人一人にそれほどの手間とコストをかけることは現実的とは言えないですよね。

結局学校のように「1対多」で「型どおり」の教育プログラムが実行されるケースがおおいというのが現状になってきます。特別支援学級は先生の負担がすごく高いです。なかなか「シーラ」のようなケースは難しいようです。

タイガーと呼ばれた子―愛に飢えたある少女の物語

タイガーと呼ばれた子―愛に飢えたある少女の物語

今回の記事だけでも気分がめいりますが、現実的にはそもそも「認知に問題がある」と周りに気づいてもらえるだけでも幸運なレベルだというのが次の話になります。

(2)知能指数に問題はないけれど遂行機能が低い子供たちは、様々なヘルプサインを出しても「厄介者」として切り捨てられてしまう

最近ネットで話題になってる何もかもが他人事としか思えなくなってきた

$
0
0

いや、最初からずっと他人事だったんですけど。

なんで僕はネットの向こうの自分と関係ない人について毎日結構なリソースを費やしていろいろ考えてたんだろうか


結局「ネットの話題が面白かったから」と、「自分自身がつまらない人間だからネットに面白いものを求めるしかなかったから」だと思う。


「面白い」から「自分事」としても考えてみるって感じだったのに、


長いことそうやってネットの話題にいちいち反応する習慣が続いてるうちに、


だんだんそれに慣れ過ぎてて面白くないものについてまで無理やり自分事として考えてわざわざ自分の意見書いてみたいなことをやってたような気がする。


最近「~がおかしい」とか「~がつまらない」みたいなことまでいちいち書いてたよね。


すごい今更だけどよく考えたらこれ相当やばい状態なのだわ……


自分と関係なくて特に面白くもない話は別にいちいち私が気にしてどうすんだと。



それぞれが自分にとって面白いと思ったことをネットに発信していくからネットが面白くなるのであって



私みたいに消費したり批評するばっかりで、「最近のネットはつまんねー」とか言ってるのもぅまじ不毛すぎ……



何々がつまんないみたいなことを言ってる私がネットをつまらなくさせてたんだわさ……。



この時間、もっと自分が好きなマンガとかゲームとかリアルの付き合いとかに回せばいいじゃんになってきた。





とりあえず「毎日ブログ更新しなきゃいけない」はやめとこ

最近ネット見てるより他のことをしてる方が楽しいと思うことが増えてきてて。


そうするとなんで私わざわざ頑張って毎日ネット見てブログ更新してってやってるんだろうって気持ちになってきて



でも毎日ブログは更新しなきゃみたいな謎の使命感みたいなものが感じてふらふら低空飛行してて



なんかブログに目標でも持たないとだめだと思ってAmazon以外のアフィを始めてみたりしたけどなんか性に合わない……。




というわけで最近無駄に迷走してたんだけど、ちょっと仕事以外についての優先度はちょっと意識して変えていこうと思います。



例えば、まだまだしょぼいのでブログに書けるようなことはないんだけど、最近は筋トレが楽しいです。



今twiterの株クラスタでは、絶賛市場が停滞してる中「ダンベル何キロ持てる?」がヒットしたこともあって局所的に筋トレブームなんですよ。



ダンベル何キロ持てる? (8) (裏少年サンデーコミックス)

ダンベル何キロ持てる? (8) (裏少年サンデーコミックス)

TVアニメ「ダンベル何キロ持てる?」OPテーマ「お願いマッスル」/EDテーマ「マッチョアネーム?」

TVアニメ「ダンベル何キロ持てる?」OPテーマ「お願いマッスル」/EDテーマ「マッチョアネーム?」

  • アーティスト:紗倉ひびき(CV:ファイルーズあい) &街雄鳴造(CV:石川界人),街雄鳴造(CV:石川界人)
  • 出版社/メーカー:メディアファクトリー
  • 発売日: 2019/07/24
  • メディア: CD
  • この商品を含むブログを見る



マラソンも30台に入ってから始めて何とかフルマラソン完走できたことだし、おっさんになってから腹筋割るのに挑戦してもいいよね。



というわけで、私以外にとっては完全に他人事でしかない息抜き用の記事でした。



今日はこれでもうPCの電源は落としてネットサーフィンもおしまい。


没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術

没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術




あくまでちょっと力抜いてやりましょうというだけで文章書くこと自体は好きなので
もちろん今後もブログは続けるし「ケーキを~」の続きとか投資ブログの方も続き書いていくつもりですのでよろしくお願いします。

「JUDGE EYES」の着せ替えコーデパート部分 ぜひ女性の方の感想を見てみたい

$
0
0

www.nicovideo.jp

ニコニコ動画で唯一全部見てる実況プレイ動画シリーズ。

とにかく実況者が心の底から楽しそーにプレイしてて見てるこっちもニコニコしてしまう。


ゲーム自体はシリアスなストーリーなのにネタ要素満載で実に実況向き

主人公がキムタクそのものということでネタに走った「龍が如く」かな?と思いきや

めちゃくちゃストーリーしっかりしてて面白いです。



今Part8まで進んだところまで見た範囲までだと

最初は神室町で起きた殺人事件の弁護から始まります。

それは割とあっさりと解決されますが、物語はここから複雑になってきます。

この事件は、地元の暴力団の勢力争い、製薬会社をめぐる利権争いなどと絡み合っていき、

さらにキムタクが3年前にかかわって、今でもトラウマとなっている殺人事件とも関与していることが分かってくる。

いろんな事件が何重にもつながっているんですね。

そうやって戸惑っているうちに、キムタクの身内の人間までが殺人事件に巻き込まれてしまう。




ここで、キムタクは身内のリベンジと自分の過去の払しょくのために本格的に事件の捜査に乗り出す……

という展開になっていて、キムタクの行動の動機がしっかり作られているし

盛り上げ方もとてもよくできているのでものすごく感情移入できますし、

それでいて、おバカなネタもたくさんあって飽きずに楽しめる。




しかし、こんな面白いゲームでもなかなか自分ではもう自分ではやろうと思えないんですよね……完全に枯れておる。

そんな私でもこの実況者さんが一つ一つ心から楽しんでる様子を見せてくれるので、

なんか久々に、やっぱりゲームってすごい面白いんだよなー。作ってる人すごいよなー!って素朴な感情を思い出させられてすごく気持ちが良いです。

JUDGE EYES:死神の遺言 新価格版 - PS4

JUDGE EYES:死神の遺言 新価格版 - PS4


作品中に登場する女の人を1日キャバ嬢としてキャバクラに潜入させる展開で大盛り上がり

前置きが長くなりましたが、今回見てほしいのはこのゲームのある部分だけです。

ゲームの途中で、とある女性を情報収集のために「1日キャバ嬢」として潜入させる展開があります。

この時に、普段は決勝っ気が全くない女性を、プレイヤーが着飾らせ、メイクさせて店に送り出すシーンがあります。



このシーンで、実況者さんがかつてないほど盛り上がってて大爆笑しました。

それがこちらの動画。

www.nicovideo.jp

この実況者さんアパレル関係の人なのかな?

めっちゃ早口で女性のおしゃれについて語ってるんですが、正直よくわからんwwww

でも、そういうのが楽しくて楽しくて仕方がないってことは伝わってきます。

実際、ビフォーアフターがすごくてなんにもわからなくてもすげーー!ってなります。

f:id:tyoshiki:20190826220720p:plain
ビフォー

f:id:tyoshiki:20190826220834p:plain
自分のキャラメイクの説明で5分くらいめっちゃしゃべっててすごい



是非この動画の後半の着せ替え&メークシーンだけ見てほしいです。 特に女性の方!

この変化を女性から見たときに「このくらい大したことない」なのか「わたしならもっと上手に変身させられる」なのか。

そのあたりの感想をぜひ聞かせてほしいなと思います。




こんな感じで男にも化粧楽しそうやん!とかすげーって思わせてくれるコンテンツもっとみたいです。(自分がやるという意味ではない)

いじめ対策については、クラスの担任教師の責任はいじめの発見と防止までにして、そこに注力できるようにしてあげてほしい

$
0
0

ja.wikipedia.org

NTSBによる事故の調査結果は、その信頼性を高めるため報告書として一般公開されることが原則となっており、しかもこれを民事訴訟で証拠として採用することは法律で禁じられている。理由は当事者からの証言を得やすくするためであり、また、NTSBを法廷闘争に巻き込まれないようにするためでもある。ただし、事故の分析、原因、勧告などを除いた「事実背景」については証拠採用が認められている。なお刑事訴訟での使用については特に規定がなく、過去には証拠採用された判例もある。
そもそもアメリカでは「故意の破壊行為」またはそれに近い「認識ある過失」がない限り、事故機の操縦や整備に関わっていた個人に対しては刑事責任や民事責任を問わないことが原則となっている。これも(自己負罪拒否特権を外すことにより)当事者からの証言を得やすくするためである。ただし、事故を起こした航空会社が司法による犯罪捜査から免責されているわけではない。また、個人に刑事責任を問わないのは雇用者である航空会社が個人の責任と補償を請け負うことがそもそもの前提になっているからであり、原因究明と再発防止こそが至上課題という姿勢が明確に現れている。また個人に対して刑事責任が問われないといっても、問題を起こした個人が当該職務から外されることはありうる。



これはえぐい。まるでブラックジャックで死刑囚が一度助けられてもう一回死刑執行されるみたいな拷問じゃないですか……。しかもいじめられる生徒は犯罪者じゃないのに……。 自分が同じ立場でも、もう一度リンチで殺されることが確定しているならその前に自殺したくなるかもしれない。


いざいじめが発生した際には、絶対にその教師だけではいじめ対策はできない

その教師を批判するのは簡単だけど、問題なのは学校だろうと思う。
いじめが起きたとき、その教師には担当するクラスあるいは特定の生徒が荷が重かったからいじめが起きていると考えるくらいでいい。能力が及ばない教師が頑張って何とかしなければならない、とするインセンティブ設計だと上のような子供を無視したうわべだけの解決に逃げざるを得ない。そしてそれすらも許さないというひたすら「正しい」意見を言ってれば、マスコミや保護者やはてブ民は満足かもしれないが、教師になりたい人は減る。私は教師やめました。

www.nikkei.com





https://blog.tinect.jp/?p=37119

「いじめってクラスの雰囲気が悪くなる、みたいに思ってる人多いでしょ」
「うん」
「あれウソ。少なくとも教師の側から見ると、むしろいじめがあった方がクラスの雰囲気がよく見えたりする」

教師がちゃんと見てないと、「いじめが発生してるクラス」を「仲良く協調出来ているクラス」に誤認したりする。ヘタをすると、いじめられてる子を先生まで異分子扱いしたりする。それでいじめられてる子はますます絶望する

先生からすると、いじめられてる子の方が「クラスの和を乱す存在」に見えかねない

これはガチ。

いじめをおこなうかどうかはともかく、リーダーシップを取ってクラスを制御してくれる生徒というのは、自分がリーダーシップをとってクラスにいる生徒と良好な関係を築くことに困難を感じている教師にとって非常にありがたい存在だ。気弱な先生ほど頼りにしてしまいがち。

問題はその生徒が善良かどうか。良くないタイプだったときに、そこに依存したり共犯関係を築いてしまう教師は絶対に多い。


わかりやすい例でいうと「ミスミソウ」に登場する先生。「聲の形」や「三月のライオン」もそう。

ミスミソウ 完全版(上) (アクションコミックス)

ミスミソウ 完全版(上) (アクションコミックス)

映画『聲の形』Blu-ray 通常版

映画『聲の形』Blu-ray 通常版

3月のライオン 7 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 7 (ヤングアニマルコミックス)



クラス運営において教師が秩序を保てない場合、別の形で秩序を保とうとする存在が出てくるが、その存在が果たして良い運営をする保証は全くない。んで、秩序レベルが低い場合「暴君」が少人数のいけにえをもとに支配する形式を選択しやすいのは「自殺島」でも「7SEEDS」でも描かれている。というか田村先生はこのテーマ好きよね。

自殺島 1 (ジェッツコミックス)

自殺島 1 (ジェッツコミックス)

7SEEDS(1) (フラワーコミックスα)

7SEEDS(1) (フラワーコミックスα)

一度こういう形で秩序が出来上がって、生徒たちがそれに適応してしまったら、体制が変わらない限りは絶対にどうしようもない。外部からはおかしくても、内部にいる人間からしたらそれがベターだと考えてしまうようになるからだ。もうこうなった時点でクラスをコントロールしているのが教師じゃなくなっている。



と、こんな感じで根本的な問題は教師の能力不足でクラス運営が適切に行われなかったことが問題なのに、そこでさらにいじめという問題が起きてさらに難易度が上がっているのだから、もうその教師に対策できるわけがない。

「いじめっ子への対処ができる人」がいないと解決しない

私は、いじめを行う人間こそが治療対象であり、ここのトリートメントが最優先で行われる必要があるという立場ですが、これは上述のような状況を作った先生にはほぼ不可能です。

<発生前の対策>
最弱な子を避難させても残った中の次の最弱な子がターゲットになってしまうだけ。どうしたって必ず最弱な子はいる。対処すべきはイジメをしてしまう強い子。

・イジメが起きてしまったらもう弱い子を避難させるしかない。もし避難させなかったら、その子が死ぬまでイジメは続く。集団にイジメのスイッチみたいなのがあって、それが入ると私では止められない。

<発生後>
イジメがすでに起きてしまったら、何よりイジメられている子をケアする。

これは学校内だけでいじめ防止ができなかった先生だけではほぼ不可能。いじめられている子のケアというのは保護者対応も含むからだ。子供に対しても遠慮してしまう教師にこの対応ができるようならそもそもいじめは起きてない。


営業でいうと「新人が、自分のレベルでは対応できない難易度の高い顧客にあたった」状態

まともな会社であれば、会社全体としてフォローする。先輩が助けるか、その顧客からその新人は引き揚げさせるなど。そうしないと会社にとっても損害が拡大する恐れがあるから。

会社の利害と新人の保護が利害として一致していればそれほど大きな問題は起きない。

一方、学校は子供の人命や将来がかかっているためよりこの法則が徹底される必要があり体制がつくられている必要がある。皆さんのイメージだと「三月のライオン」のような断固とした対応が求められるところだろう。

だが、実際はそうなってない。「対応しなかった教師」が責められたり「学校」が過剰に責められるため最悪隠ぺいのほうにインセンティブがかかるようになっている。

「いじめ発生時に学校を代表して対策を行う先生」が必要だがこれが上手くいかない。誰もやりたがらないから一般に「生活指導」の先生がこれにあてられることが多いですがこれはNG。「生活指導」の評価とバッティングするため。完全に別の先生がアサインされていることが望ましい。

そもそも、いじめに関しては防止に努力はするがいざ発生してしまったら発見に注力し、そのあとはいったん教育委員会にゲタを預けるという話でもいいじゃないかと思う(発覚した時点で報告する必要がある)。

ここの「報告」の段階で、生徒よりも教育委員会をむいた行動になってしまったりするので「発生してしまった後の対応は、学校ではなく教育委員会こそが責任主体である」という常識になってほしい。

どうでもいいが、私は「警察を呼べばいいだろ」しか言わない思考停止した人は嫌い。それだけで問題に対応できると思ってるのであれば子供たちをなめすぎ。そこは文科省のガイドラインに従って粛々と対応すべきだろうと思ってる。


平成31年3月29日 いじめ問題への的確な対応に向けた警察との連携について(通知):文部科学省
もちろん文科省も警察との連携は推進していってる。今後も注目している。

いじめ対策ガイドラインや解決事例も読んでおきたい

いじめ対策推進法によって学校でもこうした体制作りは進んできている。HPで体制を明示している学校も増えてきた。今学校で子供たちのために踏ん張っている人たちは尊敬している。

保護者の人向けにはPTAがこういう冊子を出しています
http://www.ngtknpta.jp/27HPdata/izimehandobukku27.9.9.pdf
http://www.nippon-pta.or.jp/common/amcpoa00000008mt-att/rkra7f000000045a.pdf


素人の感情論じゃなく、プロによるベストプラクティスがもっと読みたい。

今更だけど「鋼の錬金術師」について語りたい

$
0
0

「痛みを伴わない教訓には意義がない
 人は何かの犠牲なしに何も得ることなどできない
 しかしそれを乗り越え自分のものにした時
 人は何にも代えがたい鋼の心を手に入れるだろう」

もう連載開始から始めると18年たちましたが、今からしてもこれほどまでにキャラの魅力(ミクロ)と世界の問題ががっちりかみ合った作品はやはり稀有だと思う。


これだけの規模の物語が27巻で完結してるというのがまずすごい

メインキャラクターの描き方が魅力的なのは言うまでもないですが特にすごかったなと思うのが後半になってキャラクターが大量に投入されて以降。

話の舞台や物語のスケールが急激に拡大すると、
・新キャラや新舞台の紹介などで話が冗長になったり(3×3EYES、Reゼロ)
・テンポを重視するあまり新キャラや世界設定が弱くなったり(パッと思いつかない)
・ひどい場合は使い捨てキャラが連発することことが結構あります(Innocent Grey作品)

このあたりトレードオフの関係になっててなかなか難しいと思いますが、

ハガレンの場合、作中のアルのセリフにあるようにどちらかを切り捨てることを良しとしない。作品のテンポも多くのキャラクターをしっかり描くことも両方きっちりバランスをとって両立させている。世界の設定側はフワッとしているものの、キャラクターにたいしては手抜きが感じられない作りで最後まできっちり絡んできます。


その上で中だるみなく27巻というボリュームできっちり終わらせている。このバランスがまじですごいなと思う。


超王道のストーリーをベースにして徹底的にベタ目線で描き切ったところがすごい

この作品のストーリー構成自体はめちゃくちゃ王道ど真ん中だ。

「神話の法則」で語られたメインプロットを並べるが、序盤を除いて大まかに法則通りに並んでいることがわかる。

物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術

物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術

  • 作者:クリストファー・ボグラー,デイビッド・マッケナ,府川由美恵
  • 出版社/メーカー:アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2013/09/26
  • メディア:単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログ (7件) を見る

三幕構成の話 - 頭の上にミカンをのせる
「ジョジョリオン」は三幕構成がしっかりしていて13巻から加速度的に面白くなってきているっッ! - 頭の上にミカンをのせる

<第一幕 別離>
①日常世界
②冒険への誘い
③冒険の拒否
④賢者との出会い
⑤戸口の通過

→特別な世界へ

⑥試練、仲間、敵

⑦最も危険な場所への接近

<第二幕 試練>

⑧最大の試練(ミッドポイント)

<第二幕後半 イニシエーション>
⑨報酬
⑩帰路
⑪復活(クライマックス)

→もとの世界・日常へ

<第三幕>
⑫宝を持っての帰還(大団円)

読者の方は、一つ一つ説明しなくても、この項目を見ただけでそれぞれがどの部分か全部説明できるだろう。そのくらい一つ一つの展開がわかりやすいのがすごい。


「ネタとメタとベタ」において、メタとベタを対立させ、番外でネタを満たす完璧な構成

つまりストーリーの流れ自体はよくあるのだが、何がすごいかというと、私は「善悪の対立」ではなく「メタとベタの対立」を描いた物語であるところが大きいと思う。この作品がほかの作品と圧倒的に違うのはびっくりするくらい描写が「ベタ」側に寄ってることだ。あえて厳密に言葉を定義しないが、メタは「現実よりもイデオロギーや理念重視になっていること」、ベタは「理念や思想よりも目の前に存在する事象などを大事にする」こととする。

話の面白さはネタとメタとベタすべてが必要みたいな話を「銀魂」かなにかで聞いたことがあるけど、この作品にはそれ自体を物語にしちゃってるという感じ。

この作品は善の主人公が悪を倒すという話ではない。

最初とある目的のために「錬金術」というメタの世界に踏み入れた主人公たちが、最終的にベタの世界を選択して帰還するという話であり、このメインプロットではないフレーバーであるテーマの部分がすごく面白い。


このテーマにおいて主人公の設定が秀逸すぎる

主人公のエドとアルは「能力的には錬金術が使える=頭もよいし等価交換という原則を受け入れてメタの世界に適応している」が、「精神的には子供=ベタの世界の住人」である。もしこれが大人であれば、目的に向かってわき目も降らずに邁進することもできただろう。しかし子供であるがゆえに目の前で起きるイベント一つ一つに心を揺さぶられる。このアンバランス感が素晴らしいのだけれど、さらにそのいびつなあり方を、視覚的に一発でわかるようにデザインしている。正直一話の時点で完成度が異常に高くてがっつり心をつかまれた人が多かったと思う。
「この第一話がすごい!」って思ったマンガやアニメ作品について - 頭の上にミカンをのせる

こういうアンバランスな主人公が、メタの世界でいろんな体験をし、葛藤しその中で何が一番大事なことであるかを「選択」する。この大筋のプロットラインが完璧に出来上がっている。*1
※余談ですが、このエドとアルの流れの真逆を行くのが「デアボリカ」というエロゲーなのですが名作なのでぜひプレイしてみてほしいです。


シンプルなテーマを一切ブレさせず、登場人物たちもみなこのテーマに沿っている

ここまできっちりしていると、そのあとの展開も非常にわかりやすい。
すべての登場人物がメタとベタの対比を意識して非常に明確な意味づけをされているからだ。
だからたくさんキャラが出てきてもかならず主人公との関係において意味があるので迷わない。

・家族よりも国家錬金術師としての義務を優先してしまったタッカーさんとか。
・大人としてメタを目指すといいながら身内にこだわりすぎるマスタングとか。
・イシュヴァール戦役において敵味方を超越して目の前の負傷者に寄り添ったロックベル夫妻とか。
・「メタ」の害悪を示すために、国家の上層部の人間がやたらと露骨に「人間を数としか見ない」というコテコテの冷血&無能として描かれていたりとか。
・「ベタ」の象徴として女性たちが非常に強いのもこの作品の特徴だと思う。エドとアルに決定的な影響を与えるのはすべて女性であり、マスタングも女性副官に支えられていたりする。
・父親はメタな面で世界を救うという目的があったのにその達成のための手段がどこまでも地道なベタに徹していたこととか(ただしどうしても家族だけは捨てざるを得なかった)
・人を越える存在として生まれつき己の在り方を「メタ」的な概念で規定されてながら、人の魂と共生するうちに人に近いところに寄っていたラースやグリードとか。
・圧倒的な力を持ち、メタ視線で人を見降ろしながら人にあこがれるベタ要素を隠せなかった「うしおととら」の百面みたいなラスボスとか

「うしおととら」 みなさんにとって印象に残ってるラスボスって誰ですか? - 頭の上にミカンをのせる
ランス10は「これしかないラスボス、これしかないストーリーの結末」を描ききった傑作 - 頭の上にミカンをのせる

テーマがこの「概念としての力(鋼のイメージ)か、それとも人か」とシンプルに規定されていて、そこから全くぶれない
それゆえに一切の冗長さがなく、27巻ものボリュームがありながら、読み始めたら止まらない作品になってたと思う。



ところで、なぜ今頃になってハガレンの話をしているかというと……

今いる世界にさよならしようか 出口はあちらと笑うウサギの目
今いる世界にさよならしようか 踏み出す足先色づき満ちていく(ユメミルクスリ)


このまとめにあるマンガを読んだからです。

あわせてこのあたりの議論も。
「クソみたいな異世界ノベル設定ビンゴ」が当てはまりすぎて秀逸 - Togetter
「最近の若い子は異世界に行くのにモニターに吸い込まれたり「ゲート」をくぐったりしないのね。死ぬのね」その理由が深かった! - Togetter
池っち店長の異世界転生分析「現世に愛する妻や子がいる身としては、「なんとかして現世に戻ろうとする」これ一択」「だからこそ異世界転生は独身者に売れる」「異世界転生に感情移入したり、憧れたりできる人は、基本みんなそう」 - Togetter
【行きて帰らぬ】物語に関するつぶやき - Togetter

f:id:tyoshiki:20190828172403p:plain

失礼ながら、この作品自体は全然面白いと思わなかったんですが(本当に失礼!)
読むと久々にハガレンとかふしぎ遊戯とかチキタ★GUGUとか聖★高校生あたりのことを思い出しました。あとユメミルクスリ。

ふしぎ遊戯(1) (フラワーコミックス)

ふしぎ遊戯(1) (フラワーコミックス)

ふしぎ遊戯 玄武開伝(1) (フラワーコミックス)

ふしぎ遊戯 玄武開伝(1) (フラワーコミックス)

ふしぎ遊戯 白虎仙記 (1) (フラワーコミックスアルファ)

ふしぎ遊戯 白虎仙記 (1) (フラワーコミックスアルファ)

確かにハガレンって「メタとベタ」以外にも「行きて帰りし物語」である上に「罪と罰の物語」でもあるんですよね。だからこそ、その両方のエッセンス、つまり「行きて帰りし物語」に説得力を持たせるためにどういう要素が必要かが詰まってると思う。


一方で、上のまとめにあるようになろうなどの異世界転生ものには「行きて帰らぬ」物語が多いんですよね。そんな中で、あえてなろうぽいテンプレでこういう「行きて帰りし物語」が描かれるならハガレンが何度目かのブームになることもあるかもしれないって思ったんですよね。

※もちろん昔から「彼方から」とか「プラネットラダー」とか「エウレカセブン」とか「はるかな国の兄弟」みたいに戻ってこないお話はたくさんあります。
「彼方から」5巻まで 「普通の女の子」が普通のまま頑張る姿を描く、エンパワメントに満ちた傑作 - 頭の上にミカンをのせる
「暁のヨナ」「少女革命ウテナ」みたいに女性主人公が戦って運命を切り開く作品のおすすめ7つ - 頭の上にミカンをのせる


そんなわけで、正直想像できないけど、もう連載開始から18年経ってるしハガレン読んだことない人がもう創作始めてるケースなんかもあるんじゃないかと(ぎゃー!)

なので、おっさんオタクとしては軽い気持ちで最近の若者さんにお勧めしてみたいです。

今まで一度も読んだことない、25歳以下の人に、あえて今ハガレンを読んでみてほしいです。そしてどういう感想になるのかぜひ教えてほしいです。

鋼の錬金術師 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス)

鋼の錬金術師 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス)

というわけで今回はややメタっぽい視線から概要について触れました。その2ではすごくベタに、自分が特に好きなところを何個か紹介したいと思います。

*1:一話の時点で秀逸なのに、さらにそのあとの動機の積み上げ方も非常に素晴らしい。このあたりのプロットはソードアートオンラインのキリトくんがもろに影響を受けてると思う。(ハガレン連載開始は2001年。SAOのウェブ連載が始まったのは2002年)

Viewing all 3708 articles
Browse latest View live