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Channel: 頭の上にミカンをのせる
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 スピンオフ「明智警部の事件簿」「高遠少年の事件簿」

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明智さんが警部のころのエピソード。
この当時は「相棒」のようなパートナーがいた(露骨に意識してるよね)が
警視になる際にそのパートナーとは離別することになり、
それから誰も信じずソロで活動するようになった経緯が描かれています。


金田一少年本編と違って、復讐とかより衝動的なものが多いです。
本格トリックものではなくとにかく明智さんとパートナーが協力して問題を解決するのを描くことを主にしています。
というかもうほんとにドラマ「相棒」がやりたかったんだなあという感じの作品なのでそれが好きな人は単体でも楽しめるんじゃないかな。

エピソード名犯人動機
少年の仕返し少年グループ愉快犯
正義の姿三浦義明(32)過去の殺人の隠蔽
あこがれの警官女子大生A狂言
引き裂かれた絆水島愛クズ親の抹殺
歪められた想い渡辺俊輝(23)覚せい剤使用の目撃者を口封じ
奇妙な観察者(被害なし)ただの覗き
哀哭の放浪者御園さん濱に振られたことに寄る自殺
五里霧中の密告者佐々木美香脅迫犯の口封じ
正義の御名下に藤原玄道不正行為への粛清

正義を行うことは容易いことではありません。
覚悟と勇気。
場合によっては、知恵や機転も必要です。
それを持ち得なかったことを責めるのは簡単です。

ですが、本当はね。
そのことを責められるのは、自分自身だけなんです。
その気持があるのなら、自分を許さないでください。
二度と同じ過ちを繰り返さないと、自分の魂に誓ってください。
私が望むのは、あなた達が自らの正義を貫く強さを持つこと。
それだけです。

あの時、私は頼った。
彼らに頼ってしまった。
彼らを守りきる算段もなかったのに。
人に頼れば累が及ぶ。わかっていたのに。
私は弱かった。
これは、私の罪だ。
もう頼らない、二度と。誰にも。

まぁ最近は金田一くんにたいして
ツンデレを通り越してデレデレなわけだが……。

高校の時から人を寄せ付けない孤高のキャラだったのに
そこからいったん人に心を開きかけて、
そこからまた心を閉ざして、そしてまた……
ということで、結構めんどくさいのだね明智さん。

高遠少年の事件簿 ★

高遠少年の初めての殺人体験を描いた作品。

ちょっと手品で賞取ったからっていい気になりやがって。
高遠に気があんのみえみえでさ!
ああいう薄汚いメスどもは断罪されるべきなんだ!

高遠!お前も俺と同類の天才だってはっきりわかんだね!(ほぼそのまま)

淫夢厨みたいな台詞はくのやめろよ!


年初目標2018

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去年は10たてた目標の内、達成できたのは3つだけでした。

・フルマラソン完走  
  →完走達成。目標タイム4時間30分を切ることはできなかったのでリベンジしたい。

・リスク資産◯万以上 
  →2020年までの目標値を一気に達成

・残業時間を年間200時間削減。 
  →残業時間は210時間減少。しかし減ったぶんをスマホゲーに投入してしまったのが反省点


2018年は最低限達成したい目標は4つだけに絞ります。

 ・TOEIC860以上
 ・体重を68kgまで減らす。
 ・リスク資産20%以上のパフォーマンス
 ・下記のシリーズを読破する 
  「ローマ人の物語」など塩野七生作品シリーズと「小説フランス革命
  

わたしもそろそろ完全におっさんになってきたので、ネットの他人に時間をかけるより、自分や自分の周りの人に重点をうつしていきます。
日本は2019年4月以降はノーチャンス。それまでに他人のことを気にせずとも最低限生き延びられる状況になっておきたいです。

「彼方のアストラ」感想  4巻からの怒涛の伏線回収が素晴らしかった

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今年もマンガは読んでいきますが、基本的には「作品紹介」はせず純粋に感想だけ書いていくことにします。 想定読者は「すでにこの作品を読んだ人」または「途中までは読んだ人」です。

みんなのお陰で僕は自分になれた。僕はオリジナルとして生きたい。みんなと一緒に帰りたい

評価★★★★(個人的評価★★★★)

全話読みました。微ネタバレ的な発言をすると「銀河鉄道999」や「11人いる!」かと思っていたら、それらのオマージュも多分に含まれていましたが、それ以上に「進撃の巨人」と「EVE BURST ERROR」を足したような話でした。まじでこの作品でEVE BURST ERRORを思い出した人は私と友だちになってください!

おそらく6巻で完結するかと思いますが、短い作品ながら、内容は「宇宙旅行でのサバイバル」「旅の中でのメンバーの成長」「アイデンティティの話」「犯人探しというミステリー要素」「大掛かりなSF要素を含む世界の謎」「平和とは何かという命題」など実にてんこ盛りで素晴らしかった。

彼方のアストラ 4 (ジャンプコミックス)

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まず、とにかく主人公がいいよね。 メンバーはみんなとある事情から一人をのぞき、みんな親からの愛情を受けずに育っていたのに、主人公はそれでも「周りの人間を助けたい」と願い、そのために自分を鍛え続け、自分の身をためらわずに投げ出す度胸も有る。それがメンバーの心をちょっとずつ前向きにしていく。 もしドラがマネジメントについて「リーダーの資質とは何か、それは真摯さである」というテーマを抜き出して大ヒットしたけれど、あの作品はそこまでやっておきながら「真摯さ」を描ききれなかったのに対し、この作品はその何よりも大切な「リーダーの資質」とは何かをよく体現している。

たまたま年末に「LIVE A LIVE SF編」の実況プレイ動画を見ていたのですが、同じ宇宙船のなかでのいざこざを描いた物語でも、LIVE A LIVEの方はとある存在のしかけによってメンバーが相互不信に陥るのに対し、こちらは何度も全滅や仲違いの危機に脅かされながら、主人公の求心力によってその困難や危機を乗り越え、結束を強めていきます。

こういう人間の成長物語としても素晴らしいですが、SF作品とミステリー要素を組み合わせたシナリオがとても素晴らしく、改めて「歴史」を学ぶことの重要性を感じさせられます。

そういう風に育ったからそうなった。
でももう、それじゃダメなんだと思います。自分の目で世界を見て、考えて、疑って、
本当の自分になるって、きっとそういうことなんだと思います。

また、要素がてんこ盛りな作品はほかにも有るけど、この作品はとにかく構成が丁寧でたくさんの要素があるのにごちゃごちゃしておらず読みやすいのが本当に凄い。 伏線もきっちりはられていて、1周めで真相が明かされる前に推理することも可能になっている。とても良い作品だと思います。真相がわかったあとで意味が反転するシーンもあり、かならず一度読んだ後もう一度読み返したくなります。

読むことになって前向きになれるし、物語としての面白さもしっかりしてるしで本当に言うことないです。


おまけ サバイバルの心得シリーズまとめ

だいたいは心得の部分はネタになっていて、実は心得でない部分で凄いいいこと言ってます。

その1 前に進めば前進する
「うまくいくかは五分五分だろう。でも進まなきゃ死ぬだけだ。道があるなら進もう」

その2 起き上がれば立てる

その3 慌て者ほどうろたえる

その4 みんなそれぞれいろんな力をがっちり合わせれば大抵のことはどうにかなる

その5 あきらめたらそこで試合終了

その6 できないのはいい やらないのはダメ
特技で役に立つ必要はねぇ。その分、みんなを手伝えばいいんだ。

その7 食べれば元気になる
一旦戻って、メシをくおう。それからだ。

その8 怒ると腹が減る

その9 問題が重なっても一つ一つ冷静に解決していけばすべて解決する

その10 立ち止まったら進まない

とにかく彼方は決断力がすごい。必ずしも正しくはないけど決めたら迷わない。特に第二惑星での決断は、誰も見てなかったけどこれ同じことやれって言われてできるヤツいないよね。


<その他の名言(5巻以降は単行本が出たら追記)>
・絶望した時は、強がれ
・ばらばらになっちゃ絶対ダメだ。暗闇なら手をつなぐしかねぇ
・なんとかなるもんだ。あきらめなければ、なんとかなる。
・わかんねえこといくら考えたって、わかんねえんだ。
・わからねえことは考えるな。一番危険なのは、お互いが疑い合って団結が崩れることだ。統率が取れなくなったら、それこそ自滅だぜ。今後一切犯人探しは禁止とする。
・俺は絶対弱音は吐かねえことにする。みんなもなるべく楽しんでこうぜ。
・お前が母ちゃんにどう育てられてたのか知らねえけど、俺達はもう子供じゃない。 夢があるなら親に逆らったっていいんだ。自分を出すことは、恥ずかしいことじゃない。友達に自分をわかってもらうのは嬉しいことだ。
・なめんなよ。俺は二度とあんな思いをしねえために、お前が銃の練習をしてる間も、ずっと筋トレしてきたんだ!
・だってお前しか撃てねえじゃん。お前が担当だ。頼むぜ。
・覚悟なんて、一生できねえかもしれねえ。だましだましやってくさ。
・俺達が家族だ!俺はいない、それがどうした! ◯◯◯、それがどうした!俺達は、同じ運命の下に生まれて、一緒に苦難を乗り越えてきた家族じゃねえか!みんなで帰ろう、そして驚かせてやるんだ。絶対に全員で帰り着こう、そして自分になるんだ
・真実はどうあれ、俺はおれの意思でそれを臨んだ。自分で選択したんだ。だから、いいんだ。別に。(これ「ネギま!」のネギくんと同じだね)

「辺獄のシュヴェスタ」6巻(完)

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作品評価★★(個人的評価★★★★★)

類似作品
ベルセルク    ★★★★★
風の谷のナウシカ ★★★★★
狂死郎2030     ★★★★★
グリザイアの楽園 ★★★
約束のネバーランド★★★

作品を構造的に見ると「ベルセルクにおいて、グリフィスという存在をきちんと描ききること無くガッツが倒してしまった」みたいな展開であり、明らかに未完成作品だ。この人のデビュー作である「地の底の天上」を見ても、絶対に「ベルセルク」がやりたかったはずだと確信しているが、それは結局達成できずに終わってしまった感じがある。それはよくわかっているのだが、この作品のことがメッチャクチャ好きです。

この作品については3巻まで出た時に一度感想を書いたことがあった。その時点では2つ期待していた点があって、一つはサバイバル・復讐譚。もう一つが、エーデルガルドとエラという傑出した二人の人物の対決、という部分だった。しかし、実際にはこの作品ではそのどちらも描かれてはいるものの、本当のテーマはそのどちらでもなく、本当のテーマは、作品タイトルの通り「辺獄のシュヴェスタ(姉妹)」だった。

辺獄は、洗礼を受けずに死んだものの行き着く地。罪もないが赦しもない。これは地獄の辺り、辺獄じゃ。

神を信じる視点からみれば、神を信じないというのはイコール地獄のようなものなのだろうが、実際は修道院に染まることを拒否し、彼女たちが押し付けてくる「神」を信じることを拒否し、「姉妹」を信じて戦い続けた少女たちは、苦しい戦いの中でも笑顔だった。
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あまりにも残酷な世界において、彼女たちの友情は奇跡なようなものであり、とても美しく、(彼女たちにとっては酷な話では有るけれど)この友情が紡がれる姿をもっと長く見続けていたかった。それだけ魅力的な作品でした。

辺獄のシュヴェスタ(6) (ビッグコミックス)[Kindle版]

竹良実小学館 2017-12-22
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(1)脱獄劇 / 復讐譚としての本作品 =「ベルセルク」「狂死郎2030」

復讐譚は最初の物語の駆動要素であり、3巻までひたすら脱獄と復讐譚をあわせたパワフルな展開でシンプルな面白さだった。しかしこの方向性は途中で挫折する。

彼女は母親の復讐のためにエーデルガルドを頃すと決意したわけだが、復讐のためなら手段を選ばない、という生き方を選ぶには、彼女の母親が善良すぎた。彼女の母親の教えがそれを許さなかった。そのために、彼女はただでさえ大変な復讐の際に、彼女が倒していく存在そのすべてを背負うハメになる。終盤に否定されている。彼女が復讐のためになしてきたことの後始末についても、結局エラというキャラが強すぎてイマイチ「罪と罰」という展開にはならない。

もしも神がそこにいるなら、ひとつだけ聞いて欲しい。
これから行う殺害に、もしも1片でも正しい意味が、善い結果があるのなら、
それは私が殺した人々の栄光としてください。
そして、その残りはすべて、私の所業。
復讐とは受けた傷を返すこと。ならばこれは復讐ではない。
受け取れエーデルガルト。お前に与えるのは、私の意思で行使する、私自身の暴力だ

3巻までのエラ無双に対し、4巻から先のエラが抱えてしまった葛藤は重たすぎて、ここで作品が失速した感じはある。しかし、エラがこういうキャラだったからこそ私はこの作品が大好きである。


(2)エラとエーデルガルドの思想的対立としての本作品 =「風の谷のナウシカ

また、エラとエーデエルガルドの思想的対立という側面。これについて、結局二人は同じ土俵で対決するというところまで進むことは結局なかった。読者はある程度エーデルガルドのことを知ることができるが、二人の間にはラストでの会話以外にやり取りがなく、お互いにお互いを知ること無く終わってしまった。 作品中でどちらかがどちらかを明確に否定するという形にはならなかった。 思想的にはお互いは平行線のままである。これはとても残念である。

「お前は、私の母さんを、無実の母さんを殺した。」
「よいでしょう。ここまできたあなたの意気に免じて、そのそしりは受けましょう。ではきくが、エラ。私を殺せば、私が救うはずの未来、何億何兆の人々の幸福な生を、貴方一人のために奪うことになる。あなはたそれを大罪だとは思わないのか?」
「もし本当に、あんたが永遠の、幸福な未来を作り出せるとして、
 そんなものをありがたく受け取るほど、人間がいつまでも恥知らずだと思うなよ……」

悔い改めるな。お前のような人間は、ただ、思い知れ

このあたりをガチでやろうとすると、本当に「風の谷のナウシカ」をやることになると思うのだけれど、それだと、エラは仲間を犠牲にして一人脱出し、そこから力をつけて……という冗長な展開にせざるを得なかっただろう。本作品ではあえてそれをやらずに、お互いがお互いの道を突き進もうとした結果両者は相手の考えなど知ること無くぶつかり、結果として片方がわがまま(目的)を通す、という展開になっている。これはこれで納得行く形ではあるが、「ダイジェスト」で飛ばされた1年半の間に、あれだけ「考えることをやめるな」といい続けていたエラがエーデルガルドのことを何も知ろうとすることなく、というのは強い違和感があり、どうしてもこの部分には不満は残る。


(3)仲間が力を合わせて困難と立ち向かう話としての本作品 =グリザイアの楽園

結局のところ、最後に残ったものは「エラ」という少女及び、彼女と関わった人たちの生き様という部分になる。この作品は、舞台こそ狭いものの、「ジョジョの奇妙な冒険第三部」のような読後感を味わわせてくれる。

「花京院! イギー! アヴドゥル! 終わったよ……」

エラの目的は最初はただ一人、ただ母の仇を頃すことだけの話だった。しかし、長い修道院生活の中で彼女はいろんなものを背負って戦うことになった。彼女一人なら(1)や(2)の物語に展開することができたかもしれない。しかし彼女はいろんな人間を背負おうとして、その重みによってあまり高く飛べなくなった。終盤にいけばいくほど割りと普通の人間になってしまっている。それでいて、普通の人間では耐えられない行為を続けていたのだから、はっきり言って限界だっただろう。

その代わりに、最初は彼女に遠く及ばなかった少女たちが、彼女に追いつき、独自のやり方でエラを助けようとする。彼女たちがエラを助け、成し遂げるという展開であれば、これはこれで美しい物語になっていただろう。しかし、最後の最後でエラは一人でエーデルガルドと対峙することになる。その点でも物語の構造的には美しくない。

お話として美しくはないが、だからこそこの作品に登場するキャラたちがとても好きになれる

しかし、私はこんな風にエラが葛藤して迷走し、それでも最後に一人で目的を成し遂げ、その後を周りの人間が助ける、という展開は美しくないからこそ人間味があってとても好きです。

極限状況において信じるもの、頼るべきもの、それは何かという問に対して、少なくともエラやその周りの人間は、この作品においては、明確に「神に祈る」のではなく「苦節をともにした姉妹(仲間)」だという答えを得ている。

修道院からの「脱獄」や「総長を倒す」という目的そのものよりも、この時代に神に頼らない、という決断を下すことはとても困難であったと思われるけれど、それを成し遂げるくらい強く結ばれた「友情」が描かれているこの作品は、読んでいて本当に胸が熱くなる。



余談ですが、この作品の最初に出てくる「ローマ劫略」はかなりイベント的に重要で、このあたりを知っておくとこの作品がより楽しめると思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ローマ劫掠

ダウンタウンの黒人モノマネ騒動の話について

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文脈読め文脈読め言ってる人がいるが、批判されてる側がこの言葉使うのは、基本的にブーメランにしかならんからやめろください。

わたしは後述の理由でダウンタウンの番組は見ないのだが、こんだけ擁護してる人がいると言うことは番組単体で見ればそりゃ問題ないんだろうなとは思う。擁護してる人は一生懸命この番組の文脈を説明する。差別の意図はなかったのは明らかだと。


だけど、それは自分は視野が狭いですって堂々と宣伝してるだけだと思うよ。批判してる人だってみんなそんなことはわかってると思う。そうじゃなくて、向こうが気にしてるのは黒塗りにした顔を笑うという行為そのもの。文脈というならこちらの方がでかい。エディマーフィーがうんぬんだけが問題だと思ってる人は、この問題の土壌が見えてない。

奥さんが日頃の不満を貯めていきなりブチギレた時に、そんなに怒るようなことじゃないだろ?って返答してしまうタイプの致命的な行為だよ。




文脈で勝負しようとしたら普通に負けるの。

文脈で勝負したいなら戦略としてはこのくらいしかないでしょ。

・徹底的に個別事例に引きこもる(この場合は余計なことは一切言わない)

・その文脈で考えても問題ないと答える(相手の文脈を理解する)

・その文脈自体がアメリカのものであり日本では当てはまらないと答える(文脈の切り離し

・そんなこと言わせてしまってごめんな、と答える。


という感じで相手に合わせて考えるべきじゃないかなあ。ダウンタウン嫌いだから別になくなってくれて一向に構わないんだけど、それでも間違えた理屈で無くなるのはあまり好きじゃないので一応。


一番勘違いしてる人にいたっては、エディマーフィーが気にしてないと言ったらどうする?ってコメント。そういう問題だと認識してる限りはお話にならないんだよなあ。ここから説明する必要ある?



つまり、総合的にみたら、日本人が黒人をステレオタイプイメージで見ており、それが日本で住んでる黒人には不快なんだろうなというのは、否定しようのない事実だしらそこは理解はしないといけないって話ね。これ無視していくら番組単体を擁護しても意味ないよ。





その上であえていうと、今回の件、多民族国家アメリカと、未だにほとんどの人が黒人と接する機会がない日本で同じ基準を適用されるのはどうなのか、という気もする。実際に黒人と接する機会が少ないため、知らないのはどうしようもない。

そういう無知によって傷ついたという主張は当然大事にすべきだ。、しかし責められるところまで来ると、悪意がなかった人ほど反発は感じるだろう。

少なくともフローレンス代表の駒なんとかさんのように、この一件を持って人権後進国だと煽るようなコタツ記事を書いてる人はちょっと嫌いだなあ。この人多分この騒動が起きるまでミンストレルショーの歴史についても知らなかったよね。この人左側のネットギークだよね。色々煽り記事書く暇あったら自分の法人のゴタゴタに誠実に向き合えよって思う。





と書いてきたわけだけれど、、、

https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20180105-00080159/

この記事を読むと、無知なくせに日本人の政治家が露骨に差別発言をした経緯などがあって、こういうのが蓄積してきていたのなら、日本人も、無知だからとばかりは言い切れないかもしれない。
それにしても日本の政治家はなんでこう、差別的発言をしたがる人が多いんかな。。。





繰り返すけど、今回の件は、知らなかった。ごめんね。で許されるべき範疇だと思う。意図的な悪意ある行為や、意図的な差別行為とみなされるべきではない。
そして、それは抗議をしている人もわかっている。だからこそ、オリンピックの頃までに黒人に対する意識を向上させてほしいという形の訴えになっている。訴えてる人も、今回の件だけを取り上げわたしどうこうしようとはしてない。番組単体を吊るしあげようとしてるわけではない。日本全体について、黒人のことを概念としてとらえるのではなくて、ちゃんと人として見てほしい。こういうことには傷つくんだと意識してほしい。私たちは日本にも住んでるんだよということを考えてほしいって話だろう。


つまり、ダウンタウン日本テレビだけが怒られてると思って擁護してる人は、そもそも勘違いしてる。私たちみんなに訴えられてるわけだ。ダウンタウンの番組単体の問題と思ってる人はそもそも勘違いしてるので、それをどう受け止めるかは私たちなのだという意識で考えたいところだ。







ところでわたしは発達障害当事者な訳だけれど、無理解でいじられることなんかしょっちゅうあったし、社会的にもまだまだ偏見や誤解が多いと思う。

一つ一つのいじりや無知ゆえの言動について悪意がないのはわかってるけど、そういうのはじわじわきいてくる。自分はこの社会では受け入れられないんだな、と、思い知らされるわけだ。それでも普段は感情の折り合いをつけてやってるわけだけれど、テレビとかでそういうのを面白おかしくネタにしてるのを見たらやっぱり気分は良くないと思う。だからホゲタホゲオも批判されたんでしょう?


たとえ悪意がなくても、それどころかリスペクトを持ってやっていたとしても、それに嫌悪感や恐怖を感じる人っていると思う。それを訴える人がいても当然だくらいは受け入れてあげてもいいのではないか。それは、私たちはここにいるよ、私たちのことをもっとしてってください、という話なのだから。



わたしは普通のどつき漫才ですら不快で見れないからね。あれ普段から普通の人と会話や行動にズレがあって笑われることが多かったわたしには恐怖でしかない。実際に旧友には良くどつかれてた。ある時期にそういうのはやめてくれって訴えるまで向こうは全然悪気なかった。そういうのはやっぱり嫌だなあと思う。


こういうことを言うと嫌なら見るな、を言うカスが必ず湧いてくる。言われなくとも実践して吉本系のお笑いはほとんど見てない。だけど、不幸にも目にしてしまって不快な思いをしてしまった人が、自分は傷ついたと表明しているときは、それに周りの人が耳傾けるくらいはしてもいいんじゃないかなあとは思う。





ただし。

これは明言しておきますが、わたしは行き過ぎたポリコレは大嫌いだ。

多分被害当事者じゃない人たちだと思うのだけれど、なんか不快な表現があった時に、対話をすっ飛ばして批判を浴びせて、その存在そのものを根本から否定し、消し去ったり規制しようとする集団には嫌悪感しか覚えない。

せっかくそういう問題があったのだから、それって相互理解のチャンスじゃん。みんなに考えてもらうチャンスじゃん。なんでそこでいきなり相手殺しにいってんの。ゼロかイチでしか考えられないとかあほやろ。

今回の件でも、当事者の黒人作家さんは危機感を覚える、ちゃんと考えてほしいっていってる。文化間での摩擦なんて当然起こりうることだし、いちいちそれごとに相手を抹殺したり強制したり隔離しようとする考えって、一番差別に近いよね。実際ポリコレ訴えてる人ってすぐに自分たちの敵へのヘイトを垂れ流すでしょ。あれほんとひどい。差別に反対してる人たちが、本質的に一番差別に近い行動とってるのってもうギャグでやってるとしか思えない。

あれはポリこれ活動で一体感感じてる本人たち以外誰も幸せにならないと思うから今後も反対していく所存。ポリコレの人が極端すぎるせいで、常識的な訴えなどが伝わりにくくなってると思う。本当に迷惑だ。

「王国ゲェム」 デスゲームものの中でも最悪クラスの出来。これはひどい

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私はデスゲーム系のマンガ読むのがもはや趣味になっていますね。どの作品読んでも文句ばっかり言ってますが、なんだかんだいいながらだいぶ読んでる。 
紹介してないけど、あっさり打ち切られてしまった「堕イドル」とかは結構好きでした。
マイナーなデスゲーム系マンガをもっと紹介してもらえるように、一度デスゲームものの間まとめを作らねばと思っています(笑)

そんなわけで「王国ゲェム」一巻の表紙の雰囲気がよく、かつ設定も面白そうだったので読んでみましたが、これはひどい……。

「シグナル100」「生贄投票」についてに次いで個人的ワースト3位。

しかもワースト1位、ワースト2位の作品と違って、この作品は結構絵もきれいだし、デスゲームの設定はかなり面白くできるポテンシャルがあったと思います。 が、ダメ!
漫画家でもない人間が言うのも何ですが、なんというかものすごくキャラの使い方やストーリー構成が「下手」な感じなんですよね。

多分これ、デスゲームのルールを考えたはいいものの、どういうふうな作品にするか、まったくビジョンがなかったんだと思う。

需要ないから特に説明しませんが、とにかくキャラがヘボすぎて全く盛り上がらない。

「足を引っ張る味方」の役割について、あるいはワールドトリガーすごいよねという話: 不倒城

このゲーム、複数のチームが戦って、最後に勝ち残ったチームが願いを叶えるというオーソドックスなものです。「ダーウィンズゲーム」みたいな感じ。
しかし、ルールとして「チーム内での争いを促す仕組み」が強く、こちらは面白かったのですが、逆に「チーム対チーム」はことは十分に練られておらず、特にこのゲーム特有のスキルもあまりない。
そのため、普通に腕力が強い男が強く、さらにいえば、銃を手にいればキャラが強い。  また、チーム対チームの争いを促す仕掛けが弱く、物語にエネルギーが感じられない。
結果として、人殺し大好きキャラとか、命がかかっているのに女にホイホイ釣られる無能な味方みたいなのに頼って物語を動かすしかなくなりgdgdに。

とにかくキャラへの愛情が全く感じられません。
得てしてデスゲームものは登場人物が使い捨てにされやすいのですが、この作品の場合、使い捨てにするようなゴミキャラがいつまでも生き残って自己主張を続けるので最悪です。
作者が主人公チームにまともに愛情持っていなさそうな上、にもかかわらずこいつら勝たせなきゃいけないんだよねー、みたいな言い訳を読まされてるような感じ。



あげく、そのgdgdでも一応意味があるのかと思ったら、途中ですべてそれまでの展開を放り投げて仕切り直し。
たかが読者の分際ではありますが、作者のストーリー構成力が足りなさすぎるし、何より
作者の力が足りないなら足りないで、編集がそれを補って作品をちゃんとしたものに仕上げらればいいはずなのに、編集は何をやっているのか。
マンガは楽しむために読むものなのに、読んでて久々に「不愉快」になってしまったのは久しぶりです。アカンと思った時点で読むのやめればよかった……



というわけで、今回もダメだったよ……。

デスゲームものはこういう駄作に出会う確率が結構高いし、ぶっちゃけ今までに名作と感じたのが殆どありません。つまり、期待値がとても低いジャンル。
なのに、なんで私はこんなジャンルを読み続けているのか。 なんだかんだいって好きなんだろうな……

デスゲームものマンガまとめ

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めちゃくちゃたくさんあるので忘れてる作品もあると思うけど、思い出せる範囲で。
あと、お前それデスゲームじゃねえだろうが、ギャンブルゲームだろうが、ってのも有ると思うので、ギャンブル要素が強いものとそうでないもので分けます。

バトルロワイヤルもの

キリがないけど後で作るときのためにスペースだけ作っておきます。



デスゲーム、★なしだけどとりあえずちゃんと作品としてアリかなと思うもの

駄イドル
リアルアカウント
屍囚獄
神様のいうとおり

自分の中では神様の言う通り「以下」の作品が「駄作」扱いとなります。

デスゲームとか、まぁそれに類する駄作

割りと分類が雑です。
これだけ「ひどい度」で「無」を付けます

シグナル100無無無無無無無無無
生贄投票無無無無無無無無
王国ゲェム無無無無無無無無
U12無無無無無無無
拷問トーナメント無無無無無無無
人狼ゲームBサイド無無無無無無
王様ゲーム無無無無
監獄実験無無無無
今夜は月がキレイですが、とりあえず死ね無無無無
投票げぇむ無無無
キボウノシマ無無無
狩猟教室無無

まだ読んでないもの。もしかしたらですゲームものではないやつもある?

とりあえず優先的に読みたい3作品だけ自分が買う用に張っておきます。

・貧民、聖櫃、大富豪
・モンキーピーク
カラダ探し
・学園✕封鎖
・Rule 消滅教室
・人間カード
・無職強制収容所
・トモグイ
・シャッフル学園
・ドクムシ
・クダンノゴトシ
・ゼウスの手

貧民、聖櫃、大富豪(2) (サンデーGXコミックス)[Kindle版]

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人間カード(1) (アース・スターコミックス)

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隣接エリア(B級パニックホラーもの)

このあたりまで入れだすとキリが無いよね……。

★★★ムシルラエゴ
★★彼岸島
★★祕十村
★巨蟲列島
食糧人類

この島には淫らで邪悪なモノが棲む
鬼畜島
屍牙姫

今まで一度も読まずに逃げてた聖書を今年こそ一通り読む

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お恥ずかしい話ながら、いままで読もう読もうと思って一度も読まずにこの年まで来ました。
いろんな作品の元ネタであるため、読んでいたらより楽しめた作品もあるのだろうと思うととてももったいないです。

例えば今年秋アニメにあった「魔法使いの嫁」などは、かなり聖書のエピソードが前提になってますよね。


歴史系の作品なんかは、その都度背景を調べたりしてより楽しもうとしていたのですが、
聖書とガンダムプリキュアについては、バックボーンのボリュームに圧倒されて今まで手が出せていませんでした。
まず今年はその一つ目に手を付けていきまし。

まず一周目は自分が比較的取り組みやすい「歴史」と割り切って読んでいくのが良さそう

「いきなり自分で聖書を読む」=「自力で体当たりする」というアプローチはもう何度も挫折しているので、
ようやく「他力を借りる」=「入門書を読む」というアプローチを試すことにしました。

そうすると、どうも、特に旧約聖書の方は、
言われてみれば当たり前なのですが「イスラエル人の歴史書」として読めばいいじゃないか、という方針が見えてきました。

「歴史」として読むなら私はそれほど苦ではありません。
物語とか一人ひとりの人物に立ち入るのは2周目でもよさそうです。

そう考えると、とにかく一番最初の「創世記」のところは要点だけ拾い、
そこから先の部分について、あまり細かい点は気にせずに大きな流れを押さえていき、
あとは人物単位で気になったところを掘り下げる、というようにすれば、なんとか頭に入ってきそうです。
イメージとしては、とにかくまず最初に「物語を理解する容れ物」としての歴史背景をきちんと自分の頭に作る。
「物語」を読むのはそれから、ということに成ります。


古文や漢文を読む時のイメージで

少し脱線しますが、これは「古文」や「漢文」を読む際の取り組みを思い出しますね。

私は小学校時代に、普通のマンガやゲームを与えられなかったため、
小説や家にあった学習漫画や歴史漫画だけが娯楽であり、
そのせいか日本史や中国史故事成語辞典などは何度も読み返しました。
あさきゆめみし」も家にありましたね。

そのおかげか、それぞれ古文や漢文に出てくる文章の背景について、
ある程度ビジュアルでイメージができており、中高の時に古文漢文の学習で苦労したことはあまりありません。
ある程度普通に読んでも内容がわかる。文意を取ること自体にはそれほど苦労しなかった。
今とは違うその時代の常識や、登場人物のやり取りなどを理解するのに壁も感じなかった。
なので、残った細かい文法などの学習に集中でき、他の人の3分の1程度の労力で取り組めたというのがあると思います。

実用性とかは文科省の人が勝手に議論すればいいと思うけれど
古文とか漢文って、ちゃんと読めれば面白いですよね。
短い文章の中に内容が凝縮され、教養を持つ人間相手であれば一つの表現の中に複数の意味をもたせることができる古文の優雅さといい、本質のみが簡潔に書かれた漢文の質実剛健さといい、とにかく素晴らしいです。
ああいう迷いのない、推敲された文章を書けたらどんなに素晴らしいでしょう。
それに比べて、なんで私の文章はこんなに冗長になるんだろうか。。。


2周~3周を前提として、まずは頭のなかにインデックスを作るところまでできれば上出来。楽しむのはその後

とりあえず、1周めでどのあたりにどういう話が書いてあるのか、をざっくり理解でいればOK。
2周目はポイントポイントで、主要な登場人物とかを把握できればOK。 

だいたいここまでが「世界史」とかの勉強のやり方ですね。

高校までの勉強で、歴史が苦手って人はくっそ真面目に前から順番に一つ一つ覚えていこうとしてる人いますよね。
高校の時、ほぼ全文にマーカーを引いて暗記しようとしてる人とか結構いました。
ぶっちゃけ、そのやり方は記憶力が無茶苦茶良い人以外効率がめちゃくちゃ悪いと思う。
それだと、途中までしか体力が持たない。 途中で挫折してやる気なくなるはず。私はそうでした。


それより、とにかく何周もしてちょっとずつ負荷を高めていくほうが絶対に楽です。

①まず一周目は「地図」と結びつけて流れを覚える。
一つの時代につき、脳内で10くらいの見出しを作る。
一周目って初めてなので、とにかく完走して雰囲気をつかむだけしか出来ない。
それ以上やろうとすると疲れる。 だから、細かいことはすべて後回し。
どっちかというと「教科書」より「資料集」を見ながら考えたほうがイメージしやすい。
ぶっちゃけ、一周目で「地図」がイメージできなかったら絶対にすぐ忘れる。

②ニ周目は、その小見出しについて
さらにその小見出しの中でストーリーが作れる最低限のキーワードをつかむ。
自分でだいたいこういうことだって説明さえできれば問題なし。


③三周目以降で、教科書で太字になってるキーワードとかをついでに覚えていてく。
ここまでやっても「よくわからない」「自分で流れを説明できない」部分が絶対にあるから
それを自分で確認したり、調べたりすると、はじめてスッキリして頭に入るようになる。


歴史ってこんな感じで勉強するよね。
そういう意味で、今の高校生たちは、ウィキペディアがあるからすごい歴史を勉強し易いんじゃないかな。
教科書で省略されたり、いきなり話が飛んでわからないところがあった時に、だいたいのことはすぐに確認できるもんね。
そして、興味を引いたらいくらでもそこから掘り下げてくれる。そういうところまでやったら、まず忘れないよね。
本当に今の高校生とかって、めちゃくちゃ恵まれていると思う。羨ましい。


多分ここまで下地作りをしないと、聖書を「楽しむ」のはなかなか難しいと思う

できれば、聖書を楽しめるところまで行きたいと思いますがなかなか難しいと思います。

「僕たちは勉強ができない」ってマンガでこういうこと書いてたんですが、まぁ本当にそのとおりだと思う。

「つらいよう…勉強って全然楽しくないんだもん…あ、あのさ。こういうのってさ…まず英語の楽しさとか、そういうの先に教えてくれたりしないのかなーって…」

「ねえよ。そんなもん。できないやつにとって、勉強はつらくて当たり前なんだ。できないまま楽しくなるなんてありえない。できないなりに地道にコツコツ積み重ねて少しずつできるようになって初めて、楽しさが生まれるとおれは思う。お前だってたしか、はじめからすげえ水泳好きだったわけじゃなかったよな」

「う、うん。最初はただ悔しさをバネに毎日ひたすら練習して。たしかに水泳が楽しくなったのって、タイムが出るようになってからだった…けど」

(中略)

「ねぇ、成幸。 勉強はつらくて当たり前だって言ってたじゃん?あたしもそう思うし。勉強はやっぱキライなんだけどさ。
 そんなつらいことでも、文乃っていや、リズりんみたいな仲間と一緒に目標向かって頑張るのってけっこー楽しいよ。」

ぼくたちは勉強ができない 4 (ジャンプコミックス)

筒井 大志 集英社 2017-12-04
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話逸れますがこの筒井先生という人「ニセコイ」につづいて作者は本当にストーリー構成力が致命的に下手くそだなと思います。自分で作った設定を全然活かしきれてない。その都度、その場の勢いだけでやってるなってのがすごいわかる。部分最適をやりすぎて、全体をぐちゃぐちゃにしちゃうタイプ。「ビャッコ」の作者もそうだったけど、こういうタイプの人は、絶対にストーリー漫画とかやらせたらアカン。。。「ダブルアーツ」とか絶対無理なやつだ。ただその分、全力でキャラを魅力的に描きたい、っていう熱意はすごく伝わってくるので嫌いになれない……。前作と違って主人公がクソじゃないので多少は期待してます



あるいはこんな台詞もあります。
ハイキュー!10巻 「自分はまだ下手くそで、本当の楽しさをまだ知らない」という希望 - この夜が明けるまであと百万の祈り

「月島くんさ!バレーボール楽しい?」

「いや…特には…」

「それはさ。下手くそだからじゃない?」

「な…」

「俺は3年で、全国にも行ってるし、お前より上手い。断然上手い!」

「言われなくてもわかってます。」

「でも、バレーが"楽しい"と思うようになったのは最近だ」

「!」

「(楽しいと思えるようになったのは)"ストレート打ち"が試合で使い物になるようになってから。
 もともと得意だったクロス打ちを、ブロックにガンガン止められてクソ悔しくてストレート練習しまくった。
 んで、次の大会で同じブロック相手に全く触らせずストレート打ち抜いたった。
 その一本で"俺の時代キタ!"くらいの気分だったね!--"その瞬間"が有るか、ないかだ。」

「……」

「将来がどうだとか次の試合で勝てるかどうかとかひとまずどうでもいい。
 目の前のヤツぶっ潰すことと、自分の力が120%発揮された時の快感が全て。

 --まぁ、それはあくまで俺の話だし、誰にだってそれが当てはまるわけじゃあねえだろうよ。
 お前の言う、"たかが部活"ってのも、俺は分かんねえけど間違ってはないと思う。
 --ただ、もしも"その瞬間"が来たら、それが、お前がバレーに嵌る瞬間だ」

楽しいって思うためには、ちゃんとそれ相応の努力は必要だろうと。
こういう努力をせずにいっちょ噛みだけして「つまんない」って言ってる人間を私は軽蔑しますし、アニメで「一話切り自慢」とかやってるやつはアホだと思っています。
聖書については、こういう対価をはらう価値があるということは沢山の人が証明してくれているコンテンツだと思うので、ちょっと頑張ってみたいです。


「響」「僕たちは勉強ができない」

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「天才」を描くというテーマ作品自体は好きなのでどちらも注目はしていたのだけれど、どうもこの両作品はそういうものではないらしい。
少なくとも「天才」を真面目に描くつもりはなくて、あくまでそれは「設定上の道具・ファッション」でしかないことは間違いないと思う。

あくまで「天才を描く」という軸で見た時の両作品の評価

誤解のないように書いておくと、私は正直いってどちらも好きになれないがそれは、私が「天才」というテーマを期待していたからです。そういう面を重視せず、ライトなラブコメやドタバタものとして楽しむのが多分この両作品に対する接し方の正解だと思います。


両作品には設定上「天才」であるキャラクターが登場する。しかし、どちらの作品も、天才で有ることと普段の言動が、完全に独立して存在している。両作品とも「天才」である必要性があまりない。「天才ゆえの悩みやしがらみ」というものをあまり感じさせない。あえていうと両作品とも「他の人らすれば憧れる程のものを持ちながら、そのことに固執していない」という程度の話だろう。

「響」は最初は多少なりとも、彼女の天才性とキャラクターをリンクさせようという感じは見られたが、今では完全に分離しており、単に「ぶっ壊れてる女の子が好き勝手暴れまわる」というだけのお話になってしまっている。
これって、天才でなくても、「宝くじに当たった」とか「生まれた時は超金持ちだった」でも構わないのではないか。


特に「響」に関しては、西森博之の「鋼鉄の華っ柱」の主人公を頭悪くしたような感じにしか見えない。「鋼鉄の華っ柱」が、傍若無人なように見えて、読者に納得感を与えるのにいろいろと工夫しているのに対し、こちらはできの悪い「なろう」小説のようだ。響一人が傍若無人に暴れまわっているうちはまぁそれでも「クロエの流儀」のような形で楽しめていたけれど対抗馬としてTVプロデューサーを出してくると、鏡写しで「ああ、響がやってるのもこういうことだよな」となり、とたんに醒めてくる。単に無茶苦茶やってるだけだ。そして、それを納得させるだけの「天才性」をこの作品は真面目に描けていない。

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作中では言葉で語るんじゃなくて演技で納得させろという割に、この作品ではひびきの天才性を言葉で説明しようとする。「さすおに」こと「魔法科高校の劣等生」のように、アホの一つ覚えで周囲の人間に「天才だ!参りました!」と言わせるだけ。これはかなり白ける。 

単に頭のネジが壊れているだけの狂人と、周りが認めざるをえない天才性ってのは全然違うよね。大事なのは彼女の天才性がどう人をワクワクさせたりするか、どう人を幸せにするかってところだと思うけど、彼女のキャラに喜んでるのは津久井さんだけだよね。ほかの人はただ慌てふためいて混乱させられてるだけだよね。 ウーマン村本さんも勘違いしているけど「その行為によって誰が幸せになるのか」とかちゃんと考えてやってほしい。単に奇抜なことやって目立てばいい、みたいな方向は要らないよ。その行き着いた先がローガン・ポールさんのクソYoutubeなわけでしょ。 そもそもこれで許されるなら「ハーヴェイ・ワインスタイン」のセクハラも許されるよねってなる。

ちゃんと「作品」で唸らせる展開にして欲しい。8巻のAmazonレビューでとても共感できるものがあったので引用しておきます。

今までの響の暴力は相手が反撃しないから成立しているだけでしたが、今巻でそれがようやく覆されたのは良かったです。どうしても今までのは都合のいい一方的な暴力という感が強かったので。ただ、今までのやり方が通用しない「本物の敵」との戦いのように展開させた挙句、「やっぱり相手は偽物でした」というオチは正直どうなんでしょうね。別に諦めのいいキャラという描写があったわけでもないので、津久井のキャラなら最後まで突っ張るべきだったんじゃないかという気がします。こんな竜頭蛇尾な展開なら、このエピソード自体ないほうがすっきりしたんじゃないかと思います。

それでもまだ「響」はまがりなりにも天才を描こうとしてるというのは伝わるけど、「僕たちは勉強ができない」にしてはもう作者自身どうでも良くなってるよね。水泳娘の女の子を中心に、サブキャラは納得行くのだが、メインの二人の女の子がアホすぎて白ける。人気投票とかまだやってないと思うが、私の中では水泳娘がぶっちぎりで、次に先生、新キャラと続き、メインの二人はどうでもいい、って感じになる。実際に、どのマンガブログ見に行っても、水泳娘ばかり褒めててメインヒロインの二人がめちゃくちゃ好きって言ってる人見かけないので、むしろこの二人の女の子が好きって言ってる人のブログが読みたい。「天才であるということ」というテーマに真面目に向き合って無くて、ただ「変わり者で世の中にうまく馴染めないものが集まってワイワイ」みたいな話であれば、それをストレートに描いた「究極超人あーる」とか「僕は友達が少ない」のほうが素直に楽しめると思う。



繰り返しになりますが、別に「天才」がテーマの作品だと考えなければどちらも普通に面白い作品ではないかと思います。
私は、マンガ読むなら自分が楽しめる読み方をしたほうが良いという主義なので、記事ではこう書いていますがどちらも楽しみながら読んでます。



「天才」というテーマにおいては「王様の仕立て屋」や「やさしいセカイのつくりかた」「王様のバイキング」あたりがすごい好きです。

やさしいセカイのつくりかた (6) (電撃コミックス)

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「オーク探偵オーロック」  シュレディンガーの切り裂きジャック

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作品評価★(個人的評価★)

fateシリーズ、特にFGOが好きな人には是非読んでもらいたい作品。

舞台は1888年のロンドン。その世界でシャーロック・ホームズ(なぜかオーク姿)と、U.N.Owenの探偵コンビが、切り裂きジャックと戦うというオールスターもの。
バネ足ジャック、アルセーヌ・ルパンフランケンシュタインが登場するなど、時代や実在・非実在、人間か都市伝説かを問わず色んなキャラが登場して場を賑やかす。

英国王立賢人協会(ワーズワース・ワークス)
ユナ・ナンシー・オーウェン
ロード・サイモン・プリムソル
比類なきジーヴス - Wikipedia
レストレード - Wikipedia
ジョゼフ・メリック - Wikipedia
ドラゴン・タトゥーの「男」
アイリーン・アドラー
シャーロック・ホームズの兄
クラレンス公アルバート・ヴィクター

残念ながら私はシャーロック・ホームズについてそんなに詳しくないので、このあたりしかわかりませんでしたが、好きな人がよめば、もっと色々分かって楽しいと思います。コンセプトとしては、夏目漱石の小説に出てくる登場人物のオールスターもの「こころ・オブ・ザ・デッド」を思い出すようなどんちゃん騒ぎで、その気になればかなり盛り上げられるポテンシャルはあったかな、と。

こころ オブ・ザ・デッド ~スーパー漱石大戦~(1) (アース・スターコミックス)

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「探偵権限」「赤い真実」についてのツッコミ

この作品では、探偵であるホームズは超能力を持っており、「これが真実である」と認定すれば、たとえ事実であってもそれを捻じ曲げることが出来ます。

これは、「うみねこのなく頃に」で登場した「探偵権限」、もっといえばゲームマスターのみに赦される「赤い真実」に近いものがあります。

赤き真実は少なくとも宣言したゲームにおいては真実であるといえる。
例えば殺人が起きる前に「右代宮絵羽は犯人ではない。」と発言したらそのゲームで起きる事件の犯人は絵羽であってはならない。

うみねこのなく頃に散 Episode8:Twilight of the golden witch 9巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER)[Kindle版]

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実際は、赤い真実よりたちが悪い、fateシリーズの聖杯のような機能を果たします。
これにより、各エピソードで「切り裂きジャック」の犯人を見つけるものの、それを彼が超能力を使って否定します。これによって現実が捻じ曲げられ、変容していくことによって、「切り裂きジャック」にまつわる真実もその都度変化していきます。 彼が最終的にこれが犯人だと観測を確定させるまで、延々と多様な可能性をはらんだまま現実が変容しています。「シュレディンガーの猫」みたいなもんですね。


ぶっちゃけ、現実と仮想を混ぜた世界だから許せるものの、倫理的には完全にアウトなことをやっていますよね。fateシリーズでセイバーが願い、それを断念したものを、いとも簡単にやらかしてしまっているわけです。そして、実際そうした改変の積み重ねで、どんどんと改変後の現実で被害者が出ていきます。この問題にどうやって責任を取るのか、どうやってオチを付けるのか。 そのあたりは、fateシリーズをプレイしてきた人なら興味を持って読めるのではないかと思います。



この作品、2巻で終わってしまっているのですが、とてももったいない……。 



この系統の作品としては、かなりオススメなのが「紫色のクオリア」ですね。「虎よ!虎よ!」のオマージュといい切っている作品ですが、終わり方がとても美しいです。

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あらためて思うけど、ソシャゲーってTVに迫る勢いの「視聴率」があるよね。。。

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普段3RTされればいいくらいの私のツイッターで謎のバズ……、

こんな感じでもし思いがけないツイートがバズってしまった場合、PCでツイートを開き、ツイートメニューから「この会話をミュートする」とやれば、そのツイートに関する通知だけ完全にシャットアウトすることができるそうです。

うん、二度と使うことのない知識だね!



それにしても、トップクラスのソシャゲーって、もうネットユーザーのかなりの人間に前提無しで話が通じるんだね。共通言語のような感じか。

言われてみれば、アクティブユーザーでなくても、作品の名前を知っていて、ちょっと触れたことが有る、っていうレベルなら昔のコンシューマーの大ベストセラーゲームでは太刀打ち出来ないくらいの人がやってるみたいだし、トップクラスのソシャゲーは、あの「ワンピース」より普及してる可能性があるんだよね。そう考えると恐ろしい。


ちなみに、アクティブユーザー数ランキング上位はこういう感じらしいですが本当なのか……?

1位ディズニーツムツム
2位ポケモンGO
3位LINE ポコポコ
4位モンスターストライク
5位LINE POP2
6位パズル&ドラゴンズ

http://kokopyon.net/blog-entry-10474.html

今回問題になった白猫プロジェクトですが
【コロプラ決算説明会】『白猫PJ』不振で売上高下ブレ…「7月はDAU倍増」(馬場社長)に急回復 他社IPを用いた完全新作など3本の新作配信控える | Social Game Info
実際のアクティブユーザー数は7月時点で「80万〜100万前後」であると推測されています。


FGOアイマスの話で適当な増田を書けばホッテントリし、
コロプラについて、株式投資やってる人間だったら誰でもわかりきったようなことをツイッターで呟けば拡散され、
はあちゅうさんについてブログで記事を書けばやはり大量の物申したい人たちがブクマを付けていく・・・


なんだかなー……


しかも、これだけの数があっても所詮は1~2%の世界なんですよね。

そう考えると、視聴率10%とかそれ以上の世界って想像を絶するなぁ。

「王様の仕立て屋~サルトリア・ナポレターナ~」13巻あるいはコロプラ訴訟についての話

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私はいままでにブログで300以上のマンガ作品について適当に独り言を書いていますが、そんなわたしが今連載中のマンガの中では現在一番好きな作品なにって聞かれたらこの「王様の仕立て屋」になります。
おすすめマンガランキングであまり見かけないのであまり読まれてないのかな……打ち切りになったら嫌だな、などと余計な心配をしたこともありましたが、第一期32巻、第二期13巻、第三期5巻、と50冊目を越え、売上も1巻あたりコンスタントに10万部ほど売り上げているとのことで読者はたくさんいるようです。

人間関係の積み重ねは有るものの、基本的な話の流れは決まっているため、どこからでも読むことが出来ます。

①それなりの社会的地位や人生のバックボーンを持つお客さんが仕立て屋である主人公のところにやってきて
②主人公に仕事や人生の悩みを打ち明けた後オーダーメイドの服を発注し
③仕立てられた服を来て自信を得ることで、立ちふさがる問題を乗り越えてめでたしめでたし

この作品本当に好きで、是非他の方にも読んで欲しいのだけれど、自分もあまり過去どういう話があったとか覚えてなかったりするので、また読み返してご紹介していければなぁとか思ってます。去年は「金田一少年の事件簿」全60冊以上のまとめをしたので今年はこれのまとめを作りたいと思ろうかなとかも思うのだけれど、なんせ1冊あたりの密度が非常に濃く、読み返すだけでも大変……。

と、まぁそんな話は置いといて、「コロプラ任天堂の間の争い」を見て、この第二期の13巻を思い出しました。


13巻では、あるカジュアル服ブランド・メーカーが、その時のレディス用に発表したフランネルシャツの柄に「タータンチェック」の柄を使ったところ
とある貴族より、そのタータン格子のデザインが氏族の意匠を剽窃したものである、という訴えがなされ、差し止め請求を出されてしまう。

これについて、ブランドは発売前だったこともあり、損害を覚悟の上で直ちに公式ページに謝罪文を発表の上、発売を停止すると決定。

同じ世界で情報を共有して生きている以上。発想が似通うことは珍しくないわ。
でも、剽窃の意思がなかったとしても、それを証明して納得してもらうことが不可能な以上、後発は遠慮する。それがブランドのプライドよ

ところが、その後、貴族側よりとある課題をだされ、それをクリアすれば商品として認める、と言われたため
ブランドは宣伝は自粛したものの、生地の生産中止という決断をせず、出荷の準備を整えつつ課題に挑む。
そして実際にその課題をクリアして許可をもらったことにより、胸を張って宣伝を開始し、出荷も開始した。


しかし、この後、同じ貴族の別の人間が同じように訴えを起こし、また差し止めを請求してくる。
これは流石にブランド側も受け入れられない

お待ち下さい。発売前ならまだ当社も身を切る選択が出来ました。
しかし、発売して宣伝を始め、追加発注をした今、中止などしたら大損害です。
一度お許しを下さりながら、今になっての撤回は無理無体……

そりゃそうだよね。さすがにもはや引くに引けない状態になってからの訴えはえげつない。
これを認めてしまうと会社が一発で傾いてしまう。

ここまできたら中止はありえないわ。ここで退いたら大損害よ!
何が何でもまかりならんというのなら、最初から認めないでほしかった!
すでに工場で大量生産に入っていたから中断もままならない。
このタータンを使いこなしてみせることでようやく現当主のご理解を頂けたんじゃない。
チャンスがもらえるならクリアしたくなるじゃないかーーーー!!

しかし、そもそもが、既存の意匠に関する調査が不十分だったことから突っぱねることは難しい。
「どうすればいいんやー!!?」という展開になります。


まぁコロプラの場合とはちょっと違うけれど、やっぱりこういう話って結構あるんだね、と。
コロプラも、このブランドと同じように、もう引くに引けなくなってるんじゃないかなぁと思いますね。
コロプラはどうなるかわかりませんが、この作品ではうまく問題を解決しているので興味が有る方は是非読んでみてください。


王様の仕立て屋 13 ~サルトリア・ナポレターナ~ (ヤングジャンプコミックス)

大河原 遁 集英社 2016-04-19
売り上げランキング : 90785
by ヨメレバ

おまけ コロプラがどのくらい引くに引けない状況になってるかというお話

コロプラはたくさんのゲームをリリースしていますが、
http://applion.jp/iphone/developer/376314072/

決算説明会資料 | IRライブラリ | IR情報 | 株式会社コロプラ
決算資料からは「白猫プロジェクト」から「ドラゴンプロジェクト」への世代交代はうまく行かずアニメ化までした「バトルガールハイスクール」も全然振るわなかったことがわかります。
そもそもめっちゃくちゃ面白いというわけではないけれど、鬼のように大量のイベントやキャラ投入、仕様の追加追加追加で人気を維持してきた作品なので、今更同系統のゲームで白猫より面白くなるかというと難しいと思います。

結局のところ売上的には「白猫」が4割以上、「黒猫」が2割強。「白猫テニス」が1.5割という感じで白猫たよりです。
f:id:tyoshiki:20180113151423j:plain
もし白猫などの「プニこん」関連がダメになると、売上520億の半分以上、270億くらい吹っ飛びますね。 白猫だけでも年200億の売上がいきなり消滅します。


もしそうならなかったとしても、ゲーム差し止めの可能性がある訴訟が長引いてしまうと「課金控え」が発生しますから売上が計画より大きく落ちることになるでしょう。

白猫プロジェクト - iPhone & iPad アプリランキング [$$308413110]
http://applion.jp/iphone/app/895687962/
すでに白猫プロジェクトの方売上が100位圏外になっているようです。(去年は3位~7位の常連でした)

白猫テニス - iPhone & iPad アプリランキング [$$308413110]
http://applion.jp/iphone/app/1062497483/
白猫テニスもぷにコン使用とはっきり書いてあるから、訴訟で負けたらこっちも何かしら影響有るでしょう。


コロプラはここ1年間から白猫プロジェクトの売上が急激に失速しており、
ここ数ヶ月で大量に広告宣伝費を投入することでようやく客足が戻ってきたところだったのに
そのタイミングで訴訟があったことでせっかく戻ってきたファンがまた離れていくことになっており
別にそれを狙ったとか言うつもりはないけれど、えげつないですね。


ちなみに任天堂の訴訟額は44億+遅延金とのことですが、
ぷにコン特許が任天堂の特許を侵害した額が44億で、その他がライセンス料+遅延金だったらかなり地獄。
特許ライセンス額がは売上に対するロイヤリティという形割ということになるため、
2014年に投入されて900億以上の売上を叩き出してきた白猫プロジェクトの1割としてもさらに90億上乗せになりますね……。
このあたり、結構気になるところです。


今までは営業利益率3割以上、純資産700億もあったんだね……

コロプラは1200人ほどの社員がおり、広告費を除く人件費・固定費が年間140億程度あります。
20億程度は削減できるとしても、250億以下の売上で120億の固定費。

・ゲーム運営に附随する変動費(去年は25%程度を負担)も考えると
・広告費(2017年度は50億円以上)
・新しいゲームを開発(開発費・外注費などで20億以上)

うん、確実に会社が吹っ飛ぶね。

いきなり起死回生で新作が大ヒットしない限りはリストラ不可避だと思います。

まぁ純資産が700億もあり、すでに株価も時価総額1300億以下まで下がってきているので
会社が潰れるとか、株価がさらに半額まで、ということは無いでしょう。

しかし、上でも述べたように、
コロプラの最大の問題点はミクシィほどではないにせよ「白猫プロジェクト」依存が高すぎて、
次の事業の柱となるヒット作が出せる見込みがまったく見えてこないということです。
白猫プロジェクト」がなくなったら、会社のビジネス前提そのものが崩壊してしまいます。


ソシャゲー会社って、一発当てれば本当に夢があるけどやっぱりなんか好きになれんわ……。

ここは白猫以降どのゲームも微妙なのばっかりで迷走している感が強かったので、
いっそのこと出直しということで儲けたお金でVR技術とかを頑張っていただければいいのに。。。

Fate Heaven's Feel 原作において「キャスターはなぜ葛木を殺したのか」という長年の謎が解決してちょっとうれしい

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Heaven's Feel劇場版はもう見ましたか?原作をプレイしたのもうすぐ15年前になりますが、今見ても惹きつけられますね。

さて、Heaven's Feelルートではキャスター陣営があっさり間桐臓硯に滅ぼされてしまう展開になるのですが、これ、原作と劇場版でだいぶ改変されてますね。

ぶっちゃけ私は原作の展開のほうが圧倒的に好きです。 劇場版ではわかりやすさ重視で、絵的にもバトルがふんだんにあって見応えあってこれはこれでもちろん素晴らしいのですが、あの正体不明な存在が暗躍し、前2ルートであれだけ苦戦した敵がどんどんと葬り去られ、取り込まれていく「不穏な」雰囲気。さらなる厳しい展開が待ち構えるという気配が漂っていて本当に続きを読むのが止められなかったあの時の感覚は、やはりノベル作品の良さを最大限発揮していると思います。

キャスターの絶望もはっきりと伝わります。

全てが
全てが全てが全てが
全てが 
無駄だったのね
なんて、くだらない茶番
もういい。もう、なにも、いらないわ
毀れてしまえ 何もかも

しかし「不穏」さを感じさせるには良かったものの、よくよく考えると、結局どうしてああいう展開になったのかがよく理解できてなかった。

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※原作におけるこのシーンは「衛宮士郎がルールブレイカーを見ていた」というのが一番重要で、「なぜキャスターが、クズキを殺したのか」についてあまり深く考えてなかったけど、よくよくかんがえたら「なんでだろう」ってなるよね。



これについて、マンガ版「Heaven’s Feel」にちゃんとした解答があり、長年の疑問が解決されました。*1
もしかして他にも知らなかったという人いるかもしれないからまとめておきます。


劇場版見た人は、ぜひ原作やマンガの方もご覧あれ。 ショタ慎二の描写とか良いぞー。

Fate/stay night [Heaven's Feel] (4) (角川コミックス・エース)

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Fate/stay night [Heaven's Feel] (5) (角川コミックス・エース)

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まず大前提

(1)Unlimited Blade Worksルートをやっていれば、キャスターがクズキを殺す可能性はゼロで有ることは言うまでもなくわかるはず。キャスターはこのルートでもクズキのことを自分の命より大事に思っている。

(2)まず、クズキとキャスターの関係は特殊。キャスターはルールブレイカーを使って元マスターを殺し、自力で顕現しているはぐれサーヴァント状態。クズキは魔術師ではないためマスター契約もしていない。そのため、令呪のつながりがなく、キャスターにはマスターである葛木の異常を察知することが出来ない

この歪な状態を間桐臓硯に狙い撃ちにされます。

間桐臓硯の策略によって「自らの手によって愛するマスターを殺す」ことになってしまい、本当に可愛そうなキャスター……

(1)まず臓硯は柳洞寺を監視し、クズキが結界の外(学校)にいて、かつキャスターが隣町に出ているときを狙う。

(2)条件が満たされた状況で、蟲を使って魔術耐性がない葛木を蚊のような蟲で攻撃。
武術においてはサーヴァント並に強いクズキだったが、蟲魔術耐性がなく、油断していたためにあっさりやられる。間桐臓硯は魔術でクズキの意識を掌握。さらに蟲がクズキの心臓と入れ替わる。つまり実質的にクズキはこの時点ですでに死亡している。

(3)操られたクズキは結界内に戻り、キャスターの工房を破壊。

(4)隣町から戻り、異常に気づいたキャスターは、クズキが操られていることを察し、彼を救おうとしてクズキを拘束した上でルールブレイカーを使用する。しかし上で述べたように、すでにクズキの心臓は蟲が代替している状態。ルールブレイカーを使用したことにより蟲が消滅してクズキは死亡する。キャスター自身も、そしてそのタイミングでやってきた士郎セイバーも、キャスターが自らクズキを殺してしまったと誤認。

(5)直情馬鹿の上に「主君への反逆」にトラウマがあるセイバーは、瞬間的に頭が沸騰し、話も聞かずにキャスター絶対頃すモードになって襲いかかる*2。ろくな備えもなく精神的にも支えを失って自暴自棄になったキャスターはあっさりセイバーに討たれる。

(6)頭に血が登ったまんまのセイバーはキャスターの死体の消滅を確認せず立ち去ったので後々非常に厄介なことになる

という展開になります。



おまけに続いての凛の淫夢シーンについて

こちらはわかってる人多いと思うので、引用で済ませます。

犯人はライダーです。彼女のバイザー型宝具『自己封印・暗黒神殿』は普段、彼女の魔眼を封印しているものですがこれの応用法の一つに、任意の人間の意識をこの中に取り込んで淫夢を見させる能力があります。これで士郎に淫夢を見させたのです。

そして淫夢を見させた理由ですが、ライダーの本来のマスターである桜は、体内の刻印虫が常時魔力を吸い上げてしまうため、また慎二は疑臣の書による仮のマスターであるため(魔術回路が枯渇しているため一般人同然な点も考慮)、ライダーへの魔力供給が満足にいきません。マスターからの魔力供給がなされない場合、霊体であるサーヴァントは、人間の精神や魂を食事として魔力を得なければなりません。

ライダーのクラスのサーヴァントとして呼ばれたメデューサは、神々によって醜い怪物と変えられる以前の人間の身体で召喚されました。(そもそも英霊は全盛期の姿・能力で固定される)ですが、怪物だった頃の吸血種としての力を失ったわけではありませんでした。ライダーには、直接噛みついて吸血する以外にもう一つの宝具『他者封印・鮮血神殿』によって結界内の人間を溶解して魔力を吸収する能力もありますが、あまりに悪目立ちすぎます。

桜ルートでは周囲にバレないよう、士郎に淫夢を見せることでこっそり魔術師の精に宿る魔力を吸収していたのです。また、士郎が凛の淫夢を見たのは凛が士郎にとって憧れの女の子だったからです。初めは未熟者である自分(士郎)との対比から優等生の凛を見ていたのですが、聖杯戦争の頃には異性としての好意を潜在的に抱いていたのです。

https://games.yahoo.co.jp/qa/detail?qid=13146190013

ライダーさんは、hollow ataraxiaでもしょっちゅう「つまみ食い」をしてます。 桜からの魔力供給だけだとモノ足りないんスね……。
ライダーさんは見た目の割にドMな性格なので薄い本のネタにされがちですが、正直この人の場合はこういうことやってるので自業自得な面もありますネ。

*1:もしかしてマテリアルとかで既に解説されてたかもしれないけど私読んでないから知らんかったんだよ!

*2:士郎がそばにいたから守らないといけなかったし、キャスターも危ない状態だったから妥当といえば妥当なんだけどね

「かなたかける」 中学生編からが本当に素晴らしい

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小学生編評価★★
中学生編評価★★★★★

類似作品

ちはやふる★★★★★
三月のライオン★★★★★
奈緒★★★
あさひなぐ★★★


トップページの記事で、オールタイム・ベスト2位に「いいひと。」を載せてるくらいには高橋しん先生の作品が好きです。*1

駅伝マンガ

で、この作品は箱根の街を舞台にした駅伝マンガです1~4巻までが「小学生」編、5巻からが「中学生」編になりますが、この中学生編が本当に素晴らしい。まだ途中だけど、個人的にはもう★5でいいかなと思ってます。

f:id:tyoshiki:20180114235143j:plain

駅伝やマラソンのマンガというと「奈緒子」が有名です。「奈緒子」はガチのスポーツとして駅伝を描いているマンガですがこちらは「駅伝を走る」ことによって生じるいろんな人のつながりを描いています。

高橋しん先生自身が、中学から陸上を本格的に始め、実際に箱根駅伝に出場(山梨学院大学)した人であり、駅伝の厳しさや素晴らしさを肌で知っている人であり、実際に「長距離走」についてのトレーニング方法やさまざまなウンチクはとても参考になります。ガチな作品を描こうと思えば自分の体験をもとに描くことも可能でしょう。しかし、あえてこの作品では「小学生の女の子」を主人公にして、駅伝というものを描いていきます。それによって、駅伝なんてテレビでみたことしかない、という人間が、「駅伝そのもの」の素晴らしさを体感できるような作りになっています。


キャラクターについて

この人の作品はすべて主人公が良くも悪くも「子供」であり「バカ(非常識)」であり「エゴイスト」であり「コミュ障」だと思います。あまりにも自分独自の世界を持っていることから、コミュニケーション重視の現代において、どうしても浮いてしまい、周りと上手くやっていけない。そういうところからスタートします。だから、最初は読んでいてすごい戸惑う。

ただ、そういう普通でない子が、出会いをきっかけにして、全力で行動していく内に、周りを巻き込んで引っ張っていくんですね。彼女の熱にこっちも感染して、こっちまで熱くなってきます。 読むタイミングによっては人生変えうるレベルのパワーがあると思います。


この作品の主人公は歴代作品の中でも一番「バカ」だと思う。私も2巻くらいまでちょっと引きながら読んでいたのですが、でもこれが慣れてくるとこれが癖になってくる。本番は中学生編からですが、もうこのあたりまで来ると、自分も主人公チームのファンになってしまいます。


正直好き嫌いはすごいはっきりでる作品だと思いますが、私はめちゃくちゃいい作品だと思ってます。マンガワン」で2巻のあたりまで無料で読めますので、是非読んでみて欲しいです。

表紙でくっきりと「小学生編」→「中学生編」とわかれてます。表紙絵でグッと来る人だったら絶対読んで後悔しないと思う。

かなたかける(4) (ビッグコミックス)[Kindle版]

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*1:高橋しん先生は「最終兵器彼女」が一番有名で、そっち路線だと「きみのカケラ」や「雪にツバサ」という作品がありますが、私は「いいひと。」や「トム・ソーヤ」が好きです。つまり、「こどもと大人の境界線(大人が普段忘れてしまっているもの)」みたいなのを描いてる作品が好きなんだと思います

「精神科ナースになったわけ」 

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相手の話を聞いてあげること、まずはそこから始めよう、と。

 
が精神病患者からみた精神病棟だとすると、今度はナースさん側から見た精神病棟の話です。(ただしこちらは実話ではありません)

精神科ナースになったわけ (コミックエッセイの森)

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紹介されている患者さんはやはり自分の常識でとらわれていては理解できない人たちです。

ナースからみた、患者さんたちのケーススタディ

初っ端からでてくる患者さんからしていきなり重度の妄想癖です(帽子を絶対に取らない)

主人公のナースさんは最初「世間の常識で考える」「おかしいから直さなければいけない」という考えで接しようとしていたため、全く取り付く島がありませんでした。
その考えをやめて「この人はこの人のルールで生きてるんだ」とちゃんと認めた上で、そのルールを壊さないに尊重して接するようにしたところ、
この患者は「帽子を取ると一緒に脳みそも出てしまう」という妄想に取りつかれていることがわかります。


・ルールを尊重することで、相手が自分の事情を話してくれ、
・自分の事情を話してくれたことにより、事情を知ってる人として少しだけ信頼されて、
・その信頼の範囲内で、相手のためにできることをやってあげることで、さらに少しだけ相手のことを教えてもらって
・この繰り返しで、最初に全く理解できなかった地点からだいぶ関係が前進していきます。

ついには、その患者さんから帽子を脱いでもらって相手の頭をシャワーで洗ってあげることに成功します。

こんな感じで「ナースさんが精神病患者についてどう考えて、どう接しているか」という本音の部分よりも
「こんな風に接することによってうまくいったケースもある」とか逆に「色々あったけどどうしようもなかった」というケーススタディ集のようになっていきます。

正直言ってちょっと出来過ぎな感じがあって「このはな奇譚」読んでるような感覚になってしまうところもあります。
実際、このはな奇譚もこういうコンセプトのお話ですからね。「妖」という常識外の存在と接し、その存在をリスペクトしながら、求めているものを理解していく、という話。

もっといえば、精神科のナースさんとか、旅館の人でなくても、こういう気遣いをしてくださる人ってのはいるものです。発達障害であり、それだけが理由ではなくそれを言い訳にしてコミュニケーションから遠ざかっていたせいで、対人のコミュニケーションが苦手で苦手で仕方がない私ですが、そんな私がなんとか生きていけるのは、こうした気遣いを私に対してもしてくださる方のおかげ。
私も同じようにしたい……というと荷が重すぎるので、まぁできる範囲で、相手の話を、自分の考えとは違っても聞いて尊重できるようになりたいと思います。


このはな綺譚 (6) (バーズコミックス)[Kindle版]

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「達成感」よりも「ままならなさ」のほうが多い職場で毎日働き続けるためには

ただあくまでこれは「精神病」の話です。
いい話で終わってくれる「このはな奇譚」や日常の善意と大きく違うのは、必ずしも問題を解決できることではない、むしろどれだけ心を注いだところでどうにもならないことが多いということです。
何でもかんでもうまくいくなら、そんなに楽なことはないけど、世の中そんなに甘くはない。

うまくいくケースもあるけれど、うまくいかないことも多い。この作品中でも、ほとんどの場合は「多少良くなる」程度です。
たとえばリスカ常習犯の女の子が登場しますが、彼女の根本的な問題やその原因を解決してあげることは、精神病棟のナースでは不可能です。
できることはその彼女の話を聞いてあげることだけ。無力感や敗北感に打ちのめされることだらけの日常です。


「このはな奇譚」のユズのように、深く相手の心に寄り添える人間であってもどうにもならないことのほうが多い。
そこまで受け入れられないと、このセカイで長く仕事を続けるのは難しいでしょう。
そういう環境において、そのままならなさも受け止めながらどんな風に考えたり工夫しながらこの仕事と向き合っているのか。


その部分こそが、私が読んでいて一番グッときた部分です。


「子供を殺してくださいという親たち」 「最貧困女子」とあわせて読みたい「最難の精神病患者」たちの姿

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私の仕事は「決断」を提供することです。息子と心中するとか、私しかいないとかそんな「決断」はまともじゃない。お母さんがまずスべきことは、あの医者に見切りをつけることです。そして、Tくんとお母さんの命を助けてくれる別の医者を探す。それが私の今の決断です。

絶望に効くクスリ」の5巻で登場していた押川剛さんの体験談を、「ダンダリン101」の作者が漫画家した作品。かなりリアルより路線です。

「子供を殺してください」という親たち 2巻 (バンチコミックス)[Kindle版]

押川剛,鈴木マサカズ新潮社 2018-01-09
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押川さんのお仕事は、説得による「精神障害者移送サービス」

重度の統合失調症うつ病強迫症やパニック症といった精神疾患など。精神科医療とのつながりを必要としながら、適切な対応が取られていない子どもたち。そういった子供を持つ親からの依頼で対象者を説得し、医療につなげる。それが業務である

これを二十年以上続けている。その経験の中から、「本当に救いようのない事例」を中心にして描いています。

山田玲司さんの「絶望に効くクスリ」だけでは、押川さんが生い立ちから仕事ぶりまで完璧なスーパーヒーローのように描かれていましたが、この作品ではそういう雰囲気は全くありません。精神障害者の家族を持った家庭の悲惨な状況を世に知らしめることが目的の作品ですから、「闇金ウシジマくん」なみに精神が消耗するお話しか載ってません。*1 

そのうえで、いくつかの事例については解決するパターンもあり、医療につなぐ必要性と、その希望についても描かれてはいます。

個人的には、押川さんの「子供が壊れてしまうのは親の育て方や愛情不足が原因だ」と断定していく姿勢はあまり好きではないのですが、逆に言えば、このくらい強い信念を持っているからこそ、困難な現実や、救いきれない人たちと向き合い続けながらも折れること無く、精神障害者およびその家族まで含めて助けていくという活動を続けることができているのだろうと思います。

作者さん自身あとがきで「ファクトが大事」ということを繰り返し強調されているので、この漫画を読んでうのみにするのではなく、いろんなデータなどを自分で見ていける人におすすめです。

作品中で登場する病名

話数病名結末
1統合失調症傷害事件により実刑判決。妄想に沈み社会復帰不可
2アルコール依存症傷害事件を起こし精神病棟に強制収容
3被害妄想が強い統合失調症15年にわたりゴミ屋敷に住み続けた後多発性硬化症
4攻撃性の強いうつ5年の入院治療を経て退院

依存の根底にはパーソナリティ障害や精神病質があると言われています。
もともと認知のゆがみや性格の偏りがあり、そのうえさらにアルコールの問題を抱えている。その本質に向き合わない限り真の解決は難しい。立ち直れるのは100人に1人だと……私はあいつがそんな一人になれるとは思いません。なんとかしてやりたいとは思いますが、私達の力ではもうどうすることも出来ません。あいつが退院したら、こんどこそ私達親を殺すか、本当に通り魔事件を起こすでしょう

俺が見てきた家族はみんなそうだ。他人なら愕然とするような部屋の様子を見ても、家族は平然としている。あれも、血の繋がった本物の家族の姿の一つだ。二人は晴美さんが病気であるという認識はなかった。家族として認めたくなかった。しかし、そのような考え方は自滅への道だ。

家族はみんな問題が起きると、家族の中だけで解決しようとしがちだ。しかし、そういう家族というのは実は一人ひとりに問題がある場合が多い。そんな人間が集まってなんとかしようと思っても、生まれるのは不安ばかりだ。だからお前は◯◯家の息子としてではなく、一人の人間になることがまず大事なんだ。だからお前も親元を離れ、他人に委ねるという一歩を踏み出せ。

俺から見ると、あの家はお前にとって安心できる場所じゃない。だから俺はお前にいいたいんだ。どうしようもないクソ親のことは、お前からけじめをつけてもいいんじゃねえか?



絶望に効くクスリ―ONE ON ONE (Vol.5) (YOUNG SUNDAY COMICS SPECIAL)

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ダンダリン一〇一 (モーニング KC)

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おまけ1 統計的数字(続きを読んだら追加するかも)

1精神病患者数は2013年時点で400万人。日本の総人口の30分の1が精神疾患で通院や入院をしている。

アルコール依存症の患者数は2013年時点で推定109万人。10年前から19万人増加。


おまけ2 2度の精神保健福祉法改正について

1999年(平成11年)精神保健福祉法改正により、第34条(医療保護入院のための移送)が制定されました。この制度は、「医療保護入院が必要な状態にある精神障害者、もしくはその疑いがある人を精神保険指定医が診察し、精神障害者と判断し、ただちに入院させなければ、自傷他害の自体に至るような場合で、入院について本人の同意が得られないと判定されたものについて、家族の同意を得て、都道府県知事の責任で(実際には都道府県職員が)精神科病院に移送する(応急入院の場合は家族の同意も不要)」というもの

2014年4月、改正精神保健福祉法が施行され、国(厚労省)は、「入院医療中心から、地域生活中心へ」を謳い、制度上も、保護者(家族)が、患者に治療を受けさせる義務等の責務はなくなりました。しかし現実には、地域で精神障害者を支える体制が整っているとは言いがたく、とくに対応困難な対象者ほど、どの専門機関からも曖昧な言葉で門前払いされるような事例が増えています。

関連記事

*1:※山田さんは「青二才」の最上級互換バージョンであり、たとえ現実の人間であっても好きなものであればとにかく持ち上げ、嫌いなものはとにかくけなす。好き嫌いが超激しいです。なんでもキザっぽく語り、良い面だけを徹底的に誇張し、格好いい所だけを見せようとする。一見格好悪くみえる点も全て「わかってるよ」と肯定していくスタイル。だから、山田さん自身はめっちゃ周りの人をいい気持ちにさせ、からモテるのだろうなぁとは思いつつ、リアリティという面では信頼できないんですよね。(もちろんそういうコンセプトだとわかっているので全く問題ありません。)

2018年1Qメタップスの決算に見る「現状での」仮想通貨の収益計上について

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仮想通貨、特にICOの会計処理がどうなるかで注目を集めていたメタップスの1Q決算が発表されました。

これは実際に仮想通貨を扱っていたり、個人事業化してる人とかは見ておいたほうが良いでしょう。

結論としては


1:仮想通貨の含み益について
売却する時点まで時価評価は一切せず、取得原価と同額の無形資産扱いでBSに計上する。損益計上はしない(含み益は収益とみなさない)」

2:ICOにおけるトークンの販売益について
 収益計上のタイミングが現時点では不明。一時的に「負債」として計上

3:ICO発行時における自社保有分のトークンの収益計上について
簿価0として計算。つまりICOが成功しても「現金」を得たことにはならない、とする。費用を先行して計上する形になる。


つまり、現時点の、特にIFRS基準においては売却して「現金」に戻すまでは、仮想通貨関連の収益は現金として扱わないということになるようです。

現金と仮想通貨は完全な棲み分け状態になってますね。

これによって、損益の認識が実際のタイミングと大きくずれることになります。

リアルタイムでの認識ができる時は来るのでしょうか。


私が思うには、土地の時価算定も、バブル崩壊後でしたし、まぁ仮想通貨の時価評価も、今のバブルが終わってからになるかもしれませんね。
今時価評価を認めてしまうと、株価を吊り上げてその金でまた仮想通貨を買って釣り上げてという最悪のバブルを引き起こしかねませんから。
https://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/commentary/investment-properties/2010-03-08.html



社長の思想や理想は先見的で良くても、足元の本業(何が本業かわからない)がおぼつかない、言っていることとやっていることが違いすぎる芸風が、第2のライブドアのメタップスさん。その昔、社長がホリエモン尊敬していると言っていて納得した。2006年より監視が厳しくなった2018年で、ライブドアみたいな時価総額膨張をどんなインチキ使ってするか楽しみにしてます。

2018年冬アニメ 注目は「ダーリンインザフランキス」

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まず最初に。今期も普通に豊作だと思います。


ただ、私のテンションがほぼゼロに近いです。全く見れてないし多分今期はあんまりみないと思います。

ラインアップを見たら興味は出てくるんだけれど、なんか急にしんどく感じてしまった。はてブもアンインストールしてからあまり見なくなったし(おかげでシロクマさんところの記事が盛り上がってるのは今日まで知らなかった)、いろいろともうだめかもしれない。若い時なら「こういう時期もある」で済むのかもしれないけど、私の場合はいよいよオタとしての死が近いのかなぁとか思っている。



と、まぁそんなことはどうでもいいので作品について。今期まともに見てるのは今のところこれだけです。

カードキャプターさくらCC編

素直にすごいわこの作品。単に作画が映画並とかそういう話じゃなくて、なんというかものすごい「元祖」とか「真打」感が強い。
私はこのCCサクラは一切見たことがないけれど、プリズマイリヤやら「なのは」やらがこの作品をリスペクトしてるんだなぁ、というのが分かってしまったし、私はプリズマイリヤのdrei激推し人間だが、fateという文脈抜きでみたら全く敵わないと思う。もちろん「カードキャプターさくら」だって魔法少女の元祖ではないので、前の作品を踏襲してるんだろうけれど、そういうの全然わからないので、知識の浅い私としては「元祖」としか言いようがない。
前作全く知らない私がうおおお、、、ってなったので、当時見た人は衝撃的だったのだろうか……。

ポプテピピック

面白い面白くないじゃなくて、まぁ友達がんな見てるしみないといかんかなぁという感じ。
声優ネタはあんまりおもしろくないし、原作四コマ由来のネタはあんまりおもしろくないが、面白く見せようとする努力がすごい。
アニメオリジナル部分もすごい。ボブネミミックとかすげえすげえ、、、って思いながら見てる。


宇宙よりも遠い場所

正直ちょっと展開がダルいけど、こういうのすごい好き。ちゃんと動きがある作品一つくらいはみたい。


ゆるキャン△

めっちゃ良かった。これは二話以降も見たい。私はいまアニメに求めているのはこういうのだわ。



本当に、このくらいしか真面目に見てないです。全然やる気がない。



見たけど特別な感想はない作品

からかい上手の高木さん」 原作が好きで、アニメも頑張ってるなという感じ。
スロウスタート」 前半で挫折。いつもなら喜んで見るんだけど今期の私はもうだめだ……。
伊藤潤二コレクション」 結構面白かったけどあえて今期見るかというと……
citrus」 一話から濃厚。原作とは全然絵の雰囲気違うけどいい感じ。
三ツ星カラーズ」 苺ましまろとちがってかしましい。
バジリスク〜桜花忍法帖〜」 途中で挫折。頭に入ってこなかった。
りゅうおうのおしごと!」原作既読。地元の大阪福島が舞台なのでそっち方向を観る楽しみはあるが原則としてあえてアニメで観る気がしない。
メルヘン・メドヘン」 一話から全裸が多いアニメ。ふしぎ遊戯好きだったなぁ……
学園ベビーシッターズ」 花とゆめ作品はなんでこんなに眠くなるのだろう。


1話切りとかじゃなくて、私が体力無いのでこのあたりは多分見ないと思います。いつもだったらどれもちゃんと最後まで見てたと思います。



まだ見てないけど気になってるやつ

ここを書くために記事書いたようなもの。


デビルマンcrybaby」 絶対見たいけど見るの怖い。
BEATLESS」 これは録画しておいて一気にみたい。
恋は雨上がりのように」 原作が好きじゃないが、アニメだとどうなってるのかをどこかで一回は見てみたい。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 京アニだけどよく知らない。評判はすごく良い模様。
ハクメイとミコチ」 原作は無茶苦茶評判いいみたいだけど未読なのでせっかくだからアニメで先にみたい
刻刻」 キャラデザがー。
封神演義」 今更感あるけど一話くらいはみたい。
「だがしかし2」 1期は全話見たけど多分もう見ないと思う。
シンカリオン」 評価高いみたいだけど存在すら知らなかった
キリングバイツ」  これアニメ化したんかよ。


全く知らなかったやつとか、見たけど微妙だと思ったやつ

博多豚骨ラーメンズ」 見る気があんまりない。
デスマーチからはじまる異世界狂想曲」 要らない

「続刀剣乱舞花丸」 なんかおいて行かれてる感あって見るの辛い。一応これは録画はする。
ラーメン大好き小泉さん」 原作は大好き。記事も書いてる。ラーメンがあんまり美味しそうじゃないしアニメで見るにはダルすぎる。
「たくのみ」 なんか違う。これも原作読みたい。
グランクレスト戦記」 ちょっとこれひどすぎへん?

「町田くんの世界」 恋愛と家族愛、女の子が求めているのはどっち?

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僕はたくさん家族がいて幸せです。家の中にも外にも。
◯◯も、僕の心のなかでは家族です。一人じゃないですよ。

父さんが思うに。相手を想像して、研究し続けていれば。
ずっと、なかよくしていられるんじゃないかな。

評価★★★(個人的評価★★★★)

いいひと。★★★★★
Papa told me★★★★★
きみはペット★★★
伝説の勇者の婚活★★
クロエの流儀なし


私は「いいひと。」が好きってのは何回も書いてきたけど、この作品の主人公町田くんもなんか「いいひと。」のゆーじくんっぽいね。

特に能力的にすごく優れてるとかじゃないけど、「人間が好き」。五人きょうだいの長男でありながら、少し年上のカズミお姉さんにだいじにされて育ったという生い立ち。そのためか、常に外にアンテナが立っていて、周りのことにいろいろ気がつくし、それについて相手のために鳴ると思ったらためらいなく関わっていく。

同級生の女の子には妹に接するように近い距離感で優しく接してくれるし、話をちゃんと聞いて肯定してくれるし、「女の人が言ってほしい行動や言葉」をどんどん提供してくれる。

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こういう言葉を当たり前のように言う

それでいて、恋とか性欲とかはあんまり知らなくて、がっついてる感じはまったくない。つまり女の子側から男である町田くんに何かをして上げる必要はない。

女の人からしたら純粋に「良い人」で「安心できる人」。そんで最終的には「自信を与えてくれる人」という感じか。

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まさに「理想の草食系男子」というか本当に「理想のおにいちゃん」という感じで、恋愛やら女の子の関係に疲れてる、もう恋愛より母性愛とかのほうがいいという女性はたまらんだろうなぁと思う。


私が「papa told me」のちせちゃんを見てる時に感じてたような気持ち。ロリとかじゃなくて、最近はもう女子大生とか女性の新入社員とかみてもそんな気持ちだけれど。 ぶっちゃけ「女性」は楽しいしいろいろ刺激を受けるけど、しんどい。私はもう枯れているので、そういう気を使わなくていいとか、恋とか性欲とかと無縁の対象として、女の子に癒やしを感じるってのはあると思う。


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「米系外資っぽい詰めをする人」について

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「経営者は成功の方法を語ったらアカン、理念や失敗談を語るのはいいが、成功の法則とか語りだしたらそこでゴール」っていうのはよく言われている話ですが、キャラブランディングが失敗してしまう人も同じようなものがあるのかもしれません。たとえばこんな理由が挙げられるでしょう。

①まず「自分はうまく行ってる」のが前提であるから、「予測外の問題」「うまくいってない事実」などがあってもそれを見て見ぬふりしてしまう。
②また、そのやり方を周りの人にススメている関係で、必要があってもそのやり方をすぐに変えるのもはばかられる。問題解決に必要な泥臭い部分を避けるようになってしまう。
③キャラブランディングで「盛りすぎる」「完璧さを演出」すると、次第に自分自身ですら、その演出で作り上げた虚像に対して現実が物足りない、と感じてしまう

さらにいえば、他人から共感を得るために、わかりやすさ重視で単純化した方法を語ってる人なんかは特に注意が必要かもしれませんね。白ハゲマンガで人間関係について語る人とかは、あんまり好きじゃないなぁ。

さわぐちけいすけさんが語っているのは「怒りをごまかす方法」であって「怒らない方法」ではないよね。 - この夜が明けるまであと百万の祈り




ここからは余談ですが。

以前「本人は論理的に詰めているつもり」なのだけれど実際は前提が狂っているだけの人に絡まれたことがあります。

その人の前提は「お前はAと主張した。だからそれについて根拠を持って説明しなければならない」でした。

実際は私は「Aとは言っておらずBと言っていた」わけで、自分が言ってないことを説明することは出来ない、と何回も説明したわけですが、何回説明しても「お前はAと言った!私にはそう読めた!だからお前はAという主張について説明しろ!」と繰り返すだけなんですね。

壊れたラジオかと思いました。

しかも、それに応じないと、記事タイトルに私のはてなIDやらtwitterIDを入れた罵倒記事を書き、記事中に暴言の数々を書き、他にも事実でないことを何個も書いて私を誹謗中傷しようとしていました。

はてな運営に通報しましたが、文章中に数十箇所の暴言があったり事実でないことを事実であるかのように語っていたのですが、それでも文言の訂正だけで記事削除にはなりませんでした。書いたもん勝ちやね!)

本人は、ここまでやってるのに自分のことを「論理的な人間である」と思ってるらしいんですよね。他の記事では「自分は怒りっぽくない」と自己分析しており、まぁなんというかお察しな感じだったのですが、半年後にその人のページを見に行ったら、追記に追記を重ねて、私への呪詛が二万字くらい書かれており、マジで怖かったです。


それもこれも「論理的」とか「根拠を持って」みたいな話をする時に、「前提が間違ってたら、そこからいくら論理的に考えても無駄やで」ってことがちゃんと理解されてないからかもしれませんね。論理的に書かれている文章って、よく事情や前提を知らない人が読んだら「この人は正しい」って思ってしまいがちなんですが、そういう人でも前提が違ってたら意味が無いんだよってことはよく理解しておきたいです。

大抵の場合、「ガンガン詰めをやらなければならない」ような状況が頻繁に起きてる状況って、片方だけが悪いわけないんだよなぁ。そこで「自分は詰める側、お前は詰められる側だ!」と5部のポルナレフみたいなことを言ってる人は、よほど力の差がない限りはうまくいかないと思います。

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